GPが終わり、少し遅れて公式サイトに決勝戦のカバレッジが掲載された。(http://mtg-jp.com/eventc/gpyokohama10/article/004764/
僕は川崎氏の書くカバレッジがとても好きで、プレミアイベントの度にそれを読むのが楽しみの一つだったりする。
現役のプレイヤーである以上、当然のことながら一番楽しいのは自分が大会でプレイをすることだ。カバレッジはあくまで他者同士のゲーム記録に過ぎない。
それをここまで「読ませて」しまうのだから、素晴らしい技術だとただ羨む他ない。今回なんかは、思わず2006年の日本選手権決勝戦のカバレッジを探して読み返してしまった。
この記事は当時リアルタイムで読んだ覚えがある。どう見てもカードパワーが細く、全然強そうに見えなかった「ストラクチャー・フォース」とか言うビートなのかコントロールなのか判らないデッキを操り、魔法のように勝利を攫っていったモリカツ氏に不気味ささえ感じていた。
まだトーナメント経験が未熟だった当時の自分は、それが「強さ」なのだということさえ理解していなかったと思う。端的に言えば、よく分からないデッキでよく分からない駆け引きの末によく分からない勝ち方をしているのを見て「何これせこい」とか思っていた気がする。

カバレッジライター、特に川崎氏はその手段としてプレイヤー自身のドラマを描く。人によってはそれが冗長に感じられたり、くどいと感じることもあるらしい。
けれど、それのお陰で僕のような一般プレイヤーもトッププレイヤーに親近感を感じたり、はたまた尊敬の念を抱いたりもできる。実際、一度も会ったこと・対戦したことも無いのに特定のプロプレイヤーのキャラクターをよく知っている(気分にさせられる)ことも多い。
知られている側にとっては嬉しいのか迷惑なのか知らないけど、「勝ち組」の人々が全く素性不明だったりするよりはよっぽど業界全体も盛り上がるだろう。
いつかは自分もカバレッジを書かれてみたいなとか、もしくは自分の文章で多くの人に感動を与えたいな、などと思いつつ、今日も地道にドラフトの反省を。

今回のピック譜…を貼る前に。
実はこれの前にもう一度ドラフトをやったのだけど、MOのせいかPCの不具合か、途中でフリーズしてしまい再起動するハメになった。
1-1《ウマーラの猛禽》、1-2《未達への旅》、1-3《髑髏砕きの巨人》、とピックして1-4に《未達への旅》2枚目を発見してピック!と思った途端に画面が硬直。再起動が終わったときには2パック目の1手目が終わっていて、そこには勝手にピックされた3枚の《髑髏砕きの巨人》に1枚の《コーの鉤の達人》以外は使い物にならない品々が。3枚ピックされていた基本地形が一層哀愁を誘う。
そこから必死に、一切カットも行わずに赤白ピックを続け、なんとか枚数を揃えることができた(弱いカードも入っていたが)。
最近はほとんど無かったピック中のフリーズ、しかも8-4でこんな羽目に…どうせ1没だろうし、さっさと補償請求して次に行くか、と思っていたのだが。

1戦目は相手の展開が遅く、《猛り狂うベイロス》を2ゲームも使われたがギリギリ勝ち。2戦目は赤緑相手に、1本は溜めに溜めて引き付けた盤面から《彗星の嵐》X=4で1:4交換して、もう1本は《信頼おける山刀》だけで勝ち。3戦目はより軽くて出来のいい赤白に撲殺されてしまったが、うっかり2位で商品圏に届いてしまった。
何が言いたいかというと、どんな状況でも諦めずにリカバリーしたらなんとかなることもあるよね、ということ。どうにもならない状況の方が遥かに多いんだけどw


あまりにも前置きが長くなってしまったけど、ここからが本題のピック譜。(http://www.geocities.jp/police_draft/20100323.html)

1-1は弱めのカードプールから、色選択先送り+除去で文句なしの《猛火の松明/Blazing Torch》を迷わずピック。ていうか普通に一番強い。

1-2はレア抜けなので、気にせず普通に《未達への旅/Journey to Nowhere》を。濃い緑は下方面任せ。青もアジサシ→長魚の流れから入られる可能性が高いので、その2点にだけ留意。

1-3は《巨大蠍/Giant Scorpion》を。特に他の色を取る理由もない。2パック目と合わせて、青・緑の空きを下家方面にアピールできているだろうか。

1-4、ちょっと赤が流れ気味だなぁ…と思いつつ黒継続で《吸血鬼の裂断者/Vampire Lacerator》。このカード久々に取った気がする。ZZW環境になって周囲の評価が高まったのかな?

