日本選手権’08へ向けて その5
2008年9月8日割と無理矢理続けてる感のあるこの企画ですが、なんとなく5回目までやってきました。
http://www.deckcheck.net/で確認する限り、前回の更新から7カ国で選手権が行われていたようです。
・・・しかし、正直今回はあんまり書くことがありませんね。
既存のデッキにもあまり大幅な変化が見られないし、新しいデッキも1種類くらいしか見当たりません。
まあ、短いサイクルで記事を書いてるから仕方ないといえば仕方ないのですが。
と、どうでもいい前置きは置いといてさっそく本題に入りましょう。
○赤単
毎度おなじみTier1の赤単。
環境の微細な変化に合わせ、一応選択されるものは変わっているようです。
まず、赤単メタとしてヒバリがライフゲインをしっかり積んだ形でトップメタ内に食い込んでいるのはすでに周知の事実。
さらにエルフは《残忍なレッドキャップ》に加え、《台所の嫌がらせ屋》までを投入しもはやエルフなのか頑強ビートなのかわからない状態です。
そんな状況に対応するため、《ボガートの突撃隊》はほぼ安定してメインに積まれ、さらに「ブロック構築では使うけどスタンでは・・・」と言われていた《斑点の殴打者》がかなりの割合でメインに搭載されるようになってきました。
《斑点の殴打者》と言えば「後手2ターン目に出しても相手の台所と相討ちするだけで終わる」という微妙な評価が有名でしたが、それにしても2度目のライフゲインさせずに1:1交換できる、というだけマシということでしょうか。ガンメタされている今、あんまり贅沢なことは言っていられないと。
《ぼろ布食いの偏執狂》が積まれているのも見かけます。環境的に弱い、ということで敬遠されていたこのクリーチャーですが、同系から《モグの狂信者》が減っている今、序盤からプレッシャーをかけるカードを増やす、という意味で採用されているのかもしれません。これらのカードがメインに積まれるにつれて、《月の大魔術師》は徐々にその姿を消しています。
あとはサイドボードの《恒久の拷問》でしょうか。前述の通り萎縮は赤単対策に対する対策になり、《ルーンの光輪》などにより亜神が無効化されるのも防ぐことができます。いまいち使われてなかったこのカードですが、今の赤単メタに対する赤からの対抗策としてはかなり上々の位置づけになりそうですね。
○その他
ぶっちゃけ他のデッキはあんまり変わってないです。
ヒバリ、トースト、フェアリー、エルフ、マーフォークといったデッキ群は特に目新しいパーツを採用している様子もなく、個人ごとの裁量の範囲でパーツを選んでいる感じですね。
○緑単ビート
とか書いてるとまた赤単の解説だけかよ、ということになりそうなので、数は少ないのですが新しいコンセプトである緑単ビートを考察してみましょう。
成績としてはドイツ選手権とボリビア選手権でそれぞれ8位、5位に入賞しています。
・・・とはいえ、ボリビアのほうはほとんど「緑単エルフビート」に近い構成であるため、今回はコンセプトとして一線を画しているドイツの方を紹介しましょう。
まず一番に注目することは何でしょうか。
とりあえず《地壊し》に目が引かれてしまうのは当然であり、また《タララの大隊》を採用して勝っているレシピは珍しいなーとかそんな感じの意見は色々とあると思いますが、個人的にはトランプルを中心としてデッキが組まれていることが何より重要だと思います。《茨森の模範》の能力が誘発することも考えれば、トランプルを持たないのはラノエルだけです。
現在、赤単は基本的な「サイズ」とフィニッシャーの持つ「飛行」を軸としてクリーチャー戦におけるアドバンテージを有しています。
しかし、緑が持つ最大の回避能力であるトランプルが環境的に強いとされる今、他のデッキに対してはトランプルを中心として蹂躙し、赤単に対しては各種巨大化系呪文で強化しつつ殴る、という戦術を取ることが可能になります。そして、この二つの戦略はそもそも相性が良いというのも追い風です。
巨大化系スペルが多数投入されているため、赤単は自分のターンに除去を行うか、相手の第二メインフェイズ以降に除去を行わなければなりません。(戦闘ダメージ前に打ち、対応して巨大化呪文を打たれて生き残らせてしまうと受けるダメージが増える)
