出てないけど(挨拶

はい、というわけで日本選手権本選、そしてレガシー選手権に参加した皆様方お疲れさまでした。

スタンの方はまたいずれ別記事で触れるかと思いますが、白単鋼と緑白の決戦というここ最近の国内大型イベントを象徴するかのような対決でしたね。思い返せば昨年の日本選手権も赤単が優勝、ファイナルズは白単アージェンタムが優勝と、トップを取ってきたのは青いコントロールではなく赤や白のビートダウンでした。一昨年のファイナルズもボロスだったかな?
それだけ最近のビートダウン向けカードは強いということでしょう。1:1交換を繰り返してアドバンテージカードで引き離す、というコントロール戦略では間に合わないくらいに。

翻ってレガシーに目を向けてみると、環境のスタート地点は石鍛冶でした。従って、今回のにっせんレガシーは「同系に強い石鍛冶」「石鍛冶をテンポロス・アドロスせずに除去しながら殴れるZooなどの赤いビート」「石鍛冶を切れるコンボ」「石鍛冶パッケージをものともしないコントロール」のいずれかの立場で組まれたデックが勝ち組になるだろう、と思っていました。
範囲が広すぎて予想でも何でもないですがw

まず自分自身の選択肢としては「最も手に馴染んでいるデッキ(=マーフォーク)を環境に合わせてチューンナップする」「諦めて最も強いデックを使う」の二択でしたが、現実的な問題として資産上の問題でマーフォークと青白石鍛冶程度しか組めないこと、若干金欠だったので交通費が気になるということで満足のいくデッキが組めなかった場合は参加を断念する、という方向で考えていました。

マーフォークを組むにあたって、以下の部分はほぼ固定スロットになります。
4《不毛の大地/Wasteland》
4《変わり谷/Mutavault》
12《島/Island》

4《呪い捕らえ/Cursecatcher》
4《銀エラの達人/Silvergill Adept》
4《アトランティスの王/Lord of Atlantis》
4《珊瑚兜の司令官/Coralhelm Commander》
4《メロウの騎兵/Merrow Reejerey》

4《霊気の薬瓶/AEther Vial》
4《精神的つまづき/Mental Misstep》
4《Force of Will》

この52枚が固定であることに異議を唱える人は、まあいないでしょう。もちろん追加のクリーチャーによってはメロウや呪い捕らえが1枚ほど削れる可能性はありますが、どこかのスロットを2枚以下に減らしたり0にするということはまずありません。
ちなみに呪い捕らえを0にする、という意見は定期的に見かけますが僕は推奨しません。部族デッキに1マナのクリーチャーがいるかいないか、というのは大きな違いですし、メロウ2体でのマナ加速やコンボ以外へのスペルへの牽制という面でも大きく違います。実際に呪い捕らえを入れずに大会などで合計5マッチ以上プレイしてみれば分かると思います。それに、前述したようにコンボが増えると目される環境でしたからね。

あとは一般的に土地は最低でも21枚入れるのでフリースロットは実質7枚。このスペースで何を対策するかによって大きく形が変わります。

まず最初に試していたのが
4《四肢切断/Dismember(NPH)》
3《行き詰まり/Standstill(ODY)》
のシンプルな形。
これはすぐに没になりました。まず、切断を2枚以上プレイするといくらなんでもライフが危ないということ。次に、やはり行き詰まりが単純に弱いということ。何度か似たようなことは言っていますが、「勝ってるときにしかプレイできず、相手の準備が整ってからようやく引かせてもらえるドロースペル」は弱い。
もちろん有利な盤面で張れば相手はすぐ動かざるを得ないのですが、環境的に「相手がすぐ動かなければいけないくらい有利な盤面でStillを置けるくらい余裕がある」という状況になる可能性が極めて低いと思われたので解雇。

また、上記の型を試している(そして、チームメンバーに試してもらっている)間に改めて認識できたことがあります。それは「何だかんだでデイズはあった方がいい」ということ。
デイズ自体も先手後手に多少依存するスペルではありますが、スティルより制約は少ない。当初はデイズでできることはだいたい切断でできる、という考えでしたが実際は聖遺が厳しく、またPW耐性も低くなってしまいます。