1-5で急に我慢できなくなって《地獄火の雑種犬/Hellfire Mongrel》。白の流れはあまり良くないし、下家も積極的に赤に入るような要素はあまりなかったので、上からの流され具合では参入もありえる。

1-6、まさかの3パック連続《地獄火の雑種犬/Hellfire Mongrel》。2枚目を取っても良かったが…《コーの装具役/Kor Outfitter》があるならそっちでいいや、ということで装具役を。

1-7は妙に濃いパック。1-7でこの残り方なら青に入れる可能性もあるので、一応渡りをつけておく。ノイズの可能性もあるので単純に強い方をカット気味に。

その後は黒白を中心に。

1-8《ハグラのクロコダイル/Hagra Crocodile》
1-9《マキンディの盾の仲間/Makindi Shieldmate》
1-10、つい緑が空いていると勘違いして《ニッサに選ばれし者/Nissa’s Chosen》で渡りをつけてしまう。1-2の中身を完全に忘れていた。どう考えても既に緑が2人いる。凡ミス。
1-11《盾の仲間の祝福/Shieldmate’s Blessing》
1-12《秘宝の破壊/Relic Crush》
1-13《カビーラの交差路/Kabira Crossroads》
1-14《呪文貫き/Spell Pierce》
1-15《殺戮の祭壇/Carnage Altar》

普通に白黒路線。1-7の青はノイズだったようだ。途中ふらついたせいで《魂の階段の探検/Soul Stair Expedition》と《命拾い/Narrow Escape》を取り損ねている。これがどう響くか。

2-1は《忌まわしい最期/Hideous End》から。火力が2枚もある。

2-2は《乱動の精霊/Roil Elemental》をカットせずに《コーの鉤の達人/Kor Hookmaster》。

2-3は《冒険者の装具/Adventuring Gear》。せっかく珍しく白に入ったんだから、軽い所を集めたビートダウンを組みたいものだ。

2-4で嬉しいプレゼント、《カザンドゥの刃の達人/Kazandu Blademaster》。白い同盟者もどちらかは帰ってきそうだ。

2-5は《マーフォークの海忍び/Merfolk Seastalkers》カット。《吸血鬼の裂断者/Vampire Lacerator》は既に1枚あるし、この程度ならカットに費やしてもいいだろう。

その後も継続して白黒ピック。
2-6《ハグラの悪魔信者/Hagra Diabolist》本格的に同盟者路線。
2-7《グール・ドラズの吸血鬼/Guul Draz Vampire》
2-8《心臓刺しの蚊/Heartstabber Mosquito》緑が凄いがカットはせず。
2-9、装備品2種で悩むが《探検者の望遠鏡/Explorer’s Scope》。
2-10《飛翔する海崖/Soaring Seacliff》
2-11《愚鈍な虚身/Mindless Null》
2-12《オンドゥの僧侶/Ondu Cleric》予想通り。
2-13《変わり樹の木立ち/Turntimber Grove》
2-14《飛翔する海崖/Soaring Seacliff》

