前回の切望さんにコメントを返そうと思ったのですが、長くなったので別の記事にしました。流弾を擁する相手と、フェアリー相手のプレイングについての考えを書いてみようと思います。

○流弾をケアしたプレイングについて
流弾の脅威に晒されるのは今に始まったことではなくて、PT京都(コンフラ直後)の時期がちょうど右を見ても左を見ても赤白、というタイミングだったので流弾だらけの環境でした。
参考:(http://police.diarynote.jp/200903021453024494/)

4枚入っている流弾が3ターン目に打たれることはある程度仕方が無いことで、相手にいかに流弾を打たせないか、もしくは弱いタイミングで消費させるか、という所に全力を費やすことになります。

いろいろ細かいテクニックはありますが、大事なものとしては、
1.メロウと君主が両方ある場合、状況が許すならば君主からプレイ
2.1:3以上の交換がありうる場の構築は絶対に避ける
3.殴り終わったあとで流弾を撃たせる
4.打破者は序盤は温存し、全体除去の返しに単体でプレイする
5.変わり谷を流弾に巻き込ませない
などでしょうか。

例えばこちらが先手の場合、一般的な展開を考えてみましょう。
2ターン目銀エラ、3ターン目君主、次の4ターン目。
ハンドにブレンタンか危害があればそのまま追加のロードを出してアタックでいいのですが、そうでなければとりあえずアタックしてみます(これだけで5点あります)。相手がこのタイミングで流弾をプレイしてくれば1:2交換で済みますし、銀エラでドローできていれば1:1です。
そして、第2メインフェイズで旗騎士+ロード、という展開が最も理想です。シグをプレイして2マナ残す、というのも魅力的ですね。このタイミングで打破者でも悪くありませんが、ちょっとまだ早いかな?2枚以上ハンドにあるなら打破者でいいと思います。

相手が流弾を撃たずに5点貰った場合、第二メインでハンドにロードがいれば追加でプレイします。2体並ぶと相手は流弾が通らなくなりますので、このタイミングでプレイしてくれれば相手は無駄に5点を貰ったことになります。
しかも、場には今プレイしたばかりのロードが1体残りますので、次のターンからも継続してアタックが可能です。この時、変わり谷が1枚だけ場に出ていると非常に理想的です。相手は既に3ターン目の銀エラパンチの3点+5点+流弾2点で残り10しかないので、変わらず5点クロックが場に残っている点でこちらの優位はもはや揺るぎません。
当然、相手が流弾を合わせられないこともしばしば有り得るわけで、その場合は次のターンに相手がなんとかしなければ勝ち確定、ということになります。

ちなみに、これらは3ターン目のロードが着地すること前提の話ですが、相手がトースト系の土地の置き方をしてきた場合は旗騎士からスタートし、1マナ残して《砕けた野望》ケアしつつロードをキャスト、という流れの方がより安全です。《呪い捕らえ》採用型で、1ターン目に出せればブロークンはケアする必要ないんですけどね。

こちらが後手の場合は色々と話が変わります。
こちらの3ターン目の展開の後に流弾を合わせられると場がまっさらになりますので、ハンドに危害があるなら旗騎士からプレイし、3ターン目に1マナ浮かせてロードをプレイ、という形になります。この場合は展開力が重要になるため、君主とメロウが両方いる場合はメロウからプレイしても構いません。次のターンが帰ってきたとき、後手で1手遅れならば少しでもマナを浮かせながら行動することが必要不可欠になります。
ただし、旗騎士+危害セットが不可能な場合は、やはり銀エラからの君主、というように流弾された時の被害が限りなく小さくなるようにしましょう。

さらに問題なのが後手4ターン目です。先ほどは先手だったので、《神聖なる埋葬》をケアせず展開しましたが、後手の場合はターンを返すと埋葬される恐れがあるのでフルタップで返すのは極めて危険です。
今回もいくつかに場合分けし、それぞれのプレイングを考えてみましょう。

