【BM池袋一周年記念大会カバレッジ】 準々決勝
2012年3月19日 戦略記事・読み物 コメント (4)準々決勝:タツミ コウジ vs. サトウ ナオキ
BigMagic池袋店のオープン一周年記念として開催されたこの大会。TOP8入賞者には全て賞品として《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》英語版が与えられ、さらに優勝者には《Bazaar of Baghdad》が授与される。一周年記念イベントだけあって非常に豪華な大会となっている。
Vintage環境でさえも使われ、環境を象徴すると言われる《瞬唱の魔道士》。このマッチアップもまた、形こそ違えど互いにこの強力なインビテーショナルカードを存分に活用するデッキ同士の争いとなった。
タツミが駆るのはメタゲームが巡るたびに現れる「青黒コントロール」。コントロールデッキ巧者として知られる彼の扱うこのデッキは一味も二味も違う。
対するサトウが相棒に選んだのは「青白イリュージョン」。一般的には「青白Delver」への進化の過程で淘汰されたと言われるこのデッキタイプだが、サトウはあえてこのデッキを使い続けているようだ。「イリュージョン」は果たして過去のデッキなのか、それとも…?サトウのプレイにも期待がかかる。
Game1
ダイスロールに勝ったサトウはマリガン。土地は《島》1枚ながら、ドロー操作の多いハンドをキープ。後手のタツミは7枚でキープを宣言する。
サトウのペイ2ライフ《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》からゲームは開幕する。早々にゲームプランを看過されてしまうタツミ。土地が3枚に除去・ドロー・カウンターの揃った4枚のスペルという完璧に近いハンドが公開される。
ゲームを長引かせる意味はないと悟ったか、サトウは続けてライフを支払いつつ2枚目の《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》でドローを進める。そして、ようやく「普通に」マナを支払って《思案/Ponder》をプレイ。怒涛の1ターン目が終了する。
対するタツミは当然のようにドローセットランドゴー。サトウはドローで引きこんだ青マナから《非実在の王/Lord of the Unreal》を最初のアタッカーとして用意する。孤独な王様が2点のダメージを刻みつつ、第一の配下として呼びだした《幻影の熊/Phantasmal Bear》はタツミの《マナ漏出/Mana Leak》に阻まれるが、それならば、と追加の《非実在の王/Lord of the Unreal》をプレイ。クロックが2倍へと成長する。
しかし、一旦4点のダメージを受けた相手エンド前に《禁忌の錬金術/Forbidden Alchemy》で《飢えへの貢ぎ物/Tribute to Hunger》を入手したタツミは、4枚目の土地を置くと《黒の太陽の頂点/Black Sun’s Zenith》X=2によって2体の王を消し去る。いわゆる「ロード」でありながら互いに修正を与え合わない《非実在の王/Lord of the Unreal》ならではの展開と言ったところか。
クロックが途絶えてはマズいと《思案/Ponder》から《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》を展開するサトウだが、これは即座に《悲劇的な過ち/Tragic Slip》によって能力の誘発すら許されない。続いてサトウのメインフェイズに唱えられた《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》は着地を許可され、《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》をフラッシュバックすることで疑似的な《銀エラの達人/Silvergill Adept》となった。
ここでタツミは引き込んだ《漸増爆弾/Ratchet Bomb》を布石としつつ、《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》に殴られながらもドロースペルで手札を整えて行く。ライフが8となったところで《漸増爆弾/Ratchet Bomb》によって魔道士を破壊し、ついにクロックの尽きたサトウのライブラリーを《ネファリアの溺墓/Nephalia Drownyard》で攻め始める。
続くターンに《死の支配の呪い/Curse of Death’s Hold》が通ってしまい俄然苦しいサトウ。《聖トラフトの霊/Geist of Saint Traft》こそ互いの《マナ漏出/Mana Leak》の応酬によって着地に成功するも、ここでタツミが先程から温存していた《飢えへの貢ぎ物/Tribute to Hunger》が突き刺さる!