そのため、コンバットトリックを一方的に有利にするための道具として火力を使うことが困難になります。
そして、その戦術を重要視したであろう根拠は《古きクローサの力》よりも《巨大化》を優先して採用していることから明らかです。単にダメージ効率を考えるならば、メインフェイズに打つ《古きクローサの力》は過去最強に近いレベルですからね。
そして、忘れてはいけないのが赤単でおなじみ《ボガートの突撃隊》と新作エルフの《双刃の斬鬼》、いずれも萎縮持ちです。
これも、地上ビートとしては単純にうっとおしい頑強持ちや《根の壁》に対する有効な対策となることでしょう。
というわけで、今回は赤単の細かい変化と新デッキとして緑単ビートダウンを紹介しました。
前回も書いたように、現在の赤単に対しては一部のカード(亜神や大立者)だけに対する対策ではなく、「構造的に」赤単に勝てるデッキを準備しなければならないわけです。今回の緑単はトップ8に赤単が少なかったこともあり8位止まりでしたが、デッキ自体の持つポテンシャルや発想、構造としての強さは決して軽視できるものではないように思えます。
なんだかんだで結構な文量になりました。本選までいよいよ二週間を切りましたが、気を抜かず調整を行っていきましょう。
http://www.deckcheck.net/で確認する限り、前回の更新から7カ国で選手権が行われていたようです。
・・・しかし、正直今回はあんまり書くことがありませんね。
既存のデッキにもあまり大幅な変化が見られないし、新しいデッキも1種類くらいしか見当たりません。
まあ、短いサイクルで記事を書いてるから仕方ないといえば仕方ないのですが。
と、どうでもいい前置きは置いといてさっそく本題に入りましょう。
○赤単
毎度おなじみTier1の赤単。
環境の微細な変化に合わせ、一応選択されるものは変わっているようです。
まず、赤単メタとしてヒバリがライフゲインをしっかり積んだ形でトップメタ内に食い込んでいるのはすでに周知の事実。
さらにエルフは《残忍なレッドキャップ》に加え、《台所の嫌がらせ屋》までを投入しもはやエルフなのか頑強ビートなのかわからない状態です。
そんな状況に対応するため、《ボガートの突撃隊》はほぼ安定してメインに積まれ、さらに「ブロック構築では使うけどスタンでは・・・」と言われていた《斑点の殴打者》がかなりの割合でメインに搭載されるようになってきました。
《斑点の殴打者》と言えば「後手2ターン目に出しても相手の台所と相討ちするだけで終わる」という微妙な評価が有名でしたが、それにしても2度目のライフゲインさせずに1:1交換できる、というだけマシということでしょうか。ガンメタされている今、あんまり贅沢なことは言っていられないと。
《ぼろ布食いの偏執狂》が積まれているのも見かけます。環境的に弱い、ということで敬遠されていたこのクリーチャーですが、同系から《モグの狂信者》が減っている今、序盤からプレッシャーをかけるカードを増やす、という意味で採用されているのかもしれません。これらのカードがメインに積まれるにつれて、《月の大魔術師》は徐々にその姿を消しています。
あとはサイドボードの《恒久の拷問》でしょうか。前述の通り萎縮は赤単対策に対する対策になり、《ルーンの光輪》などにより亜神が無効化されるのも防ぐことができます。いまいち使われてなかったこのカードですが、今の赤単メタに対する赤からの対抗策としてはかなり上々の位置づけになりそうですね。
○その他
ぶっちゃけ他のデッキはあんまり変わってないです。
ヒバリ、トースト、フェアリー、エルフ、マーフォークといったデッキ群は特に目新しいパーツを採用している様子もなく、個人ごとの裁量の範囲でパーツを選んでいる感じですね。
○緑単ビート
とか書いてるとまた赤単の解説だけかよ、ということになりそうなので、数は少ないのですが新しいコンセプトである緑単ビートを考察してみましょう。
成績としてはドイツ選手権とボリビア選手権でそれぞれ8位、5位に入賞しています。