1.旗騎士+メロウを危害でサポートしている時
1-1.手札のカウンターが青命令しかない時
旗騎士と銀エラがフリースペル化しているのでプレイしたくなりますが、危害+青命令は4マナでは足りないので、流弾を危害で守った返しに埋葬されるとGG状態。
しかし、流弾と埋葬を両方持たれていると何をどうやっても返しで全滅するので、仕方ないと割り切りアタック。流弾を撃たれたら危害で弾いて3マナ立ててエンド。相手が《賢人の消火》を警戒してくれることに期待する。仮に相手が埋葬を打ってきたなら、返しで打破者を中心に、できるだけ少数でダメージを最大化する場を構築する作業に戻ります。
流弾を打たれなかったら銀エラを1体くらい追加で展開してもよいでしょう。どうせフリースペルなので4マナ立てたままエンドできます。埋葬や熟考、悪斬などをカウンターしてあげましょう。

1-2.手札に消火がある時
旗騎士がいるので消火は2マナでプレイでき、危害で1マナ消費してもまだ1マナお釣りが来ます。
このときは戦闘前にロードを追加でプレイし、メロウで土地をアンタップして実質1マナ消費。流弾を合わせられたら危害で弾けば良いでしょう。まだ消火をするマナは残っています。

2.銀エラ+君主で危害サポートがない時
2-1.青命令しかない場合
これは1-1.と全く同じ発想でプレイすれば良いと思いますが、危害がないので流弾は諦めます。打たれた場合は戦闘後に打破者を、なければ旗騎士+ロードあたりが望ましいですが、返しの埋葬は諦めます。両方持たれていたら負けです。
流弾を打たれなかったときは、今回は0マナ展開はできないのでそのままエンドするしかありません。変わり谷が出せればいいですね。

2-2.消火がある場合
これは1-2.の場合ほどうまくはいきません。《呪い捕らえ》搭載型ならばここで展開しつつ消火も構えることができますが、流弾のことも考えると無意味でしょう。青命令や消火を構えている素振りを見せつつ、素直にクロックを刻み続けるしかないと思います。

他にも様々な状況の組み合わせは存在するので、当然すべて書くことはできません(例えば、相手が《炎渦竜巻》を採用しているトーストならばかなり話が変わってきます)。だいたいこんな感じで、最初に挙げた5つのルールをできるだけ守りながら速やかに相手のライフを削っていくことになります。


○フェアリーに対するプレイングについて
これは今更そこまで語ることはないのですが、もう一度整理するために書いておきます。
このマッチアップで重要な点は以下の4つ。
1.島渡りクリーチャーを大切にする
2.苦花トークンと相討ちになるアタックはしない
3.霧縛り、誘惑蒔きに除去orカウンターを温存
4.こちらがコントロール側に回るようなプレイはしない

相手が苦花をプレイしている時は特に旗騎士とシグは重要になり、これらをロードで強化しながら相手よりも早いクロックを維持し続けることが何よりの勝ち手段になります。

このゲームで役に立つのは実は《マーフォークの君主》で、苦花トークンに相討ちを取られてしまう銀エラなどにアンブロッカブルを付与し、無駄なくダメージを重ねていくことが可能になります。
苦花がある状態だとある程度のタイミングで受けから攻めに転じなければ相手は死んでしまうのですが、それをできるだけ遅らせ、苦花を単なるチャンプブロッカー製造機としての働きしかさせないことで相手の攻めるタイミングを失わせることができます。

誘惑蒔きや霧縛りは一気に相手を守勢から攻勢に転じさせてしまうので、これらが登場しうるタイミングでカウンターのマナを失ってはいけません。
こちらが一度受けに回ると、そもそも飛行ブロッカーは全然いない上にクロックパーミッションの「パーミッション」の部分はフェアリーの方が優秀なのですから、逆転して勝つということはほぼ不可能に等しいと思います。

対トースト仕様のフェアリーには《ヴェンディリオン三人衆》が取られていることが多いのですが、上手い人は先手3ターン目のメインフェイズにプレイし、こちらのクロックや除去を抜く、といったプレイングをしてきます。先手3ターン目に出てくる3/1飛行は基本的に対処しようがなく、必死でクロックを組み返したところで霧縛りまで通ってしまうのがオチです。
以前と比べて《流刑への道》や《危害のあり方》といった軽い除去が増えているのでまだマシですが、それでも厳しいことには変わりありません。もしメインボードで見かけたら、サイドから《翻弄する魔道士》で止めてあげるのがいいかもしれませんね。

最近多いグリクシス型ですが、現在のメタではメインで《炎渦竜巻》が取られることはあまり無いので、稲妻だけケアしておけばいいでしょう。《危害》で弾ける分、《苦悶のねじれ》よりマシかもしれません。
サイド後の竜巻は危害1枚では防げないのでブレンタンの出番でしょうか。《コショウ煙》で一撃なのがかなり心配なのですが・・・。
《荒廃稲妻》も刺さってしまい、相手が用意にビートダウン側に回ることができてしまいます。
はっきりと「構造的に不利」なので、盤面のクロックを展開しすぎないで、ほぼロードとシグだけで勝つつもりじゃないと厳しいと思います。何か有効なサイドカードはないかなぁ・・・?