これによって完全に息切れを起こしたサトウは、たっぷりのハンドに守られながら悠々と《ネファリアの溺墓/Nephalia Drownyard》を起動し続けるタツミのライフを削りきるのは不可能と判断したのか、投了を宣言した。
タツミ 1-0 サトウ
サトウはスピード対決用のカードをサイドアウトし、盤面に触れられるカードを追加。タツミは後手で弱いカウンターをサイドアウトし、墓地へ干渉できるカードを投入したようだ。
Game2
再びサトウの先手からゲームが開始される。またもやマリガンに見舞われてしまうサトウだが、今回は複数の土地と軽いクロックに恵まれた初手を貰うことができた。タツミは今回も7枚でキープ。
1T目の《幻影の熊/Phantasmal Bear》が急戦を告げる。そのままこのクマに殴り続けられるタツミだが、2回殴られたエンド時に《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》をフルタップでプレイ、次ターン以降の戦闘要員として用意する。
それならば利用させてもらおう、とサトウのプレイした《幻影の像/Phantasmal Image》は《マナ漏出/Mana Leak》され、アタックした《幻影の熊/Phantasmal Bear》はタツミの要求通り《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》と相討ちとなる。
追加のクロックを《思案/Ponder》で探すサトウだが、これは納得のいかないトップだったのかシャッフルを選択し、マナを構えてエンド。タツミの《禁忌の錬金術/Forbidden Alchemy》は《マナ漏出/Mana Leak》されるが、返しに《漸増爆弾/Ratchet Bomb》が設置される。
サトウは《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》によってドロー操作を再利用し、ゲームプランを立て直そうと目論むがここにタツミの《雲散霧消/Dissipate》。サトウはフルタップになるが仕方なく《マナ漏出/Mana Leak》でこれを弾きつつ、2/1バニラとして戦場に着地させる。が、せっかくの努力も空しく《悲劇的な過ち/Tragic Slip》で除去されるのみ。
さらに《禁忌の錬金術/Forbidden Alchemy》フラッシュバックで《幽霊街/Ghost Quarter》を入手しつつ《漸増爆弾/Ratchet Bomb》に2つめのチャージを行うタツミ。青マナ2つを立ててプレイされた《聖トラフトの霊/Geist of Saint Traft》も、マナを残してプレイされた《黒の太陽の頂点/Black Sun’s Zenith》の前には無力に崩れ落ちて行く。
ここで完全に動きのストップしたサトウが3ターンの間ドローゴーを宣言する間、タツミは10枚の土地を並べて《禁忌の錬金術/Forbidden Alchemy》表裏でプレイ、とさらに戦力差の拡大を目指す。
ようやく引き込んだ《幻影の熊/Phantasmal Bear》は無事に着地し、サトウは2枚目の《漸増爆弾/Ratchet Bomb》がチャージされる前に《存在の破棄/Revoke Existence》しながら2点クロックを再び刻み始める。しかし《熟慮/Think Twice》でドローを進めたタツミは《悲劇的な過ち/Tragic Slip》でこの「幻影」クリーチャーを屠り、追加された《非実在の王/Lord of the Unreal》は場で睨みを利かせ続けていた《漸増爆弾/Ratchet Bomb》により即座に爆破処理し、優位を譲らない。
再びエンド前に《ネファリアの溺墓/Nephalia Drownyard》で「本体火力」モードに入り、サトウ万事休すか…と誰もが思ったであろうその時、突如としてゲームが動き始める。
まずはサトウが《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》をプレイ。変身せずに1点のダメージを与えた後、2体目もプレイ。
これは返しの《黒の太陽の頂点/Black Sun’s Zenith》でまとめて即死か、と思いきや突き刺さる《否認/Negate》。これは潤沢なマナからタツミの《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》→《雲散霧消/Dissipate》フラッシュバックで阻まれるかと思われたが、サトウはさらに《雲散霧消/Dissipate》でタツミの《雲散霧消/Dissipate》をカウンター。これで変身チャンス到来か…と思われたのも刹那、タツミは有り余るマナから《ソリン・マルコフ/Sorin Markov》を呼び寄せ、《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》の片割れを即座に除去し、さらにライフを15まで引き上げる。
しかしサトウもこのまま黙ってはいない。《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》の変身こそ叶わなかったものの、対象を待ち構えていた《天界の粛清/Celestial Purge》で憎っくきプレインズウォーカーを追放し、先のターンのビッグアクションでマナを使い果たしたタツミに対して《非実在の王/Lord of the Unreal》→《幻影の像/Phantasmal Image》のコピー、と一気にクロックを構築してみせた!
