まさかのその4。
普通にその3で終わりの予定でしたが、まだまだ各国選手権やらGPやらがあるみたいなので、1週間ほどのサイクルでまとめてメタの変遷を見ていく企画に変更しました。

資料は基本的にDeckCheck.net(http://www.deckcheck.net/)から拝借しています。ここ最近は国別選手権のTOP8がどんどんリストアップされているので楽しいですね。
ジグザグフォーマットであることを考慮する必要ももちろんあるのですが、それを抜きにしても環境に対する回答が様々な形で提示されているように思えます。
ということで、今回は単純に勝っているデッキタイプだけではなく、細かいギミック・調整点などに焦点を当てて研究してみましょう。

○デッキタイプ
とりあえずは上位陣の顔ぶれですが、パッと見た感じでは特に新しいデッキタイプが出てきているわけではないですね。
赤単、ヒバリ、フェアリー、トースト、エルフ、マーフォーク。ただ、キスキンが徐々に伸びている感じです。スペインでは実に8人中3人がキスキンですね。
比率としては若干トーストが増えた気もします。マーフォークもほぼ安定してTOP8に1人食い込むようになりましたね。エルフとフェアリーは相変わらず苦しそうですが、確実に結果は残しています。

○変化
まず、微妙ながら確実に使用数が伸びているカードがあります。
そのカードとは、《ザルファーの魔道士、テフェリー/Teferi, Mage of Zhalfir》。お前久々に見たな・・・。ピクルス以来じゃないでしょうか。
主にトーストが採用していますね。《炎渦竜巻》に巻き込まれず、相手の動きを著しく制限する準フィニッシャーとして活躍しているようです。同系やヒバリ、フェアリーなどの《祖先の幻視》を潰す働きも見逃せません。単純に苦手なフェアリーへの対策にもなりますからね。通れば、ですけど・・・。
少数ですがヒバリやフェアリーなどにも採用されているようです。《謎めいた命令》なんかも相当ゴミクズになりますね。メインフェイズにバウンス&ドローくらいしかやること無くなるんじゃないでしょうか。

《ルーンの光輪/Runed Halo》はもはやヒバリにとって安定の採用枠になったようで、メイン2のサイド2が基本の形のようです。序盤にとりあえず急場を凌ぎ、ラスゴで流してから青命令でバウンスして再度使いまわす、という動きがとても強そうですね。

赤単も《モグの狂信者》が抜けた8メイガス型を多く見るようになりました。赤単にモグファナが入らない環境とか信じられないですね。どんだけクリーチャー強いんよという話です。

マーフォークは青白以外の形をちらほら見かけるようになりました。メインの《川の案内者、シグ》とサイドの白いカードを諦め、代わりに安定性を取った青単型、《カメレオンの巨像》《タルモゴイフ》《航跡の打破者》といった巨大クリーチャーを積んだ青緑型。3ターン目にカメコロは宇宙ですね。
正直自分もメインボードは青白より青単の方が強いと思うんですが、サイドボードがどうにも・・・。やっぱりヒバリ強いですからねー。

○キスキンinスタンダード
特定のデッキタイプとして、今回はキスキンに注目してみましょう。今までもたまに上位でちらほら見かけていましたが、これだけまとめて勝っているのはちょっと珍しい。

ブロック構築で支配的な力を見せた動きは基本的にそのままですが、ほとんどのデッキに《黄金のたてがみのアジャニ》ではなく《栄光の頌歌》が採用されています。これはちょっと理由がよく判りませんね。1度だけでなく2度、3度と強化が可能でライフゲインも可能なアジャニが弱い理由も無いと思うのですが・・・。
考えられるとすれば1マナ軽いことが重要、もしくはダメージで消滅する点が辛い、ということだと思いますが。うーん、それでもやっぱり首を傾げますね。《幽体の行列》→アジャニ、という流れを固定するより、2ターン目までに展開→アンセム、もしくは行列→アンセム、という2パターンが存在するほうが強い、という発想なのかもしれません。

そして注目すべきはサイドボードの《酷寒の枷/Gelid Shackles》ではないでしょうか。
今までも何度かトーナメントシーンに現れたカードではあるのですが、確かに今の環境だと強そうです。
まず赤単のクリーチャーを普通に止められますし、亜神は墓地に落とすことなく処理できます。《巻物の大魔術師》の起動も防げますし。《根の壁》は完全に置物状態ですし、うっかり《妖精の女王、ウーナ》とか出されても大丈夫。
まあ、そもそも殴るデッキなのでブロッカーと余計なシステムクリーチャーのどちらも1マナで対処できるというのは普通に強いですよね。
あと、サイドに《聖なるメサ/Sacred Mesa》が入っているのを見かけます。キスキンに限らず、ヒバリあたりにも入ってたりするのですが。だいたいどんなデッキに対して出しても強そうなので増やしてもいいんじゃないでしょうか。

○まとめ
この一週間において、赤単を集中的にメタるという形から、赤単を潰しに来ているヒバリ・トーストを食うことを本筋にしつつ赤単も適度に対策する、という形にシフトしつつあるように見えます。ただ、やはりGPコペンハーゲンにおいて赤単のワンツーフィニッシュが示している通り、赤単の隆盛は基本的に持続しています。
《赤の防御円》無き今、赤単に対する明確かつ気軽に積める対策カードというものは存在しないように思えます。従って基本的には過去のステロイドに対するメタカードと同様の基準でカードを選ぶことになるのですが、前回も強調したように赤単のクリーチャーは過去の赤緑と比較しても全く遜色無い、むしろサイズ・能力いずれの面から見ても優位性すら感じさせるラインナップを擁しているために、そのような態度で行われた半端な対策では全く歯が立たないこともしばしば。
というわけで、対策カードという概念ではなく、そもそも構造的に赤単に強い、というデッキでなければなりません。それは結局、《月の大魔術師》の対策を行った上で調整されたヒバリやトースト、ということになるのですが、それらのデッキ自体はフェアリーが簡単に食ってしまえるために、完全に環境を支配する、とまでは行きづらいようです。
従って、これらを踏まえると現環境で求められているのは
・赤単の構造そのものに対する対策カードの発見
・ラスゴ系コントロールのフェアリー対策
このあたりでしょうか。まあ、どちらも普通に考えれば「無理」と一言に切り捨てられる内容であるがために今の環境が存在している、というのも事実なのですが・・・。
それでは、また何か面白い動きがあることを期待しましょう。

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