ちょっと間が空きましたが、予告どおり続きを。

《カルシダーム/Calciderm》
かつてFiresの中枢を担った《ブラストダーム》のタイムシフト。誰もが当時のダームの恐ろしさを思い出し、その強さに再見しようと何かしらのデッキを考えたことだと思います。

しかし、いま本当に《ダーム》は強いのでしょうか。

穿った見方をすれば、「開発側がgoサインを出せたのだから、実際大したことはないだろう」と言えます。今は《ヤヴィマヤの火》もありませんし、色も白に変わっています。当時よりもクリーチャーの質は向上し、ほぼ全ての色に渡って一線級のビートダウンを組むことができます。
たとえ5/5が一発安全に殴れても、返しで小粒クリーチャーの軍団からそれ以上のダメージを受けることもあるでしょう。チャンプブロックを適切に行われ、ろくにダメージを通せないまま死んでしまうこともあるでしょう。序盤の加速から一気に中盤にかけて殴り込み、終盤を許さずゲームを終わらせる・・・という活躍ができるかどうかは怪しいところです。少なくとも、当時よりは格段に難しくなっていることでしょう。

加えて《神の怒り》《滅び》の壁も大きく、青黒相手に通しても返しで簡単に除去されてしまう可能性すらあります。

というわけで昔と全く同じ運用をしても大して強くない。
ならば今の環境でダームを最大限活かせるのはどんな形だろう、と考えていくと自然とハンデス寄りのオルゾフが候補に挙がってきました。

とりあえず、ここで一旦デッキリストを。

【オルゾフ/救出ハンデス】
土地:23
4《神無き祭殿/Godless Shrine》
4《コイロスの洞窟/Caves of Koilos》
2《宝石鉱山/Gemstone Mine》
3《トロウケアの敷石/Flagstones of Trokair》
3《平地/Plains》
5《沼/Swamp》
2《幽霊街/Ghost Quarter》

クリーチャー:23
4《サバンナ・ライオン/Savannah Lions》
4《貪欲なるネズミ/Ravenous Rats》
4《闇の腹心/Dark Confidant》
3《金切り声の混種/Shrieking Grotesque》
2《エイヴンの裂け目追い/Aven Riftwatcher》
3《石覆い/Stonecloaker》
3《カルシダーム/Calciderm》

スペル:14
4《葬送の魔除け/Funeral Charm》
4《酷評/Castigate》
3《呆然/Stupor》
3《信仰の足枷/Faith’s Fetters》

サイドボード:15
4《拷問台/The Rack》
1《呆然/Stupor》
3《名誉の道行き/Honorable Passage》
3《根絶/Extirpate》
4 未定

障害を取り除け
とりあえず、ダームを場に出すにあたっての判断は
1.一通り場が片付いて、あとは決め技を出すだけ
2.場が混乱していて、戦闘の主導権を無理にでも握りたい
3.相手の全体除去を読んで、それを誘うためにプレイ
などがあると思います。
理想は1つ目の状態なので、まずこれを目指すべく各種ハンデスで相手の手札を消費させていきます。ハンデスクリーチャーを複数並べてラスゴを撃たれてしまっても構いません。安全確認の《酷評》はとても大事。2つ目・3つ目の状況になった場合は《石覆い》のサポートを期待したいところ。

流れを見極める
このデッキは場の状況と相手の展開を敏感に感じ取る必要があります。というのは、基本的にパワーカードと呼ばれるものの枚数が少ないために能動的に流れを変える手段に乏しいのですね。
そういう意味では単純なデッキパワーで言えば弱いデッキですし、攻め所を見逃すとあと数点が届かなくて負けることも多いはずです。
例えば《石覆い》をタイミングよく登場させることにより一気に攻守が逆転することもあります。特に《裂け目追い》から《石覆い》の流れはかなり相手の計算を狂わせる上、5点分の飛行クロックが残るので相手によってはとても重要。

構築の変遷、救出の概念
もともと《石覆い》は《白たてがみのライオン》と、《カルシダーム》は《オルゾヴァの幽霊議員》と何度もスペースを争っていましたし、そもそも《拷問台》がメインに投入されていました。

まず救出クリーチャーですが、「ああ、これクリーチャーじゃなくてスペルだよな」と気付くまでにしばらく時間がかかりました。
《白たてがみのライオン》は「2マナのインスタント。自分のコントロールするクリーチャー1体を手札に戻す。2/2のクリーチャーを場に出す」ですし、《石覆い》は「3マナのインスタント。自分のコントロールするクリーチャー1体を手札に戻す。墓地にあるカード1枚をゲームから取り除く。3/2のフライヤーを場に出す」です。こう書くとすごく強そうに見える気がします。

要はクリーチャーであるという点を主眼に据えるのではなく、あくまでバウンス呪文であると。相手への対応速度で使うスペルならば軽い方がいい、ということで一度は《石覆い》から《ライオン》へと差し換えが行われていました。
しかし、やはり対応速度と引き換えに強力なアタッカーを失ってしまうわけで、何度も試行錯誤した結果やっぱり《石覆い》で安定という結論になりました。
マナに余裕がないときは無理に救出する必要はないし、むしろ中盤以降の動きを安定させるために使うべきだろう、と。

その他細かい点
《幽霊街》は《ヴィトゥ=ガジー》《ペンデルヘイヴン》、ウルザ地形各種を潰すために。前二者はサイズの小さいオルゾフのクリーチャーには邪魔、トロンは言わずもがなです。サイドの《根絶》でトロン1種の撲滅コンボも一応搭載してみたり。実際決まってもあんまり有利にならないと思いますけど。
《拷問台》をメインから取らなかったのはビートとコントロール両方への耐性を考えた結果。ビート相手には呆然等との入れ替えで、コントロール相手には足枷やエイヴン等と入れ替えで。ほとんどの場合サイドインされますが、メインに搭載する場所は見つかりません。サイド後に不要なカードと入れ替えてデッキを尖らせる、という特殊なサイドボードです。

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