【ローウィンブロック追悼】思い出のカード・デッキたち その1
2009年10月7日 TCG全般 コメント (2)そのうちやろう、と思いつつ放置されていたローウィンブロック追悼企画。
という名の、マーフォーク追悼企画。
なんかローウィンブロックは部族環境のせいで「~さんは~使い」というイメージが非常に強くなった時期であり、DNを見て回っている限りでもLRW追悼という名のお気に入り部族追悼企画が各所で行われているようです。
そんな自分もローウィン前までは大してキャラ付けは無かった(強いて言うならオルゾフ・コントロール?)上に同じデックを2大会以上使い続けるということさえしたことがなかったのですが、この2年は(多少のブレはあったものの)同じデッキを使い続けた、という奇跡のような期間でした。
というわけで、過去記事のURLを適宜引っ張り出しつつ自己満足な思い出話に浸ろうかと思います。たぶん超長くなる気がします。
○マーフォークのはじまり(ローウィン~モーニングタイド)
初めて大会に持ち込んだマーフォークはタッチタルモのバントカラーでした。(http://police.diarynote.jp/200710290245380000/)
この頃はまだ《石ころ川の旗騎士》や《変わり谷》、《呪い捕らえ》が存在せず、《謎めいた命令》や《誘惑蒔き》、《造物の学者、ヴェンセール》といった「青の3種の神器」の強さに気が付くのもまだまだ先の話でした。
カードパワーの低さを補うため、無理矢理にタルモや精体を入れてあり、そのくせマナベースも不十分だったのでロクに回らない結果に。
白除去も今と比べて弱く、《忘却の輪》に頼らざるを得ませんでした。全体的にアドバンテージを稼ぐのではなく、《水大工の意思》での強制島渡りで強引に勝ちに行く未熟なデッキだったと思います。
次に手を付けたのが《名も無き転置》と《不敬の命令》が使いたかったが故のエスパーカラーマーフォークでした。これはファイナルズ予選に持ち込んだものです。
この頃は更新頻度が低く、レシピも載せていなかったので今更ながら書いておきます。
これは当時出てきた「マネキン・コントロール」からアイディアを拝借したもので、要は「《不敬の命令》強くね!?」って感じのデッキでした。当時は《謎めいた命令》の強さなど知るべくもありませんでしたね…。
まあ黒命令は当然ながらこれはこれで強くて、-2/-2しつつ銀エラとかアトランティスを釣ってアドバンテージうめえwという動きが基本でした。当然後半は大口や熟考を釣るわけですが。
アドバンテージ獲得手段も多く、除去もある程度あるのでそれなりに強かったとは思うのですが、当時はまだ自分のプレイングの腕がヌルすぎたので成果としては現れていません。
まあ普通にマネキンコントロールの軽く劣化になっているので、まだファンデッキの域は抜け出せていない感もありましたが、楽しんで使えていたので良かったのではないかと思います。
モーニングタイドが発売されてからは《変わり谷》と《石ころ川の旗騎士》の参入により、デッキとしての体を成すようになってきました(残念ながら《賢人の消火》にはまだ気付いていません)。
当時のデックは弱すぎたせいか、MWSのデータベースにも保存していませんでした。旗騎士でいくつかのカードが軽くなるものの、まだ誘惑蒔きやヴェンセール、消火の3大ウィザードの採用を考えていなかったために効果が薄く、ほとんどの場面で単に2マナ1/1の貧弱クリーチャーとしてしか扱えていなかったようです。そりゃ弱いわ。
○マーフォークの可能性(シャドウムーア発売~PTハリウッド)
シャドウムーア自体で得られたカードは《呪い捕らえ》と《秘教の門》くらいですが、前者は待望のメインボードに入れる価値のある1マナマーフォークですし、後者は3種目の青白ランドとして更なるデッキの安定が見込めるようになります。
そして、この時期何より重要なのはPTハリウッドという大舞台で、マーフォークを操るプレイヤーが準優勝に輝いたということです。デッキリストはこちら(http://police.diarynote.jp/200805251459190000/)
これにより全世界に「マーフォークは環境によっては第一線で戦える」ということが知らされたと同時に、その基準となる雛形が提示された点において、僕はこの大会を2年間のプレミアイベントのうちで最も重要なものとして位置づけています。
このリストで最も重要な点は何かといえば「旗騎士とのシナジーで、マーフォークに限らず強いウィザード呪文を搭載する」「マーフォークでも青命令を使える」という2点です。