これを放置するわけにもいかないタツミは「本物」の《非実在の王/Lord of the Unreal》を《喉首狙い/Go for the Throat》で始末し、《飢えへの貢ぎ物/Tribute to Hunger》もプレイ。変身前の《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》がその身を捧げ、隣に立つ「偽物」の《非実在の王/Lord of the Unreal》を守る。
無事に生き延びた「偽物」の王を、サトウはさらなる《幻影の像/Phantasmal Image》でコピー!これで盤面には4/4の呪禁クリーチャーが2体並ぶことになる。4点のダメージを与え、さらに「本物」の《非実在の王/Lord of the Unreal》が追加される。
5/5の呪禁2体がどうしようもないタツミ。《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》をチャンプブロックに回しつつ、《熟慮/Think Twice》で掘り進める。しかし呪禁生物への解答は最後まで見当たらず、「偽物」でありながら「本物」より強い王たちによってライフを削りきられてしまったのだった。
タツミ 1-1 サトウ
Game3
ようやく先手を取ったタツミ。今回も7枚のハンドをキープするが、《墓所のタイタン/Grave Titan》という序盤に役立たないカードを抱えてしまっているためか、あまり満足のいく内容ではないようだ。
対するサトウはこのゲーム3回目のマリガン。ややリアクティブな内容ながらも、《ムーアランドの憑依地/Moorland Haunt》が心強い。
ビートダウン側のサトウが受け身なハンドをキープしたため、序盤はタツミの《漸増爆弾/Ratchet Bomb》を除いては互いにドローゴーを行うことになった。サトウは早々に《ムーアランドの憑依地/Moorland Haunt》を設置し、後々へのプレッシャーを放つ。
実質的なファーストアクションはサトウのペイライフによる《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》。ここでカウンターがないことを確認したサトウは即座に《聖トラフトの霊/Geist of Saint Traft》をプレイする。しかし、これは《漸増爆弾/Ratchet Bomb》によって処理されつつ、カウンターのマナを残せていないサトウの前にタツミの《墓所のタイタン/Grave Titan》が降臨する。
しかしサトウは完璧な回答を用意していた!すなわち、《幻影の像/Phantasmal Image》で《墓所のタイタン/Grave Titan》コピーからの《天界の粛清/Celestial Purge》で相手のタイタンを追放、というビッグプレイである。タイタンと化した《幻影の像/Phantasmal Image》は元々存在を確認していた《悲劇的な過ち/Tragic Slip》で除去されるが、互いにゾンビトークン2体が睨み合う盤面となった。
タツミが《漸増爆弾/Ratchet Bomb》を置けばサトウは《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》で応じる。ここでタツミのエンド前に《蒸気の絡みつき/Vapor Snag》で相手のゾンビトークンを1体減らし、攻勢に転じようとするサトウ。さらに次ターンのアップキープに《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》が《雲散霧消/Dissipate》を公開しながら変身する。タツミは《漸増爆弾/Ratchet Bomb》を起動することで自分の残るゾンビトークンごと盤面を一掃することも可能であったがこれを温存し、ドローステップに入る前に《喉首狙い/Go for the Throat》で3/2飛行クリーチャーを処分した。
それならば、とサトウは2/2のゾンビ2体でアタック宣言をし、一方はタツミの残るトークン1体と相討ちに。さらにサトウがタツミのエンド前に《ムーアランドの憑依地/Moorland Haunt》を起動すると、それに対応して《禁忌の錬金術/Forbidden Alchemy》で《幽霊街/Ghost Quarter》を手に入れる。
ここでサトウは《外科的摘出/Surgical Extraction》によって《禁忌の錬金術/Forbidden Alchemy》を取り除こうと画策するが、これは《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》によって「3マナの」フラッシュバックコストを得たことでフラッシュバックされ立ち消える。
