レガシーデッキ解説:NPH後のマーフォークとプレイング
2011年5月13日 戦略記事・読み物 コメント (12)
お待たせしました。
《精神的つまづき/Mental Misstep(NPH)》の参入によって強化が期待されるレガシーのマーフォーク、どのように構築するか様々なプレイヤーが頭を悩ませているようです。
DNの記事で既に提案されているいくつかのリストを見せていただきましたが、一部は納得できるもののやはり完全に同意できる形は見当たりませんでした。
発売日当日になったということで僕の構築したリストも公開しようと思います。
珠玉のレシピをご覧あれ。
見ての通り、「かつての《行き詰まり/Standstill》の枠を《精神的つまづき/Mental Misstep》に差し替えた形こそが自分の考える最良のリスト」ということになります。
それでは、まず最も多く見られた「デイズの枠と差し替える」という構成がなぜ相応しくないと考えるのかについて解説しましょう。
●役割が違う!
確かにミスステップを最序盤に引ければテンポもアドバンテージも失うことなく1マナのクリーチャーや置物に対処することができます。しかし、別に2マナ以上のスペルに対処できるわけでも何でもないので、これを完全に入れ替えてしまうとタルモやクァーサルなどはもちろん、中盤以降のPWなどに対して貧弱になってしまいます。
そもそも新しくピッチカウンターが増えて喜んでいたのに、今まで使っていたピッチカウンターを抜いては元も子もありません。全抜きしているリストは論外と言ってもいいでしょう。
4枚フル投入は必要ないかもしれませんが、最低でも2~3枚は残しておきたいところです。
デイズは可能な限り土地が2枚以上伸びてからピッチでプレイすべきスペルであり、たとえ先手であっても1ターン目に打たずに済むならば打たない方が良いはずです。そのため、仕方なくWillを打ってアドバンテージを失うという場面がこれまでは数多く見られました。
しかし、これからは初手にミスステップを握っていれば相手の初動は確実に挫くことができます。そうすることで2マナ域のクリーチャーにスムーズに繋げることができ、相対的にデイズの価値も上昇するのです。
それでは次のポイント、「本当にスティルを抜いてしまっていいのか?」について考察してみましょう。
●スティルは本当に強いのか?
1ターン目に薬瓶、2ターン目にスティルと言えばマーフォークの誇る「ブン回り」パターンで、"Vial-still"という固有名称すら存在します。相手は動かざるを得ないのでほぼ確実に2枚分のアドバンテージが稼げるため、物凄く強い動きに見えてしまうのも当然でしょう。
ですが、今回あえてこの間違った常識にメスを入れましょう。マーフォークの最も強い本当の動きは「1ターン目薬瓶、2ターン目銀エラ」です。
あくまでマーフォークはクロックパーミッションなので、単純にハンドが増えることは実はそこまで強い動きではないのです。スティルの文面に書かれている「3枚引く」という甘い響きについ惑わされがちですが、リソースをクロックに変換して始めて意味があるのです。
たまにマーフォークをパーミッションか何かと勘違いしたような構築やプレイングをしている人を見かけますが、長引けば長引くほど不利になるデッキであることを忘れてはいけません。
典型的なのが土地20枚以下で組まれたリスト。僕にとっては信じられないことなのですが、未だに19枚以下で回せると思い込んでいる人も僅かに存在するようです。有効牌を引き込む確率を上げるために土地を切り詰めて序盤に土地事故を起こす回数を増やすより、毎回安定して3枚程度の土地を引き込みハンドを速やかにクロックに変換する方が結果的に速やかにゲームが終わるのは言うまでもありません。
「薬瓶があるから土地1枚でも回る」ではなく、「土地1枚だと薬瓶がなければ全く回らない」のです。マナブースト系のカード(マナクリーチャーなど)は普通に土地が伸びて初めて意味があるのであり、そうでなければ単なる劣化基本地形に過ぎません。薬瓶は少し特殊(毎ターン擬似的に出るマナが増え、カウンターされないという副次効果もある)ですが、根本的な所は同じです。
