隣の土地は何する者ぞ -特殊地形論- その2
●特殊地形の特殊っぷり

強力な能力を持った土地は強い。そりゃそうだ。
それだけでは単に思考停止なので、当たり前のことを改めて考えなおしてみようかと思います。

ちょっといくつか有名な特殊地形の例を挙げてみましょう。
(先程も述べたとおり、本稿ではグループCに入る土地のみを扱います。)
《不毛の大地/Wasteland》、《都市の樹、ヴィトゥ=ガジー/Vitu-Ghazi, the City-Tree》、《蛮族のリング/Barbarian Ring》、《樹上の村/Treetop Village》、《怒りの穴蔵、スカルグ/Skarrg, the Rage Pits》、《ちらつき蛾の生息地/Blinkmoth Nexus》・・・もういいか。できるだけ新しいカードの中から引っ張ってきました。

さて、これらの土地を見比べてもらえればすぐに脳内で分類できる方も多いと思います。
C-1:《不毛の大地/Wasteland》、《蛮族のリング/Barbarian Ring》
C-2:《都市の樹、ヴィトゥ=ガジー/Vitu-Ghazi, the City-Tree》、《怒りの穴蔵、スカルグ/Skarrg, the Rage Pits》
C-3:《樹上の村/Treetop Village》、《ちらつき蛾の生息地/Blinkmoth Nexus》

C-1は能力起動時に自身の生け贄を要求するタイプ。
C-2は生け贄を必要とせず、恒久的に起動が可能なタイプ。
C-3はクリーチャー化するタイプ。

グループCの土地をさらに3つに分類して考えていきます。
C-3はC-2に含めてもいいのですが、やはり能力の性質上かなり大きな違いがある、と判断しての措置です。

C-1、生け贄タイプの土地に関する考察
これらの土地はインスタント・ソーサリー的な能力を持ち、なおかつ「さすがにその能力を毎ターン使えるのはちょっと」というような強めの能力を持っていることが多いです。
このタイプの土地でよく使われるものは、主に「普通にデッキに入れてもよさそうな呪文の効果を代わりに実行してくれるもの」です。土地破壊だったり、ダメージだったり、マイナス修整の除去だったり、デッキ内から土地を引っ張ってきたり。
現在のスタンダードのデッキを考えても、これらの効果を持つスペルは普通にデッキに入っています。
ではなぜこれらの土地が強いと言われるのか。

1.マナが出る
土地である=マナ源として扱える(皆さん御存知のように一部例外はあります)。すなわち本来土地が入るスペースにまで呪文を詰め込めるのと同等以上の効果がデッキ構築段階で見込めます。
これは今まで散々語りつくされてきた内容であるため多くは語りません。

2.打ち消されない
少なくとも呪文を打ち消す能力や効果では打ち消されることはありません。土地ですから。ゆえに青はマナを縛る効果を持つ土地がとても苦手です。それだけではなく、例えば相手ライフの最後の数点を削ったり、除去されたくなさそうなクリーチャーを落としたり、ということが打ち消しの心配をせずに遂行可能です。
やっていることは単なる1:1交換なのですが、自分に選択権がありなおかつ非常に妨害されにくいという点で利点となるわけです。

3.起動コストが軽いand/or無色である
例えば本来は赤を含んだ3マナ以上かかるはずの土地破壊を《露天鉱床》は自身の起動のみ(≒無色1マナ※注)だけで行います。最低でも緑を含む2マナかかるはずの土地サーチをフェッチランドは1ライフと自身の起動のみで行います。ちなみにフェッチランドは自身と入れ替わりに土地が場にアンタップ状態で出るため、自身の起動を1マナとして換算する必要すらありません。その分、自身からはマナが出せないのですが。

「無色である」という部分は一応ダブルミーニングになっていて、本来は色特有の能力であるダメージ、サーチ、土地破壊などを、どの色のデッキでも行えるという意味の「無色」、そして発生源が土地であるため、プロテクションなどに引っかからないという意味での「無色」の2つの意味を表しています。
(※注:例えば《不毛の大地》を起動するとそのターンそこから「出せるはず」であった1マナは失われるので、一般的に土地の能力起動は1マナ分として換算するのが定説です。理解している方がほとんどだとは思いますが、念のため)

もちろん利点ばかりではなく、欠点もあります。
1.マナソースとしての役割は弱い
一番多い例が「無色マナしか出ない」。有色マナが出ても《蛮族のリング》のように単色しか出ないくせにダメランである、など。
2.土地としての1マナを失っている
1と矛盾するようですが、無色しか出なくてもマナはマナです。
生け贄に捧げることによってその分のマナは失われますし、広義的に見れば土地を出すのにかかる「1ターン」を失っていることになります。序盤では特に顕著になる特徴です。

これらの要素を踏まえて、例えば何度も例に用いた《露天鉱床》を評価するとすれば・・・
「マナの出る土地でありながら、自分の好きなタイミングで相手の最も邪魔な土地と1:1交換を行える。土地破壊でありながら赤マナは必要ないので投入できるデッキの幅は広く、カウンターされることもない。壊す必要がない相手ならば普通に土地として運用すればよい。ただ、マナは無色しか出せず、起動すると1ターン分の土地とそのターン出せるはずだった1マナは失う。」

大したことのない欠点に比べて利点が莫大に多いので使われて当然、というところでしょうか。

長くなったので一旦区切り。

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