さらに、この頃ANTと練習をしてみて想像以上に強いことが判明したのが大きな転機。特に《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe(NPH)》が鬼畜で、マーフォークって実はクロック展開しながらカウンターも構えてるって綺麗な動きができることは少なく、ハンドはクリーチャーと土地しか無かったり、せいぜい持っててもMステかWillを1枚程度という方が多い。つまり、他のデック以上にブラフ効果によって勝ちを拾っていることが多いデッキなのです。
そこでハンドを見られるというマイナス効果は想像以上に大きく、当初は「ハンド見られても別にカウンター抜かれるわけじゃないし別にいいよw」と思っていたのが大きな間違いであることに気付かされました。
そんなデッキ相手にメインから4枚の完全無駄牌(Willの餌にすらならない)を抱えているディスアドバンテージはあまりにも大きいと感じました。

というわけで次に試したのがこれ。
2《四肢切断/Dismember(NPH)》
3《目くらまし/Daze(NEM)》
2《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor(WWK)》

対石鍛冶でバウンス能力がほぼ無意味だったのでジェイスは抜いていたのですが、環境は石鍛冶だけじゃないしスティル抜けた穴を埋められるのはジェイスしか無いし、ということで久々に採用。
デイズは石鍛冶や頭蓋素出し、ジェイスなどにもちゃんとプレイすれば刺さるので3枚採用しても問題ないと判断。切断はコンボ以外には1枚だけ引く程度で十分強いのでこの枚数。もちろんライフレースが基本的に有利となる相手にはサイドから追加します。

で、これで少し調整した結果・・・
僕はレガシー選手権に魚で出ることを諦めました。

え?何で?と思われるかもしれません。

まず、既にチーム内で調整が進んでいた《罰する火/Punishing Fire》を用いる各種デックに勝てないということ。簡単に言えば、石鍛冶対策のあおりを思いっきり受けてしまっているのです。
チーム内のデッキだけでなく、平日大会で当たったかなり未完成な形の罰する火系デッキにも大敗を喫し、これはプレイング云々で乗り越えられるレベルではない、「マーフォークで参加するだけ金の無駄」だと確信しました。

さらに、ただでさえ石鍛冶(青白にも、緑白マーベリックにも、白黒にも)に相性が悪い上に、石鍛冶をメタってくる赤いデックにも「タフネス2以下を多用する」「クリーチャーデッキである」という点において石鍛冶のついでにメタられてしまい、そして《ギタクシア派の調査》擁するANTにも決して有利ではないことから、現状のメタゲームでマーフォークを使う利点は全く存在しない、と結論を出さざるを得ませんでした。

これが、前回の日記で書いた「マーフォークがTOP8に残るのは無理、行けたとしても単に運が良かっただけ」という文章の意味です。実際残りませんでしたね。

ちなみに《大いなる玻璃紡ぎ、綺羅/Kira, Great Glass-Spinner(BOK)》をメインから2枚以上投入するというプランは赤いデックに耐性をつけるいい手段ではありますが、それでも罰する火1枚あればアドロスせずに除去されてしまいます。
1回カウンターすれば1ターン凌げますが罰火をカウンターできるカードがWillしかないというのが致命的です。
あとはそもそも綺羅は別に石鍛冶系に強くないですしね。もちろんロード2体とか、ロードと珊瑚兜みたいな盤面で引いてきて着地すればかなり強いんですが、その状態になる前に相手がソープロを引いておらず、出たあとから都合良く単体除去を引いてくれないと意味がないですからね。何だかんだ言って綺羅は重いんですよ。マナカーブの頂点にいる生物が持ってて嬉しい能力じゃない。
まあ、それでも他に替えのきかない能力を持っているので今マーフォークをあえて使うなら採用せざるを得ないかな、という気はしますけどね・・・。