・・・とはいえ、ボリビアのほうはほとんど「緑単エルフビート」に近い構成であるため、今回はコンセプトとして一線を画しているドイツの方を紹介しましょう。
クリーチャー30
4《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》
4《イラクサの歩哨/Nettle Sentinel》
4《茨森の模範/Bramblewood Paragon》
4《レンの地の克服者/Wren’s Run Vanquisher》
4《双刃の斬鬼/Twinblade Slasher》
3《タララの大隊/Talara’s Battalion》
3《ボガートの突撃隊/Boggart Ram-Gang》
4《地壊し/Groundbreaker》
スペル9
4《巨大化/Giant Growth》
2《古きクローサの力/Might of Old Krosa》
1《岩石樹の祈り/Stonewood Invocation》
2《野生語りのガラク/Garruk Wildspeaker》
土地21
1《ペンデルヘイヴン/Pendelhaven》
4《樹上の村/Treetop Village》
16《冠雪の森/Snow-Covered Forest》
サイドボード15
4《フェアリーの忌み者/Faerie Macabre》
2《耳障りな反応/Guttural Response》
2《蛇変化/Snakeform》
3《原基の印象/Seal of Primordium》
4《真髄の針/Pithing Needle》
まず一番に注目することは何でしょうか。
とりあえず《地壊し》に目が引かれてしまうのは当然であり、また《タララの大隊》を採用して勝っているレシピは珍しいなーとかそんな感じの意見は色々とあると思いますが、個人的にはトランプルを中心としてデッキが組まれていることが何より重要だと思います。《茨森の模範》の能力が誘発することも考えれば、トランプルを持たないのはラノエルだけです。
現在、赤単は基本的な「サイズ」とフィニッシャーの持つ「飛行」を軸としてクリーチャー戦におけるアドバンテージを有しています。
しかし、緑が持つ最大の回避能力であるトランプルが環境的に強いとされる今、他のデッキに対してはトランプルを中心として蹂躙し、赤単に対しては各種巨大化系呪文で強化しつつ殴る、という戦術を取ることが可能になります。そして、この二つの戦略はそもそも相性が良いというのも追い風です。
巨大化系スペルが多数投入されているため、赤単は自分のターンに除去を行うか、相手の第二メインフェイズ以降に除去を行わなければなりません。(戦闘ダメージ前に打ち、対応して巨大化呪文を打たれて生き残らせてしまうと受けるダメージが増える)
そのため、コンバットトリックを一方的に有利にするための道具として火力を使うことが困難になります。
そして、その戦術を重要視したであろう根拠は《古きクローサの力》よりも《巨大化》を優先して採用していることから明らかです。単にダメージ効率を考えるならば、メインフェイズに打つ《古きクローサの力》は過去最強に近いレベルですからね。
そして、忘れてはいけないのが赤単でおなじみ《ボガートの突撃隊》と新作エルフの《双刃の斬鬼》、いずれも萎縮持ちです。
これも、地上ビートとしては単純にうっとおしい頑強持ちや《根の壁》に対する有効な対策となることでしょう。
というわけで、今回は赤単の細かい変化と新デッキとして緑単ビートダウンを紹介しました。
前回も書いたように、現在の赤単に対しては一部のカード(亜神や大立者)だけに対する対策ではなく、「構造的に」赤単に勝てるデッキを準備しなければならないわけです。今回の緑単はトップ8に赤単が少なかったこともあり8位止まりでしたが、デッキ自体の持つポテンシャルや発想、構造としての強さは決して軽視できるものではないように思えます。
なんだかんだで結構な文量になりました。本選までいよいよ二週間を切りましたが、気を抜かず調整を行っていきましょう。
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