マジックのルールについて。2
2005年9月8日昨日は主な間違いの分類まで書いて終わった。
今日はその続き。
マジックをやっていると様々な間違いを目にする。
それを避けるためにはどうしたらいいか。
相手に間違いであることを説明するにはどうすればいいか。
今日は結論としてそういうことを書こうと思う。
以下も自分の体験したエピソード。実際の会話もできるだけそのまま書いてみるので、雰囲気を感じ取ってほしい。
状況は日本選手権大阪一次予選・サイドイベントのドラフトの準決勝。
自分は初手《氷河の光線》から始まって強調路線で強力な秘儀やスピリットクラフト持ちクリーチャーをかき集め、救済で《大薙刀》も手に入れた軽快かつ強力な赤白ビートダウンを作成。
相手のデッキはこの際関係ないからいいや。
準決勝2本目、1T目に《大薙刀》、2T目に《刃鬣の獏》をプレイ。
3T目に《凍らし》をプレイ。4T目にはすぐに獏のカウンターを消費し3/1に、ブロッカーを《凍らし》で排除し、さらに残り1マナで薙刀を持たせて6/1トランプルでアタック。ここまでは問題ない。
4T目終了時。相手「獏の薙刀、外れません?」
自分「え、修整終わっても薙刀付いてるからまだ4/1ですけど」
念のため《大薙刀/O-Naginata》の正確なテキストを。
『大薙刀はパワーが3以上のクリーチャーにしかつけられない。
装備しているクリーチャーは+3/+0の修整を受けるとともにトランプルを持つ。 装備(2)』
今でこそ常識になってるけど、救済発売直後なのでこういう状況での大薙刀の扱いには皆慣れていなかった様子。
相手「元が1/1なんだから、薙刀持てないんじゃないですか?さっきまでは能力で3/1になってたから大丈夫でしたけど」
自分「いや、一度持ったらパワー3以下にならない限り外れないはずですよ、この書き方だと。」
ちょうどジャッジが近くを歩いていたので質問。
自分「・・・って状況なんですけど、これ外れないですよね」
ジャッジ「ちょっと待って下さいね・・・(数十秒)外れると思います。装備しているのが1/1ですので」(!?)
自分「(マジかよ)・・・いや、外れないはずなんですけど。どこにパワー3未満のクリーチャーがいるんですか。ちょっとヘッドジャッジに聞いて頂けませんかね」
ジャッジは本部に。
数分後、先程のジャッジがヘッドジャッジと共に帰還。
ヘッド「これはこちらの方(自分)が言うように、外れません。装備が一度適正になった後は、大薙刀の修整も含めた上でパワーが3未満にならない限り外れる理由がありません」
いつの間にか周りのプレイヤーも注目していたらしく、「へぇ〜」やら、「外れないんだ、覚えとかな」とか言ってました。
おしまい。
何が言いたいかというと。
この話から「どうすれば間違えないか」という教訓を学び取れるわけ。
自分がジャッジに反論してまで「絶対外れない」と言ったのは、「大薙刀を持った獏は4/1であり、『どこを見てもパワーが3未満とは書いていない』」から。これはマジックのルールの中でも重要な考え方だと思う。
「+3/+0トランプルの修整を受けた1/1」ではなく、単に「4/1トランプル」なわけだ。修整を受けた時点で元のP/Tは「上書き」されてしまい、「見えない」。ここを勘違いしている人がいるんだな、ということをこの場面で再認識した。
もちろん、この考え方はパワー・タフネスに限ることではない。
たとえば《忘却石/Oblivion Stone》。
『すべての土地でないパーマネントを破壊する。(抜粋)』
発売当初はこれでクリーチャー化した《隠れ石》や各種アーティファクト・ランドが壊せる、とか言う人がいた。「だってクリーチャーとかアーティファクトなら『土地じゃない』だろ」って。
じゃあ《強迫》で《マスティコア》を手札から落とせるのかと。
アーティファクトなら「クリーチャーじゃない」って言える?言えるわけがない。それと同じ事。
こういった間違いを避けるためには何に気をつけるべきか。
自分は以下のように考える。
1.まずテキストをよく読み、場のカードを見逃さない
昨日の《永遠のドラゴン》や《真面目な身代わり》の例なんかはこれで解決する。これは解釈以前の問題なので、ここは当然のようにクリアしたい。
2.否定語に気をつける
忘却石の場合は否定語の捉え間違い。「〜でない○○を・・・する」って表記の時は、〜という条件さえ含まれていれば他にどんなタイプを持っていたとしても・・・されることはない。
たまに「数学の問題だ」って言う人がいるけど、単に論理の問題。当たり前のことを当たり前に理解できれば間違えないはず。
3.例外的解釈を想定しない
たぶんこれが一番重要。上の《大薙刀》はこれの例。
普通に考えたらパワーが4あるから外れるわけないのに、「パワーが3以上ないと『つけることができない』」って書いてあるせいで、てっきり装備前のパワーを参照するのかと思ってしまう。
パワー・タフネスの「修整前の値を見る」なんてことは例外中の例外で、滅多にあることじゃない。ていうか、あるのかそんなカード。
確かラヴニカのカードでもこんな感じで間違いが出そうなものがあったけど、それは発売されてから改めて。
とにかく、「普通は〜かもしれないけど、この場合は・・・じゃないか?」って無根拠に考えてる場合は大抵間違ってる。
もちろん何か根拠があるなら話は別だけど。
大体こんな感じ。あとで気付いたら追記するかもしれない。