ゾンビとスピリットに殴られつつも《幽霊街/Ghost Quarter》で諸悪の根源を破壊し、ここでようやく《漸増爆弾/Ratchet Bomb》を起動して盤面をクリアにするタツミ。先程のターンに安易に起動していてはこの盤面に辿り着けていない。数ターン先を見据えた見事なプレイだ。
失ったアドバンテージを取り戻そうとサトウは《幻影の像/Phantasmal Image》でタツミの《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》をコピーし、《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》によってドローを進める。予定調和的にオリジナルと相討ちさせた後、《幻影の熊/Phantasmal Bear》が無人の戦場に降り立った。
サトウは《幻影の熊/Phantasmal Bear》でアタックしつつ、ついに手札が8枚となりディスカードを開始する。今後もディスカードし続けるよりは…と、次のターンには《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》をメインフェイズで追加するが、これは《黒の太陽の頂点/Black Sun’s Zenith》の餌食に。
それでも負けじと次なる《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》を追加して《思案/Ponder》をフラッシュバックするサトウに対し、タツミも《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》から《悲劇的な過ち/Tragic Slip》をフラッシュバックして対戦相手の魔道士を除去する。
そして、ここでついに時間切れとともに延長ターンの宣言がアナウンスされる。決勝ラウンドは延長ターンで決着が付かない場合はライフ差勝負になるため、現在ライフ10のタツミは残り12のサトウからなんとかして2点以上のライフをもぎ取らなければいけない。
しかし、そんなタツミに歯止めを掛けるかのように《非実在の王/Lord of the Unreal》、《幻影の像/Phantasmal Image》のコンボを畳み掛けるサトウ。しかしコピーは《雲散霧消/Dissipate》により許可されず、本体も《喉首狙い/Go for the Throat》で処分される。
そして追加5ターン目、タツミは自分に《ネファリアの溺墓/Nephalia Drownyard》を起動して墓地に得た《熟慮/Think Twice》をフラッシュバックし、値千金の《悲劇的な過ち/Tragic Slip》を手に入れる!これによってサトウのスピリット・トークンを排除し、本体に2点のダメージを叩きこむことに成功した!
そして延長ターンが終わっても互いのライフが10で等しいため、ここからはライフ・サドンデス(ライフの増減が生じた瞬間にゲーム終了)となる。
まず《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》でドローを進めに行ったサトウに対し、タツミは《幻影の像/Phantasmal Image》で《非実在の王/Lord of the Unreal》をコピー。これならばバウンスを打たれず、ライフロスで負けることもない。さらに追加の除去かブロッカーを探しに《ネファリアの溺墓/Nephalia Drownyard》で墓地に落とした《禁忌の錬金術/Forbidden Alchemy》をフラッシュバックしようとしたところで…「あかん、ミスった!」と思わず口に出すタツミ。
傍から見ていると何をミスしたのか分からないが、その答えは《禁忌の錬金術/Forbidden Alchemy》でめくれたカードを見ることで明らかになった。
土地が1枚。そして…3枚の《飢えへの貢ぎ物/Tribute to Hunger》。
ライフサドンデスは、1点でもライフを減らしたプレイヤーが敗北し、1点でもライフを増やしたプレイヤーが勝利する。
《飢えへの貢ぎ物/Tribute to Hunger》のマナコストは、3マナ。タツミの残したマナは…2マナ。そして、《幻影の像/Phantasmal Image》さえプレイしていなければ、彼の手元には…4枚のアンタップ状態の土地があったはず、なのである。
そして、サトウの盤面にはスピリット・トークンの製造を今か今かと待ち構えている《ムーアランドの憑依地/Moorland Haunt》があり、そこから生み出されたトークンの与えた1点のダメージによって、この長い長い対決に終止符が打たれたのであった。
タツミ 1-2 サトウ
サトウ、準決勝進出!