前者と後者は共に共通する1つの論点で括ることができます。それは、「適度なシナジーを保ちつつ、単純にカードパワーの強いカードを無理なく搭載したデッキが強い」ということです。自分はマーフォークというコンセプトに強く縛られていたせいで、カードパワー不足でもテーマに合うカードを積極的に採用したがる癖がありました(これはある先輩にも指摘されたことで、マーフォーク云々どころか構築に限らずリミテッドでも、僕のMTG全般に通じる弱点だそうです)。
この癖はいまだに直っていませんが、それはともかくこのデッキリストは僕自身の構築手法というものに影響を与えた事件でもありました。
○マーフォークとの共闘(イーブンタイド、日本選手権予選~本戦、GP神戸)
ハリウッドのデッキ・テクを吸収しようと努力を続けていた日々が続きました。
そして、長い間使い続けてきたマーフォークがついに明確な結果として、僕に応えてくれる日がやってきました。
日本選手権予選、通過です。(http://police.diarynote.jp/200806292133360000/)
直前まで《墨深みの浸透者/Inkfathom Infiltrator》を入れるだの何だのと迷走していましたが、前日のくさかんむりでの練習を受けて結局シンプルな構成で臨むことになりました。
この日はとにかくロードをよく引いたし、必要な場面でもきちんとスペルを握れていたことが多かった。まさに「デッキが応えてくれた」ということでしょう。
本戦までの間にイーブンタイドの発売と、直後のブロック構築のGP神戸が挟まりました。(http://police.diarynote.jp/200808032244540000/)
キスキンとフェアリーの海を泳ぎきった…とは決して言えない成績ですが、とりあえず2日目進出と、あと《航跡の打破者》や《目覚ましヒバリ》の感触を確認することができたため、とても良い練習になったと考えています。
日本選手権本戦は世界中で赤単が猛威を振るっていましたが、日本で本戦が行われる時期にはフェアリーも若干復権していたような印象があります。
本戦はさすがにまだ敷居が高すぎたらしく、フルボッコにされて帰ってきました(http://police.diarynote.jp/200809230147388753/)。
いつかまた、あの舞台で戦えるような相棒を見つけたいと思います。
前半は以上。前半って。ただの追悼企画なのに、あまりにも書きたいことが多すぎてまさかの前後編になりました。
ファンデッキ扱いとしてのマーフォークからメタの一角へ、そして全国の舞台への道程を振り返った前半。後半は、「マーフォーク専門デッキビルダー&プレイヤー」へと、より特殊性の高い技術を身につけるまでの日々を振り返ります。
という名の、マーフォーク追悼企画。
なんかローウィンブロックは部族環境のせいで「~さんは~使い」というイメージが非常に強くなった時期であり、DNを見て回っている限りでもLRW追悼という名のお気に入り部族追悼企画が各所で行われているようです。
そんな自分もローウィン前までは大してキャラ付けは無かった(強いて言うならオルゾフ・コントロール?)上に同じデックを2大会以上使い続けるということさえしたことがなかったのですが、この2年は(多少のブレはあったものの)同じデッキを使い続けた、という奇跡のような期間でした。
というわけで、過去記事のURLを適宜引っ張り出しつつ自己満足な思い出話に浸ろうかと思います。たぶん超長くなる気がします。
○マーフォークのはじまり(ローウィン~モーニングタイド)
初めて大会に持ち込んだマーフォークはタッチタルモのバントカラーでした。(http://police.diarynote.jp/200710290245380000/)
この頃はまだ《石ころ川の旗騎士》や《変わり谷》、《呪い捕らえ》が存在せず、《謎めいた命令》や《誘惑蒔き》、《造物の学者、ヴェンセール》といった「青の3種の神器」の強さに気が付くのもまだまだ先の話でした。
カードパワーの低さを補うため、無理矢理にタルモや精体を入れてあり、そのくせマナベースも不十分だったのでロクに回らない結果に。
白除去も今と比べて弱く、《忘却の輪》に頼らざるを得ませんでした。全体的にアドバンテージを稼ぐのではなく、《水大工の意思》での強制島渡りで強引に勝ちに行く未熟なデッキだったと思います。