話が逸れましたが、とにかくマーフォークの本質は間違ってもコントロールではない、ということを再確認しましょう。
従って、ただ単に2枚分のハンドアドバンテージを得るためにリスクが高く、無駄になりやすいスティルは必須スペルではないのです。
1ターン目にミスステップで相手の初動を弾くことでスティルが張りやすくなる、というシナジーがあるではないかという意見もあるかもしれません。ところで、2ターン目にこちらが何もクロックのない状態でスティル置いて嬉しいですか?嬉しくないですね。そして、土地2~3枚が並んでる間に最もすべきことはピッチカウンターを構えつつ一気にクロックを膨らませて相手に対処を迫ることであり、一息ついてアドバンテージを取りに行くことではないのです。
しかも、スティルはそもそも勝っている状況でなければ設置できないため、本来ドロースペルに求められる「現状を打破するカードを探しに行く」という役割が果たせません。決して弱いカードではないのですが、他に入れたいカードがあるならば別に抜いてしまってもいいカードなのです。
ちなみに数の面でのアドバンテージは銀エラとジェイスと十手が十分稼いでくれるので心配いりません。
ビートダウンやコントロール相手ならともかくコンボ相手ならばハンド枚数を稼ぐのが重要ではないのか?と思うかもしれませんが、相手が正しくプレイする場合、ANTやショーテル、ハイタイド等を相手にする時は「薬瓶からスティル」だけはギリギリ許容範囲で、それ以外の最速スティルは別に強くありません。
コンボデッキの持つ妨害要素に対して1:1以下のカウンターだけでしか対抗できないというのは長引けば長引くほどこちらが不利になるので、ほんの少しのカウンターを握りながら全速力で展開した方が遥かに勝利に寄与します。
そもそも、今まで自分の展開も阻害するというデメリットを背負いつつ上からカウンターを引けるかどうかが不確実だったスティルの部分がそのままミスステップに変わっているわけですから、ハンデスやハイタイドをアドを失うことなく直接カウンターできるというだけで十分な働きはしています。余分に2枚引くまでもありません。
これらの理由により、スティルはもはや必須スペルではなくなりました。ジェイスが好みでないプレイヤーはそこの部分をスティルにすればいいとは思いますが、まあ普通にジェイスの方が強いですよ。二倍のマナコストということを考慮に入れたとしても。
そんな感じでデッキ構成の解説は終わりました。ちょうどジェイスの話が出てきたところなので、改めてこの「ジェイス入りマーフォーク」というアーキタイプのプレイングについての解説をしておきましょう。特に最近はコピーして使われる機会も多いようですし、この構成を最初に提唱した者としての役目を果たそうと思います。
●プレイングを極めろ!
まず、ジェイス入りマーフォークに対する最も多い偏見であり、間違ったプレイングを指摘しましょう。
・ジェイスはWillの餌ではなく、Willで失ってしまったアドバンテージを取り返すための手段です!
特に初手にジェイスが含まれている場合にありがちなのですが、とりあえず最初のWillのコストとして何も考えずにジェイスを追放してしまうのは間違ったプレイングです。
もちろん相手のデッキやWillの対象によっては普通にジェイスを切ってもいいのですが、もし温存できるならするに越したことはありません。きちんと土地が伸びるように組んであるのですから、出せば大きく勝ちに近づくスペルを安易に切っていいはずがない、ということはよく考えれば理解してもらえると思います。
また、これに伴う二次的な判断として「不毛の大地を安易に起動しない、変わり谷を無駄に除去の的にして消費しない」ということも挙げられます。
特に島島不毛の状態での不毛の起動は少し慎重になる必要があります。もちろん不毛そのものの強さを生かす方が簡単に勝てるので起動すべきタイミングならば起動すべきですが、「とりあえず不毛あるし相手にデュアランあるし割っとくか」といった短絡的なプレイは避けたいところです。
続いてはこれ。これはジェイス云々関係なしに普通のマーフォーク共通の話です。
・可能な限りフルタップで動くこと!