《見栄え損ない/Disfigure》が取れなかった…。黒をやる動機の3割くらいがこれなのに残念。

3-1は《ハーダの自由刃/Hada Freeblade》から。育つ系の同盟者が欲しかったから嬉しい。

このあたりから腹を括って同盟者寄りの白黒ピック。
3-2《兵員への参加/Join the Ranks》
3-3《腐食の這うもの/Caustic Crawler》
3-4《ボジューカの盗賊/Bojuka Brigand》
3-5《屈折の罠/Refraction Trap》
3-6《戦いのハルダ/Battle Hurda》
3-7《腐敗したゼンディコン/Corrupted Zendikon》
3-8《死の報い/Dead Reckoning》
3-9《方解石のカミツキガメ/Calcite Snapper》カット
3-10《セジーリのステップ/Sejiri Steppe》
3-11《飛び地の精鋭/Enclave Elite》カット
3-12《飛び地の精鋭/Enclave Elite》カット
3-13《深遠の謎/Mysteries of the Deep》カット
3-14《災難の瀬戸際/Brink of Disaster》

後半は青のカットに終始してしまった。3パック目前半でやたら青が流れていて嫌な予感はしたが…やっぱり1-7はノイズではなかったのか?しかし手を出し始めるタイミングは結局掴めなかった。

デッキは以下の通り。
《セジーリのステップ/Sejiri Steppe》
9《平地/Plains》
8《沼/Swamp》

《吸血鬼の裂断者/Vampire Lacerator》
《グール・ドラズの吸血鬼/Guul Draz Vampire》
《ハーダの自由刃/Hada Freeblade》
《コーの装具役/Kor Outfitter》
《コーの鉤の達人/Kor Hookmaster》
《ボジューカの盗賊/Bojuka Brigand》
《カザンドゥの刃の達人/Kazandu Blademaster》
《オンドゥの僧侶/Ondu Cleric》
《マキンディの盾の仲間/Makindi Shieldmate》
《腐敗したゼンディコン/Corrupted Zendikon》
《巨大蠍/Giant Scorpion》
《兵員への参加/Join the Ranks》
《ハグラのクロコダイル/Hagra Crocodile》
《心臓刺しの蚊/Heartstabber Mosquito》
《ハグラの悪魔信者/Hagra Diabolist》
《腐食の這うもの/Caustic Crawler》

《猛火の松明/Blazing Torch》
《冒険者の装具/Adventuring Gear》
《未達への旅/Journey to Nowhere》
《死の報い/Dead Reckoning》
《忌まわしい最期/Hideous End》
《屈折の罠/Refraction Trap》

所々弱そうなカードが入っている。ブン回りさせるか、地道にプレイで差をつけるしかないな。

第一回戦:青黒

1本目は先手で《グール・ドラズの吸血鬼》、《ボジューカの盗賊》と展開。
相手の初動は《ウマーラの猛禽》。《ボジューカの盗賊》で殴り《兵員への参加》でパンプし一気に4点。
相手はウマーラ2体目を追加しつつ殴るが、《ハグラの悪魔信者》でライフ一桁になり、《グール・ドラズの吸血鬼》が本気出したところで相手投了。

2本目はダブマリ。《風乗りの長魚》はゼンディコン+松明で即対処するがウマーラは止まらず、《血鞘の儀式者》で2枚落とされた上にゼンディコンが《蒸気の捕獲》されて負け。

3本目は《吸血鬼の裂断者》から。2ターン目にゼンディコンを張り、3ターン目にアタックしたところで一度バウンスされ、その後除去される。
《ハグラの悪魔信者》の返しに《巨大蠍》が出るが、《冒険者の装具》をトップしたのでハグラに付け、《セジーリのステップ》で強引に5点。相手残り4。
またも《血鞘の儀式者》で手札が空になるが、《腐食の這うもの》、《カザンドゥの刃の達人》と連続で引き、2点ルーズ誘発させて3体アタックして勝ち。

第二回戦:赤単

1本目は先手で《ハーダの自由刃》から。相手がロクなクリーチャーを出さない上に除去も全く打たず、《兵員への参加》で3/4になった自由刃でそのまま殴りきる。

2本目はマリガンして《カビーラの交差路》、沼2枚、《コーの装具役》、《腐食の這うもの》、《死の報い》の微妙ハンド。相手のデッキが弱そうなので土地が伸びると思いキープ。
無事に2ターン目に平地を引き《装具役》を。相手は3Tに《帆凧》、4ターン目に《破壊者のゼンディコン》が殴ってきたので《兵員への参加》で討ち取り。帆凧があるので放置するとマズい。
《腐食の這うもの》の返しに《精霊の嘆願》ノンキックを通すが、こちらは《カザンドゥの刃の達人》を出しつつ《交差路》にゼンディコンを付けてパンチ。相手は結局何も対処手段をプレイせず、投了。よほど除去が少ないのだろうか?