コメント

フ~ちゃん
2009年8月14日15:47

大変役に立つ文章です。有難うございます。

勝手ながらリンクさせていただきました。よろしくお願いします。

nophoto
atab0u
2009年8月14日19:17

こんにちわ。
私もマーフォークをしばらくメインで使ってますので、参考になります。

対トーストに関しては、流弾より羽毛覆いおよびサイドの鹿の方が厳しくないですか?
というより、それらの複合がやっかいな気がします。
特に、相手が意識して島を置いてこない場合だと、君主ぐらいしか通すものがなくなりますし、
あちらをケアすればこちらが立たず、といった具合で、
正直メインでピキュラかブレンタン置いておきたい気分になります。

その辺り、どういうイメージでプレイなさっているか、お聞かせ願えれば嬉しいです。
私はメインにブレンタン置いて、流弾ケアの危害より流刑の枚数を確保しています。
トーストは基本土地は島のみ採用が多いので、逆に渡りやすくなりますし、
いざというときの天使ケアも出来る辺りを評価しています。

ポリス
2009年8月14日21:35

>フ~ちゃんさん
リンクありがとうございます。現スタンダードでマーフォークを精力的に使用されている方に見ていただき、幸いです。
こちらからもリンクさせていただきました。

>atab0uさん
羽毛覆いや鹿が非常に厳しい、という点には同意します。
実際、トーストの土地が3マナ立っている場合はアタックをためらうこともしばしばですね。
なので、自分も基本的にメインから流刑を3枚以下に減らすことはしていません。現在の使用しているレシピでは流刑と危害、ともに3ずつ積んだ形になっています。流刑についてはメイン3~4固定で、危害は微調整でブレンタンになったりします。
鹿と羽毛は、どちらも相手の流弾に危害を合わせることができれば一方的に除去することができます。その点では危害も全く駄目というわけではないですね。

ただ、最近は必ずしもトーストのメインに必ず羽毛3~4、というわけではないのが救いです。さらに、こちらの3~4ターン目のアタックに羽毛を合わせてきた場合、相手はほぼフルタップですから、PtEで除去する以外にも消火するなり青命令でカウンター+鮮烈バウンスで1ターン稼ぐなり、色々と対処方法はあります。
その場合、当然相手のメインフェイズでこちらはカウンターを構えられないわけですが、相手がメインで全体除去を打とうがパーマネントを展開しようが、結局こちらのターンに相手の土地が多くて1~2しか起きていない状況ならば単に1度仕切り直しになっただけですから、打破者や誘惑蒔きなど、影響の大きいパーマネントを並べ返したり、旗騎士の力を借りて消火を構えながら展開すればいいわけです。

鹿はカウンターすらできませんが、相手がブロッカーとして立たせている時はPtEや君主、変わり谷あたりで押し通せますし、ダメージレースに持ち込まれたとしても、こちらも十分な打点はあるのですから完全にお手上げ、ということにはならないですね。もちろん根本的に青に対して強いカードなので、余裕があるわけでも無いのですが。こちらの手数が足りない時に出されると大体負けます。

総合的には、まず「いろいろと調整する場合でも流刑の枚数は最低限確保する」のと、「多少のスピードは犠牲にしても、青命令や誘惑蒔き、PtE、シグ、打破者など単体で強いカードを効果的に通し、守れるようなプレイを優先する」といった事を意識しながらプレイしているのだと自分では思っています。

ELC@EDHシグの人
2009年8月15日6:54

マーフォークを使っている者として大変役に立ちます
特に流弾が多用される現在回避方法に困っていたので参考にさせていただきます。

リンクさせていただきますね。
よろしくお願いします。

ポリス
2009年8月15日23:24

>ELCさん
リンクありがとうございます。
マーフォーク同好の士として、互いに頑張っていきましょう。
こちらからもリンクさせて頂きました。

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