別に無意味に土地を寝かせてエンドしろという意味ではありません。例えば珊瑚兜がまだレベルアップし切っていないのに無意味に土地を立たせたままエンドするとか、3マナあるのにメロウから出さずに他のクリーチャーから出すとか(メロウが1ターンでも早く場に出ていれば次ターンからの展開が全く違うので、3マナ出せるターンにメロウをキャストせず他の行動を行うのは多くの場合ほぼ間違いです)、そういう勿体無いマナの使い方はやめようね、ってことです。
例えば薬瓶スタートして土地が2枚並んでいるならメインでX=2で起動して珊瑚兜をレベルアップしてエンドするべきですし(当たり前ですが)。
よくあるのがハンドにスペルピアスがある場合に展開を遅らせてでも1マナ残して動こうとしてしまうというプレイですが、クロックパーミッションのカウンターはあくまで「有利な場を築いてから相手の対処手段を打ち消す」ことを主眼に置いていることを忘れないようにしましょう。
・除去を打たれるのは前提でプレイすること!
基本的に序盤の単体除去に対してWillを打つのは多くの場合間違いです。クロックの絶対数が足りてなかったり、コンバット中に除去されてブロックでシャクられる場合なんかは当然カウンターしなければならないですが、前者はともかく後者はプレイングでケアできる範囲なので相手の色を見てどのような除去が飛んでくるかは常に考えておきましょう。軽い除去をプレイされるとテンポを失ってしまうのでついWillをしたくなりますが、盤面にクロックが供給されつづけているならばアドバンテージを失う(というかハンドにいるロードや珊瑚兜やジェイスを失う)ダメージの方が大きいので、守ろうとするクリーチャーとWillで切るカードの優先度をよく吟味しなければなりません。
マーフォークは一体除去されると全体のクロックが急に減ることが多々あるデッキなので、除去を打たれるたびに逐一考えているのではなく、プレイしている最中に「どのクリーチャーにどのようなタイミングでどのような除去を打たれたらどのように対処し返すか」ということくらいは考えながらプレイしましょう。
まあ、この点についてはミスステップが加わったので多少いきあたりばったりでも何とかなりそうではありますが。
そんな感じで、簡単にまとめると「最大のマナ効率に沿って動きつつ変なところにカウンターを使わないこと」と言うことができますね。
他にも何か疑問に思われることがあるかもしれないので、その場合はご自由にコメントしてくださいね。答えられそうならば頑張って答えます。
それでは長くなりましたがこのへんで。キミもマーフォーク最強時代の幕開けを目撃しよう!
《精神的つまづき/Mental Misstep(NPH)》の参入によって強化が期待されるレガシーのマーフォーク、どのように構築するか様々なプレイヤーが頭を悩ませているようです。
DNの記事で既に提案されているいくつかのリストを見せていただきましたが、一部は納得できるもののやはり完全に同意できる形は見当たりませんでした。
発売日当日になったということで僕の構築したリストも公開しようと思います。
珠玉のレシピをご覧あれ。
『The Perfect Legacy Merfolk』
土地:22
4《不毛の大地/Wasteland》
4《変わり谷/Mutavault》
14《島/Island》
クリーチャー:20
4《呪い捕らえ/Cursecatcher》
4《銀エラの達人/Silvergill Adept》
4《アトランティスの王/Lord of Atlantis》
4《珊瑚兜の司令官/Coralhelm Commander》
4《メロウの騎兵/Merrow Reejerey》
スペル:18
4《霊気の薬瓶/AEther Vial》
4《精神的つまづき/Mental Misstep》
3《目くらまし/Daze》
4《Force of Will》
1《梅澤の十手/Umezawa’s Jitte》
2《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》
サイドボード
2《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》
1《トーモッドの墓所/Tormod’s Crypt》
3《水没/Submerge》
3《水流破/Hydroblast》
2《呪文貫き/Spell Pierce》
1《セファリッドの女帝ラワン/Llawan, Cephalid Empress》
1《梅澤の十手/Umezawa’s Jitte》
2《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》
見ての通り、「かつての《行き詰まり/Standstill》の枠を《精神的つまづき/Mental Misstep》に差し替えた形こそが自分の考える最良のリスト」ということになります。
それでは、まず最も多く見られた「デイズの枠と差し替える」という構成がなぜ相応しくないと考えるのかについて解説しましょう。
●役割が違う!