第三回戦:緑黒

1本目は後手。相手初動は2T目《吸血鬼の裂断者》、《コーの装具役》で応える。《巨大蠍》でさらに有利な場に。相手は《カルニの宝石》をプレイ。装具役で殴ると予定通り裂断者と相打ちしたので、こちらも裂断者と自由刃を一気に展開。
相手《墓所の切り裂き魔》、こちら《ハグラのクロコダイル》と出し合う。
《墳墓の呪詛》上陸で《巨大蠍》が落とされ、《墓所の切り裂き魔》の攻撃をスルーすると相手は全力でパンプして4点。の返しに《猛火の松明》をトップしたので美味しく《墓所の切り裂き魔》を処分すると、相手の攻めが途絶えて勝ち。

2本目はなぜかリプレイが見れないので詳細は書けず。確か消耗戦の後に出てきた《腐食の這うもの》が強くて勝てたはず。

というわけで3-0。
そんなにデッキは強くなかった気がするけど、当たった相手もデッキもプレイもあんまり強くなかった気がする。そういえば《忌まわしい最期》1回も打ってないな。
ほとんど白い部分で勝った気がする。やっぱり軽くて強い部分が取れてると白は凄く強いんだな。ハメパターンがあると3-0しやすいし、MOで慢性的に競争が激しいのも判る気がする。

今回思ったより強いなーと思ったのは《腐食の這うもの》。シナジー無しで最大1点だと微妙かなぁと思ったけど、十分強かった。そういやティム無し前提のクリーチャー多いもんな。
《死の報い》は、薄々気づいてたけど弱い…。よく《盾の仲間の祝福》と入れ替えてた。ゼンディコンと相性が悪いのが致命的だな。なかなかピタリと嵌るタイミングが無い上に、アドも得られないし。

それはともかく、最近ちょっとずつ白に手を出す機会が増えてきていい練習になっている。8-4でもある程度安定して2-0ラインまで進めるようになってきたし、時間が取れるうちにできるだけプレイしておこう。

コメント

listener
2010年3月24日2:25

>1-2
>濃い緑は下方面任せ。青もアジサシ→長魚の流れから入られる可能性が高いので、その2点にだけ留意。

これがどれだけ大事なことなのか
今までわかっていたようで全然わかっていませんでした(⌒_⌒;)

濃い色を流せば、その色を取りあってくれる(共倒れ)
濃い色を自分がとれば、自分が誰かと取り合いになる。
それがわかっているようでわかっていませんでした。

>死の報い
ボクもサイドと交換した回数が数え切れません(TT)

bun
2010年3月24日12:57

こんにちは。
僕も川崎の書かれる文章は好みです。
2005年の世界選手権、準々決勝の浅原さん vs Marcio Carvalho戦は特に。
関係ないですが、川崎さんには早く「ハンドアドバンテージは死んだ」の続編を書いて欲しいです。

>ハメパターン
環境が早いので特に顕著ですね。
大抵決勝の相手は何かしらパターンを持っていて圧倒されます。
それから抜け出す、もしくは抜け出させない為のテンポスペルは重要だと思います。

ピック譜を見たいとおもったのですが、リンク先がfilemanagerになっているような・・・?

ポリス
2010年3月24日13:45

>listenerさん
自分がどうしてもやりたい色を強引に主張して下家を排除するのか、上家の様子を伺いながら色を決めるのか。どちらもそれぞれ犠牲にしなければならないものがあるので、その時々でスタンスを変えられると強いですね。
自分としては、色ごとにその方針を使い分けることが多いです。これについてはまた書きますね。

>bunさん
ご指摘ありがとうございます。普通にリンク間違えてましたw
リンク先を修正しておきました。

「ハンドアドバンテージは死んだ」という文章があるのですね。興味があるので探してみます。

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