次に手を付けたのが《名も無き転置》と《不敬の命令》が使いたかったが故のエスパーカラーマーフォークでした。これはファイナルズ予選に持ち込んだものです。
この頃は更新頻度が低く、レシピも載せていなかったので今更ながら書いておきます。
Profane Merfolk
4《ワンダーワインの分岐点/Wanderwine Hub》
4《人里離れた谷間/Secluded Glen》
4《涙の川/River of Tears》
4《コイロスの洞窟/Caves of Koilos》
3《フェアリーの集会場/Faerie Conclave》
1《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ/Urborg, Tomb of Yawgmoth》
3《島/Island》
1《平地/Plains》
4《銀エラの達人/Silvergill Adept》
4《アトランティスの王/Lord of Atlantis》
4《メロウの騎兵/Merrow Reejerey》
3《川の案内者、シグ/Sygg, River Guide》
4《ウーナのうろつく者/Oona’s Prowler》
3《熟考漂い/Mulldrifter》
3《叫び大口/Shriekmaw》
4《名も無き転置/Nameless Inversion》
4《その場しのぎの人形/Makeshift Mannequin》
3《不敬の命令/Profane Command》
サイド
4《思考囲い/Thoughtseize》
4《瞬間凍結/Flashfreeze》
3《真髄の針/Pithing Needle》
4《激浪のこそ泥/Riptide Pilferer》
これは当時出てきた「マネキン・コントロール」からアイディアを拝借したもので、要は「《不敬の命令》強くね!?」って感じのデッキでした。当時は《謎めいた命令》の強さなど知るべくもありませんでしたね…。
まあ黒命令は当然ながらこれはこれで強くて、-2/-2しつつ銀エラとかアトランティスを釣ってアドバンテージうめえwという動きが基本でした。当然後半は大口や熟考を釣るわけですが。
アドバンテージ獲得手段も多く、除去もある程度あるのでそれなりに強かったとは思うのですが、当時はまだ自分のプレイングの腕がヌルすぎたので成果としては現れていません。
まあ普通にマネキンコントロールの軽く劣化になっているので、まだファンデッキの域は抜け出せていない感もありましたが、楽しんで使えていたので良かったのではないかと思います。
モーニングタイドが発売されてからは《変わり谷》と《石ころ川の旗騎士》の参入により、デッキとしての体を成すようになってきました(残念ながら《賢人の消火》にはまだ気付いていません)。
当時のデックは弱すぎたせいか、MWSのデータベースにも保存していませんでした。旗騎士でいくつかのカードが軽くなるものの、まだ誘惑蒔きやヴェンセール、消火の3大ウィザードの採用を考えていなかったために効果が薄く、ほとんどの場面で単に2マナ1/1の貧弱クリーチャーとしてしか扱えていなかったようです。そりゃ弱いわ。
○マーフォークの可能性(シャドウムーア発売~PTハリウッド)
シャドウムーア自体で得られたカードは《呪い捕らえ》と《秘教の門》くらいですが、前者は待望のメインボードに入れる価値のある1マナマーフォークですし、後者は3種目の青白ランドとして更なるデッキの安定が見込めるようになります。
そして、この時期何より重要なのはPTハリウッドという大舞台で、マーフォークを操るプレイヤーが準優勝に輝いたということです。デッキリストはこちら(http://police.diarynote.jp/200805251459190000/)
これにより全世界に「マーフォークは環境によっては第一線で戦える」ということが知らされたと同時に、その基準となる雛形が提示された点において、僕はこの大会を2年間のプレミアイベントのうちで最も重要なものとして位置づけています。
このリストで最も重要な点は何かといえば「旗騎士とのシナジーで、マーフォークに限らず強いウィザード呪文を搭載する」「マーフォークでも青命令を使える」という2点です。
前者と後者は共に共通する1つの論点で括ることができます。それは、「適度なシナジーを保ちつつ、単純にカードパワーの強いカードを無理なく搭載したデッキが強い」ということです。自分はマーフォークというコンセプトに強く縛られていたせいで、カードパワー不足でもテーマに合うカードを積極的に採用したがる癖がありました(これはある先輩にも指摘されたことで、マーフォーク云々どころか構築に限らずリミテッドでも、僕のMTG全般に通じる弱点だそうです)。