今日はその続き。
マジックをやっていると様々な間違いを目にする。
それを避けるためにはどうしたらいいか。
相手に間違いであることを説明するにはどうすればいいか。
今日は結論としてそういうことを書こうと思う。
以下も自分の体験したエピソード。実際の会話もできるだけそのまま書いてみるので、雰囲気を感じ取ってほしい。
状況は日本選手権大阪一次予選・サイドイベントのドラフトの準決勝。
自分は初手《氷河の光線》から始まって強調路線で強力な秘儀やスピリットクラフト持ちクリーチャーをかき集め、救済で《大薙刀》も手に入れた軽快かつ強力な赤白ビートダウンを作成。
相手のデッキはこの際関係ないからいいや。
準決勝2本目、1T目に《大薙刀》、2T目に《刃鬣の獏》をプレイ。
3T目に《凍らし》をプレイ。4T目にはすぐに獏のカウンターを消費し3/1に、ブロッカーを《凍らし》で排除し、さらに残り1マナで薙刀を持たせて6/1トランプルでアタック。ここまでは問題ない。
4T目終了時。相手「獏の薙刀、外れません?」
自分「え、修整終わっても薙刀付いてるからまだ4/1ですけど」
念のため《大薙刀/O-Naginata》の正確なテキストを。
『大薙刀はパワーが3以上のクリーチャーにしかつけられない。
装備しているクリーチャーは+3/+0の修整を受けるとともにトランプルを持つ。 装備(2)』
今でこそ常識になってるけど、救済発売直後なのでこういう状況での大薙刀の扱いには皆慣れていなかった様子。
相手「元が1/1なんだから、薙刀持てないんじゃないですか?さっきまでは能力で3/1になってたから大丈夫でしたけど」
自分「いや、一度持ったらパワー3以下にならない限り外れないはずですよ、この書き方だと。」
ちょうどジャッジが近くを歩いていたので質問。
自分「・・・って状況なんですけど、これ外れないですよね」
ジャッジ「ちょっと待って下さいね・・・(数十秒)外れると思います。装備しているのが1/1ですので」(!?)
自分「(マジかよ)・・・いや、外れないはずなんですけど。どこにパワー3未満のクリーチャーがいるんですか。ちょっとヘッドジャッジに聞いて頂けませんかね」
ジャッジは本部に。
数分後、先程のジャッジがヘッドジャッジと共に帰還。
ヘッド「これはこちらの方(自分)が言うように、外れません。装備が一度適正になった後は、大薙刀の修整も含めた上でパワーが3未満にならない限り外れる理由がありません」
いつの間にか周りのプレイヤーも注目していたらしく、「へぇ〜」やら、「外れないんだ、覚えとかな」とか言ってました。
おしまい。
何が言いたいかというと。
この話から「どうすれば間違えないか」という教訓を学び取れるわけ。
自分がジャッジに反論してまで「絶対外れない」と言ったのは、「大薙刀を持った獏は4/1であり、『どこを見てもパワーが3未満とは書いていない』」から。これはマジックのルールの中でも重要な考え方だと思う。
「+3/+0トランプルの修整を受けた1/1」ではなく、単に「4/1トランプル」なわけだ。修整を受けた時点で元のP/Tは「上書き」されてしまい、「見えない」。ここを勘違いしている人がいるんだな、ということをこの場面で再認識した。
もちろん、この考え方はパワー・タフネスに限ることではない。
たとえば《忘却石/Oblivion Stone》。
『すべての土地でないパーマネントを破壊する。(抜粋)』
発売当初はこれでクリーチャー化した《隠れ石》や各種アーティファクト・ランドが壊せる、とか言う人がいた。「だってクリーチャーとかアーティファクトなら『土地じゃない』だろ」って。
じゃあ《強迫》で《マスティコア》を手札から落とせるのかと。
アーティファクトなら「クリーチャーじゃない」って言える?言えるわけがない。それと同じ事。
こういった間違いを避けるためには何に気をつけるべきか。
自分は以下のように考える。
1.まずテキストをよく読み、場のカードを見逃さない
昨日の《永遠のドラゴン》や《真面目な身代わり》の例なんかはこれで解決する。これは解釈以前の問題なので、ここは当然のようにクリアしたい。
2.否定語に気をつける
忘却石の場合は否定語の捉え間違い。「〜でない○○を・・・する」って表記の時は、〜という条件さえ含まれていれば他にどんなタイプを持っていたとしても・・・されることはない。
たまに「数学の問題だ」って言う人がいるけど、単に論理の問題。当たり前のことを当たり前に理解できれば間違えないはず。
3.例外的解釈を想定しない
たぶんこれが一番重要。上の《大薙刀》はこれの例。
普通に考えたらパワーが4あるから外れるわけないのに、「パワーが3以上ないと『つけることができない』」って書いてあるせいで、てっきり装備前のパワーを参照するのかと思ってしまう。
パワー・タフネスの「修整前の値を見る」なんてことは例外中の例外で、滅多にあることじゃない。ていうか、あるのかそんなカード。
確かラヴニカのカードでもこんな感じで間違いが出そうなものがあったけど、それは発売されてから改めて。
とにかく、「普通は〜かもしれないけど、この場合は・・・じゃないか?」って無根拠に考えてる場合は大抵間違ってる。
もちろん何か根拠があるなら話は別だけど。
大体こんな感じ。あとで気付いたら追記するかもしれない。
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