「勝つ」ために必要なこと　-フィニッシャー論　その3

2006年2月22日戦略記事・読み物コメント (1)

巷でいくつか新環境スタンが行われているようですが、白黒コンが勝ちあがっているという話はあまり聞きませんね。
発売前からひたすら調整を続けている身としては悲しいばかりです。
たまにネット上でデッキリストを見かけるんですけど、どうも疑問の残るものが多いわけです。
もちろん自分が先日上げたリストも未完成なので、現在の形とは多少異なっているわけですが。
特に思うことがあるのがフィニッシャーその他関連。

なぜ《明けの星、陽星》が入ってるのだろう？

さらに陽星と組み合わせる形で《嘆きの井戸、未練》や《債務者の弔鐘》まで投入されている様子。

陽星は、簡単に言うと「墓地に落ちたら5つ寝かせてアンタップを1回飛ばす」という能力を持っています。
かつてセレズニア系デッキがこの伝説ドラゴンをフル活用して世界の頂点にまで昇りつめました。
が。
この能力がコントロールデッキ向けではないということが忘れられているような気がします。
確かに「時間を稼ぐ」という行為はコントロールデッキにとって重要です。ただ、それは序盤の話。
自分がフィニッシャーを出せる段階まで到達し、なおかつそれが除去されたあとに「時間を稼ぐ」ことに何の意味があるのでしょうか。

陽星以外にもクロックを刻めるクリーチャーが多数存在したからこそ、白緑は陽星を場に叩き付けることができ、また陽星が墓地に落ちることを大いに歓迎したわけです。
よりよい品物デッキは《御霊の足跡》《御霊の復讐》で墓地から簡単に呼び出せるからこそ、陽星を採用していたのです。
白黒コンが使うと・・・どうなるんだろう。除去されたら適当に土地やクリーチャーを寝かせて、おしまい。になりませんか？
こんなことを書いていると「だから《債務者の弔鐘》を入れるんだよ、わかってないなぁ」と言われそうです。
「わざわざそんなもの貼るぐらいなら素直に《絶望の天使》出そうよ・・・」と言いたくなります。

先程のフィニッシャーの要素云々を再度引っ張ってきます。
1)大型かつ回避能力を持っている
2)除去されづらい能力、もしくは除去されても構わない能力を持っている
3)自身の能力で相手の攻撃を抑制できる、もしくはゴリ押しが可能なほど決定力が高い
これですね。

まず、《夜の星、黒瘴》。
1は余裕、2も神河の伝説ドラゴンは一応共通です。
殴りに行っている間に相手を抑止する能力はありませんが、相手のライフが5を切ればもはや終了、2枚目を引けばライフ10でも一撃、というゴリ押し系必殺技を持っているのは大きい。
単純に除去されても5点ルーズは無駄にならず、自分の延命にも貢献してくれるため必要不可欠な存在だと思います。

次に《絶望の天使》。
1は黒瘴と同じ、残念ながら2は無防備です。ただし、場に出た瞬間に相手のパーマネントで最も脅威となるものを落とせるという能力はその見た目以上に強烈です。
相手は天使の攻撃から身を守りつつ新たな勝ち手段を展開しなければならず、この二度手間をのんびり見逃すほど5/5飛行は甘くありません。
正直、これを入れていない白黒コントロールは見る価値がないと考えています。

妙に挑発的な文章だなぁと自分でも思いますが、それほど思い入れが深い内容だと思ってください。ラストに続く。