確かにミスステップを最序盤に引ければテンポもアドバンテージも失うことなく1マナのクリーチャーや置物に対処することができます。しかし、別に2マナ以上のスペルに対処できるわけでも何でもないので、これを完全に入れ替えてしまうとタルモやクァーサルなどはもちろん、中盤以降のPWなどに対して貧弱になってしまいます。
そもそも新しくピッチカウンターが増えて喜んでいたのに、今まで使っていたピッチカウンターを抜いては元も子もありません。全抜きしているリストは論外と言ってもいいでしょう。
4枚フル投入は必要ないかもしれませんが、最低でも2~3枚は残しておきたいところです。
デイズは可能な限り土地が2枚以上伸びてからピッチでプレイすべきスペルであり、たとえ先手であっても1ターン目に打たずに済むならば打たない方が良いはずです。そのため、仕方なくWillを打ってアドバンテージを失うという場面がこれまでは数多く見られました。
しかし、これからは初手にミスステップを握っていれば相手の初動は確実に挫くことができます。そうすることで2マナ域のクリーチャーにスムーズに繋げることができ、相対的にデイズの価値も上昇するのです。
それでは次のポイント、「本当にスティルを抜いてしまっていいのか?」について考察してみましょう。
●スティルは本当に強いのか?
1ターン目に薬瓶、2ターン目にスティルと言えばマーフォークの誇る「ブン回り」パターンで、"Vial-still"という固有名称すら存在します。相手は動かざるを得ないのでほぼ確実に2枚分のアドバンテージが稼げるため、物凄く強い動きに見えてしまうのも当然でしょう。
ですが、今回あえてこの間違った常識にメスを入れましょう。マーフォークの最も強い本当の動きは「1ターン目薬瓶、2ターン目銀エラ」です。
あくまでマーフォークはクロックパーミッションなので、単純にハンドが増えることは実はそこまで強い動きではないのです。スティルの文面に書かれている「3枚引く」という甘い響きについ惑わされがちですが、リソースをクロックに変換して始めて意味があるのです。
たまにマーフォークをパーミッションか何かと勘違いしたような構築やプレイングをしている人を見かけますが、長引けば長引くほど不利になるデッキであることを忘れてはいけません。
典型的なのが土地20枚以下で組まれたリスト。僕にとっては信じられないことなのですが、未だに19枚以下で回せると思い込んでいる人も僅かに存在するようです。有効牌を引き込む確率を上げるために土地を切り詰めて序盤に土地事故を起こす回数を増やすより、毎回安定して3枚程度の土地を引き込みハンドを速やかにクロックに変換する方が結果的に速やかにゲームが終わるのは言うまでもありません。
「薬瓶があるから土地1枚でも回る」ではなく、「土地1枚だと薬瓶がなければ全く回らない」のです。マナブースト系のカード(マナクリーチャーなど)は普通に土地が伸びて初めて意味があるのであり、そうでなければ単なる劣化基本地形に過ぎません。薬瓶は少し特殊(毎ターン擬似的に出るマナが増え、カウンターされないという副次効果もある)ですが、根本的な所は同じです。
話が逸れましたが、とにかくマーフォークの本質は間違ってもコントロールではない、ということを再確認しましょう。
従って、ただ単に2枚分のハンドアドバンテージを得るためにリスクが高く、無駄になりやすいスティルは必須スペルではないのです。