そんなこんなでまずマーフォークは無理ということで次は石鍛冶しかないかな・・・と思ったので、いくつかリストを眺めつつ好みの形に調整。

とりあえず一番強い剣である緑黒剣がほとんど使われてないのが謎だった(特に同系でジェイスの出し合い・頭蓋の睨み合いになるなら使わない理由が無い)ので、緑黒剣を強く使うために飛行ミシュラである《墨蛾の生息地/Inkmoth Nexus(MBS)》を採用した形を調整していました。というか《ミシュラの工廠/Mishra’s Factory》の何が強いのか最後までわからなかった。せっかく装備入ってるのに地べた這いずってるミシュラ使う必要あるんでしょうか?スタンでも使われてる墨蛾+黒緑剣の組み合わせが弱いわけがありません。
普通に《ちらつき蛾の生息地/Blinkmoth Nexus(DST)》でもいいように思えますが、ライフゲインを無視できること、剣を装備することで実質パワーが6のミシュラになることなどを踏まえてこちらを採用。
土地:24
4《Tundra》
4《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》
4《霧深い雨林/Misty Rainforest》
3《墨蛾の生息地/Inkmoth Nexus》
2《不毛の大地/Wasteland》
4《島/Island》
3《平地/Plains》

クリーチャー:7
4《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》
3《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》

スペル:29
4《渦まく知識/Brainstorm》
4《祖先の幻視/Ancestral Vision》
4《精神的つまづき/Mental Misstep》
3《呪文嵌め/Spell Snare》
4《剣を鍬に/Swords to Plowshares》
3《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》
4《Force of Will》
1《肉体と精神の剣/Sword of Body and Mind》
1《饗宴と飢餓の剣/Sword of Feast and Famine》
1《殴打頭蓋/Batterskull》

不毛が中途半端な枚数なのはそんなに起動したくないから。少なくとも勝ってる盤面から不毛マウントで勝つようなデッキではないので、どうしても対処しないと負ける土地(具体的にはMazeとか燃え柳とか)を割るためだけに少量投入。
《祖先の幻視/Ancestral Vision》型が面白そうなのでしばらくこれで試していましたが、強いのか弱いのか分かりませんでした。まあ弱くはないかな。
ただ、ミスステップとスネアの2枚が範囲狭すぎて頻繁に腐るのでもうちょっと強いカード入れたらいいんじゃないかとは思いました。というか、僕スネア嫌いなんですよね。カードが弱い。
ちなみに石鍛冶フェアリー型はスプライトが弱い環境になってしまったので断念しました。とにかく罰する火がきつい。

で、ラスト一週間くらいはヒマさえあれば必死にこれを一人回しして研ぎ澄ませていたものの、結局既存の石鍛冶の枠に収まっていて対策も同じように食らってしまうことが分かっていたので勝てる気がせず、これも断念。
というわけで僕は満足のいくデッキを最後まで作ることができなかったので、必要な費用と時間との天秤にかけてレガシー選手権への出場を諦めました。

それぞれのデッキを今から改めて調整するなら、マーフォークの方は「大量のクリーチャーとほんの少しのカウンター」になるでしょうか。
結局、石鍛冶系デッキにも十分なクロックがあって相手の石鍛冶もしくは除去を一度弾くことができれば殴打頭蓋出されても普通に勝てるので、純粋に盤面に貢献するクリーチャーを24枚くらい入れて後はカウンターだけでいいんじゃないかな?と思います。

石鍛冶の方は確定カウンターが欲しいところ。さっきネタ蒔きさんのところの調整録を読んでたらカンスペが入ってて、そういやカンスペの存在忘れてたなと思いました。まあ、僕のリストだと無色マナがあるのでマナリークでもいいと思いますが。あとはサイドの悪斬もオシャレですね。この形は試してみようかな。実際は墨蛾をもっと強く使うためにるつぼを1枚どこかに入れる予定です。

長くなりましたが、ここまでが僕のマーフォークと石鍛冶の調整記録であり、また参加を諦めるまでの道筋でした。参加を諦めたのは単に開催地の問題と自分の懐事情の都合なので、仮に関東で開かれていたら参加くらいはしていたと思います。だから「参加諦めるほど弱いか?」ということはあんまり気にしないでくださいw

それでは、また次のトーナメントでお会いしましょう。

コメント

ごらく
2011年7月19日18:24

むっちゃ参考になります。
ニッセン行けなかったのは残念ですが次の大会で大暴れしてくださいな!

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