・失われたカード
《隆盛なるエヴィンカー/Ascendant Evincar》
《残酷な布告/Cruel Edict》
《困窮/Distress》
《宿命のネクロマンサー/Doomed Necromancer》
《墓穴までの契約/Grave Pact》
《墓生まれの詩神/Graveborn Muse》
《頭脳いじり/Head Games》
《隠された恐怖/Hidden Horror》
《死を食うもの/Mortivore》
《ネクラタル/Nekrataal》
《ファイレクシアの憤怒鬼/Phyrexian Rager》
《涙の雨/Rain of Tears》
《貪欲なるネズミ/Ravenous Rats》

・得たカード
《黒騎士/Black Knight》
《Cemetery Reaper》:新ゾンビロード
《強迫/Duress》
《消えないこだま/Haunting Echoes》
《リリアナ・ヴェス/Liliana Vess》
《思考の粉砕/Mind Shatter》
《Sign in Blood》:BB,ソーサリー,対象プレイヤーが2ドローして2ルーズ

かなり強化されたイメージの強い黒ですが、意外と色々なものを失っているようです。そのうち最も重要なものとして《布告》系除去と3マナ土地破壊が挙げられますね。「対象を取ることなくクリーチャーを除去できる」と「3マナ域から土地破壊ができる」という2つの特徴が消えてしまうという点において、色の役割に強く影響を受けていると言ってよいでしょう。特に《墓穴までの契約》はトークン系デッキで時々活躍していましたね。非常にいやらしいエンチャントであったただけに、消えてくれるのは嬉しい限りです。
さらに、リアニメイト機能にもやや弱体化の色が見られます。《不穏の標》は代替となるカード(《Rise from the Grave》)があるのでいいのですが、《宿命のネクロマンサー》の代わりはありませんから4ターン目にリアニメイトは(マナ加速しない限り)できなくなりましたし、能動的にクリーチャーを墓地に送る手段としては最高峰の《隠された恐怖》も落ちてしまいますからね。せっかく《ボガーダンのヘルカイト/Bogardan Hellkite》が帰ってくるのに残念です。

あとはCIPでアドバンテージを稼ぐ軽量クリーチャーが正負のベクトルにそれぞれ存在していた(《貪欲なるネズミ》《ファイレクシアの憤怒鬼》)のですが、両方まとめて落ちてしまったので序盤からアドバンテージを稼ぎつつ展開、という小粋なことはできなくなりました。そういえば似たようなアドバンテージの稼ぎ方をしてくれる《ネクラタル》も消えてしまいますね。LRWも落ちて(つまり《叫び大口》も《残忍なレッドキャップ》も落ちて)しまうと、この手のアドバンテージ生物枠が消えてしまいます。

ドロー面では《墓生まれの詩神》、ハンデス面では《困窮》《頭脳いじり》と上から下までまとめて落ちてしまいましたが、代わりに入る《強迫》、《リリアナ・ヴェス》、《思考の粉砕》、《Sign in Blood》はどれも強力なので手札を(プラスにも、マイナスにも)コントロールする役割は完全に黒のものになってしまったのかもしれません。特に《Sign in Blood》の強さは特筆すべきもので、カードアドバンテージとダメージレースの両面で役に立つ2マナのカードというのは字面以上に使い勝手が良さそうな気がします。

総合的に見て、黒はリアニメイト、土地破壊、生け贄型除去と、固有の役割がかなり削減されてしまい、またCIPで明確なアドバンテージを取るという地味な機能も失われてしまいました。その代わりに、ハンデスとドローの機能がスペルとして、純粋に強くなったように感じます。クリーチャーはそこまで強化されていませんが、《黒騎士》とゾンビロードといった単純に、判りやすい戦力が追加されています。一言で言うなら、まさに「基本!」といった感じでしょうか。エキスパンションのカードを中心に据えつつ、ユーティリティ・カードは基本セットにお任せ、という理想的な形で構築を行うことができそうですね。

コメント

クロ
2009年7月3日22:41

初めまして。リンクさせていただきました。

M10の考察、参考になります。

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