1ターン目にミスステップで相手の初動を弾くことでスティルが張りやすくなる、というシナジーがあるではないかという意見もあるかもしれません。ところで、2ターン目にこちらが何もクロックのない状態でスティル置いて嬉しいですか?嬉しくないですね。そして、土地2~3枚が並んでる間に最もすべきことはピッチカウンターを構えつつ一気にクロックを膨らませて相手に対処を迫ることであり、一息ついてアドバンテージを取りに行くことではないのです。
しかも、スティルはそもそも勝っている状況でなければ設置できないため、本来ドロースペルに求められる「現状を打破するカードを探しに行く」という役割が果たせません。決して弱いカードではないのですが、他に入れたいカードがあるならば別に抜いてしまってもいいカードなのです。
ちなみに数の面でのアドバンテージは銀エラとジェイスと十手が十分稼いでくれるので心配いりません。
ビートダウンやコントロール相手ならともかくコンボ相手ならばハンド枚数を稼ぐのが重要ではないのか?と思うかもしれませんが、相手が正しくプレイする場合、ANTやショーテル、ハイタイド等を相手にする時は「薬瓶からスティル」だけはギリギリ許容範囲で、それ以外の最速スティルは別に強くありません。
コンボデッキの持つ妨害要素に対して1:1以下のカウンターだけでしか対抗できないというのは長引けば長引くほどこちらが不利になるので、ほんの少しのカウンターを握りながら全速力で展開した方が遥かに勝利に寄与します。
そもそも、今まで自分の展開も阻害するというデメリットを背負いつつ上からカウンターを引けるかどうかが不確実だったスティルの部分がそのままミスステップに変わっているわけですから、ハンデスやハイタイドをアドを失うことなく直接カウンターできるというだけで十分な働きはしています。余分に2枚引くまでもありません。
これらの理由により、スティルはもはや必須スペルではなくなりました。ジェイスが好みでないプレイヤーはそこの部分をスティルにすればいいとは思いますが、まあ普通にジェイスの方が強いですよ。二倍のマナコストということを考慮に入れたとしても。
そんな感じでデッキ構成の解説は終わりました。ちょうどジェイスの話が出てきたところなので、改めてこの「ジェイス入りマーフォーク」というアーキタイプのプレイングについての解説をしておきましょう。特に最近はコピーして使われる機会も多いようですし、この構成を最初に提唱した者としての役目を果たそうと思います。
●プレイングを極めろ!
まず、ジェイス入りマーフォークに対する最も多い偏見であり、間違ったプレイングを指摘しましょう。
・ジェイスはWillの餌ではなく、Willで失ってしまったアドバンテージを取り返すための手段です!
特に初手にジェイスが含まれている場合にありがちなのですが、とりあえず最初のWillのコストとして何も考えずにジェイスを追放してしまうのは間違ったプレイングです。
もちろん相手のデッキやWillの対象によっては普通にジェイスを切ってもいいのですが、もし温存できるならするに越したことはありません。きちんと土地が伸びるように組んであるのですから、出せば大きく勝ちに近づくスペルを安易に切っていいはずがない、ということはよく考えれば理解してもらえると思います。
また、これに伴う二次的な判断として「不毛の大地を安易に起動しない、変わり谷を無駄に除去の的にして消費しない」ということも挙げられます。
特に島島不毛の状態での不毛の起動は少し慎重になる必要があります。もちろん不毛そのものの強さを生かす方が簡単に勝てるので起動すべきタイミングならば起動すべきですが、「とりあえず不毛あるし相手にデュアランあるし割っとくか」といった短絡的なプレイは避けたいところです。
続いてはこれ。これはジェイス云々関係なしに普通のマーフォーク共通の話です。
・可能な限りフルタップで動くこと!