この癖はいまだに直っていませんが、それはともかくこのデッキリストは僕自身の構築手法というものに影響を与えた事件でもありました。
○マーフォークとの共闘(イーブンタイド、日本選手権予選~本戦、GP神戸)
ハリウッドのデッキ・テクを吸収しようと努力を続けていた日々が続きました。
そして、長い間使い続けてきたマーフォークがついに明確な結果として、僕に応えてくれる日がやってきました。
日本選手権予選、通過です。(http://police.diarynote.jp/200806292133360000/)
ゾーラ・デック・ウイン(ZDW)
4《呪い捕らえ/Cursecatcher(SHM)》
4《銀エラの達人/Silvergill Adept(LRW)》
4《石ころ川の旗騎士/Stonybrook Banneret(MOR)》
4《アトランティスの王/Lord of Atlantis(TSB)》
2《川の案内者、シグ/Sygg, River Guide(LRW)》
4《メロウの騎兵/Merrow Reejerey(LRW)》
2《誘惑蒔き/Sower of Temptation(LRW)》
2《造物の学者、ヴェンセール/Venser, Shaper Savant(FUT)》
3《祖先の幻視/Ancestral Vision(TSP)》
3《賢人の消火/Sage’s Dousing(MOR)》
4《謎めいた命令/Cryptic Command(LRW)》
4《ワンダーワインの分岐点/Wanderwine Hub(LRW)》
4《アダーカー荒原/Adarkar Wastes(7ED)》
4《変わり谷/Mutavault(MOR)》
2《秘教の門/Mystic Gate(SHM)》
10《島/Island(SHM)》
サイド
4《太陽の槍/Sunlance(PLC)》
4《ブレンタンの炉の世話人/Burrenton Forge-Tender(LRW)》
3《霊魂放逐/Remove Soul(9ED)》
2《テフェリーの濠/Teferi’s Moat(TSB)》
2《潮刻みの神秘家/Tideshaper Mystic(LRW)》
直前まで《墨深みの浸透者/Inkfathom Infiltrator》を入れるだの何だのと迷走していましたが、前日のくさかんむりでの練習を受けて結局シンプルな構成で臨むことになりました。
この日はとにかくロードをよく引いたし、必要な場面でもきちんとスペルを握れていたことが多かった。まさに「デッキが応えてくれた」ということでしょう。
本戦までの間にイーブンタイドの発売と、直後のブロック構築のGP神戸が挟まりました。(http://police.diarynote.jp/200808032244540000/)
キスキンとフェアリーの海を泳ぎきった…とは決して言えない成績ですが、とりあえず2日目進出と、あと《航跡の打破者》や《目覚ましヒバリ》の感触を確認することができたため、とても良い練習になったと考えています。
日本選手権本戦は世界中で赤単が猛威を振るっていましたが、日本で本戦が行われる時期にはフェアリーも若干復権していたような印象があります。
本戦はさすがにまだ敷居が高すぎたらしく、フルボッコにされて帰ってきました(http://police.diarynote.jp/200809230147388753/)。
いつかまた、あの舞台で戦えるような相棒を見つけたいと思います。
前半は以上。前半って。ただの追悼企画なのに、あまりにも書きたいことが多すぎてまさかの前後編になりました。
ファンデッキ扱いとしてのマーフォークからメタの一角へ、そして全国の舞台への道程を振り返った前半。後半は、「マーフォーク専門デッキビルダー&プレイヤー」へと、より特殊性の高い技術を身につけるまでの日々を振り返ります。
コメント
自分はマーフォークというと、シグと打破者にボッコにされた記憶しかありませんが、
《墨深みの浸透者》は何故かお気に入りで、色々とデッキを考えたものです。
《賢人の消火》はいいカードでしたね・・・
リンクありがとうございます。
シグと打破者は使われた側にも判りやすい強カードですね。
消火に青命令と、キャントリップカウンターが7~8枚も入れられたのは非常に大きな強みでありました。