別に無意味に土地を寝かせてエンドしろという意味ではありません。例えば珊瑚兜がまだレベルアップし切っていないのに無意味に土地を立たせたままエンドするとか、3マナあるのにメロウから出さずに他のクリーチャーから出すとか(メロウが1ターンでも早く場に出ていれば次ターンからの展開が全く違うので、3マナ出せるターンにメロウをキャストせず他の行動を行うのは多くの場合ほぼ間違いです)、そういう勿体無いマナの使い方はやめようね、ってことです。
例えば薬瓶スタートして土地が2枚並んでいるならメインでX=2で起動して珊瑚兜をレベルアップしてエンドするべきですし(当たり前ですが)。
よくあるのがハンドにスペルピアスがある場合に展開を遅らせてでも1マナ残して動こうとしてしまうというプレイですが、クロックパーミッションのカウンターはあくまで「有利な場を築いてから相手の対処手段を打ち消す」ことを主眼に置いていることを忘れないようにしましょう。
・除去を打たれるのは前提でプレイすること!
基本的に序盤の単体除去に対してWillを打つのは多くの場合間違いです。クロックの絶対数が足りてなかったり、コンバット中に除去されてブロックでシャクられる場合なんかは当然カウンターしなければならないですが、前者はともかく後者はプレイングでケアできる範囲なので相手の色を見てどのような除去が飛んでくるかは常に考えておきましょう。軽い除去をプレイされるとテンポを失ってしまうのでついWillをしたくなりますが、盤面にクロックが供給されつづけているならばアドバンテージを失う(というかハンドにいるロードや珊瑚兜やジェイスを失う)ダメージの方が大きいので、守ろうとするクリーチャーとWillで切るカードの優先度をよく吟味しなければなりません。
マーフォークは一体除去されると全体のクロックが急に減ることが多々あるデッキなので、除去を打たれるたびに逐一考えているのではなく、プレイしている最中に「どのクリーチャーにどのようなタイミングでどのような除去を打たれたらどのように対処し返すか」ということくらいは考えながらプレイしましょう。
まあ、この点についてはミスステップが加わったので多少いきあたりばったりでも何とかなりそうではありますが。
そんな感じで、簡単にまとめると「最大のマナ効率に沿って動きつつ変なところにカウンターを使わないこと」と言うことができますね。
他にも何か疑問に思われることがあるかもしれないので、その場合はご自由にコメントしてくださいね。答えられそうならば頑張って答えます。
それでは長くなりましたがこのへんで。キミもマーフォーク最強時代の幕開けを目撃しよう!
コメント
ありがとうございました。
前々から見させていただいていましたがリンク&ツイッターの方もフォローさせてもいただきました。よろしくお願いします。
どちらかというと魚と戦う側なのですが色々と参考になる部分がありました。
ありがとうございます(`・ω・´)
ついでといってはなんですがリンク&フォローしました。
リンクさせて頂きました。今後も参考にさせて頂きます!
青は使わずに戦うことが多いのですが、とても参考になりました。
今後も興味深い記事を楽しみにしてます。
僕はジェイス抜きで土地19枚で回していた時期があり、色々と考えさせられる内容が多く参考になりました。
理解を深めたいという思いから、2つ質問させて下さい。
1,土地の枚数に関して
>たまにマーフォークをパーミッションか何かと勘違いしたような構築やプレイングをしている人を見かけますが、長引けば長引くほど不利になるデッキであることを忘れてはいけません。
>典型的なのが土地20枚以下で組まれたリスト。
マーフォークがパーミッションではないのは同意ですが、それが土地の枚数につながる事が理解できません。
ナチュラルに3マナ域辺りまで伸びる事を主軸におくために土地を増加させているという考えでよろしいでしょうか。
2,フルタップで動く行動に関して
相手次第だと思ってしまうのですがどうでしょうか。特に《目くらまし》の存在があるかもしれない相手に、3ターン目にメロウの騎士はキャストすべきでしょうか。
あと、以前からですがリンクさせて頂きました。これからも素晴らしい記事を楽しみにしています。
読んでるとジェイス使いたくなりますww
ジェイス入りを選択するときにはポリスさんのレシピにお世話になります!(’▽’)/
それにしてもミステップは、フルタップでの行動がすごくしやすくなって最高ですよね
間違いなくマーフォーク超強化ですわw
読んでいただいでありがとうございます。
楽しんでいただければ幸いです。
>milleさん、ねこたまさん
リンク&フォローありがとうございます!twitterの方ではMTG関係ない話もしてたり、けっこう身内向けの話もしてたりしますがご了承ください。
>VMさん、通りすがりさん
マーフォークと対戦するという立場からも参考にしていただけたようで幸いです。
物凄く理論を端折って書いてしまったので分かりにくくてごめんなさい。
まず1について。
レガシーのパーミッションやコントロールは序盤展開しない代わりにブレストや独楽とフェッチで土地を探しに行くため、本来必要なはずの土地枚数(24~26、7程度)を切り詰めて22枚前後に収まっていることが多いです。また、そもそもゲームを長引かせるカードが多く入っているのでゲーム中に見れるカードの量が多くなり、土地を見つけやすくなります。
しかし、そもそもマーフォークは全く序盤のドロー操作が無いのでナチュラルドローでマナソースを揃える必要がありますし、相対的にゲームスピードが短いデッキなのでドローできる量がそもそも少ないです(というか、ゆっくり土地を引き込むのを待つ展開になってしまった時点でマーフォークの強みが消えてしまっています)。
というわけで、(コントロールと同じような感覚で)本来必要であるはずの土地枚数から切り詰めてしまうと事故を起こす確率が高くなってしまいますよ、ということが言いたかったわけですね。
ちなみに当たり前のように「本来必要な土地枚数」という表現を使ってしまっていますが、これについてはスタンやエクテンの土地枚数を参照していただければ納得してもらえると思います。(ちなみに僕はレガシーのコントロールデッキも土地を25枚以上積む方がいいのではないかと思っています)
続いて2について。デイズをケアするかどうかは先手後手とハンドの内容によって決めますが、基本的には「ケアしない」ことの方が多いです。(ちなみに同系戦であるという前提で話を進めます。)
理由は大分して3つあります。まずデイズはしょせん1:1交換であるということ。そして、相手に打ってもらうことで先手後手が入れ替わる(または先手後手の差が広がる)ということ。そして4枚目の土地を既に引いていて、次のターンに確定で4マナ出るのでなければケアする意味がないということ。
もし土地が3枚出ていてハンドに2マナクリーチャーが残っていて、なおかつメロウをカウンターされると盤面がまっさらになってしまう場合(後手の時に多い)はさすがに2マナの方を出しますが、相手とのクリーチャー数の差が2体以上つかなければ大丈夫という大雑把な目安があるので割と適当にキャストします。通ったときのメリットも大きいですし、デイズはケアしすぎると相手の思う壺ですからね。
長文になりましたがこんな感じです。納得していただけたでしょうか。
>たまさん
構築やプレイングを一から見直さないといけないのでしばらくの間ちょっと大変そうですが、選択肢が増えて強くなったことに間違いはないですよね。
僕は石鍛冶は半分あきらめているので、たまさんが何かしらの解決策を見つけ出してくれることを期待しますw
つまり1に関してはドローソースの差による土地枚数の安定化が出来ないため、ナチュラルにカードを伸ばす必要があるという事ですね。
2に関してもよく分かりました。マーフォークは展開力が重要なので、どうしてもロードを生き残らせたいと考えてしまいますが、その見極めが大事なのですね。
今度使う際はレシピを参考にさせて頂きます。
こちらの記事を読ませていただいてジェイス入りの魚は凄く納得してます。
もし良かったら相互リンクしていただけると嬉しいです。
リンクありがとうございます。
こちらもリンクさせていただきました。