(準決勝:http://police.diarynote.jp/201203190620029931/)
(決勝:http://police.diarynote.jp/201203190730033319/)
BigMagic池袋店のオープン一周年記念として開催されたこの大会。TOP8入賞者には全て賞品として《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》英語版が与えられ、さらに優勝者には《Bazaar of Baghdad》が授与される。一周年記念イベントだけあって非常に豪華な大会となっている。
Vintage環境でさえも使われ、環境を象徴すると言われる《瞬唱の魔道士》。このマッチアップもまた、形こそ違えど互いにこの強力なインビテーショナルカードを存分に活用するデッキ同士の争いとなった。
タツミが駆るのはメタゲームが巡るたびに現れる「青黒コントロール」。コントロールデッキ巧者として知られる彼の扱うこのデッキは一味も二味も違う。
対するサトウが相棒に選んだのは「青白イリュージョン」。一般的には「青白Delver」への進化の過程で淘汰されたと言われるこのデッキタイプだが、サトウはあえてこのデッキを使い続けているようだ。「イリュージョン」は果たして過去のデッキなのか、それとも…?サトウのプレイにも期待がかかる。
Game1
ダイスロールに勝ったサトウはマリガン。土地は《島》1枚ながら、ドロー操作の多いハンドをキープ。後手のタツミは7枚でキープを宣言する。
サトウのペイ2ライフ《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》からゲームは開幕する。早々にゲームプランを看過されてしまうタツミ。土地が3枚に除去・ドロー・カウンターの揃った4枚のスペルという完璧に近いハンドが公開される。
ゲームを長引かせる意味はないと悟ったか、サトウは続けてライフを支払いつつ2枚目の《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》でドローを進める。そして、ようやく「普通に」マナを支払って《思案/Ponder》をプレイ。怒涛の1ターン目が終了する。
対するタツミは当然のようにドローセットランドゴー。サトウはドローで引きこんだ青マナから《非実在の王/Lord of the Unreal》を最初のアタッカーとして用意する。孤独な王様が2点のダメージを刻みつつ、第一の配下として呼びだした《幻影の熊/Phantasmal Bear》はタツミの《マナ漏出/Mana Leak》に阻まれるが、それならば、と追加の《非実在の王/Lord of the Unreal》をプレイ。クロックが2倍へと成長する。
しかし、一旦4点のダメージを受けた相手エンド前に《禁忌の錬金術/Forbidden Alchemy》で《飢えへの貢ぎ物/Tribute to Hunger》を入手したタツミは、4枚目の土地を置くと《黒の太陽の頂点/Black Sun’s Zenith》X=2によって2体の王を消し去る。いわゆる「ロード」でありながら互いに修正を与え合わない《非実在の王/Lord of the Unreal》ならではの展開と言ったところか。
クロックが途絶えてはマズいと《思案/Ponder》から《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》を展開するサトウだが、これは即座に《悲劇的な過ち/Tragic Slip》によって能力の誘発すら許されない。続いてサトウのメインフェイズに唱えられた《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》は着地を許可され、《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》をフラッシュバックすることで疑似的な《銀エラの達人/Silvergill Adept》となった。
ここでタツミは引き込んだ《漸増爆弾/Ratchet Bomb》を布石としつつ、《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》に殴られながらもドロースペルで手札を整えて行く。ライフが8となったところで《漸増爆弾/Ratchet Bomb》によって魔道士を破壊し、ついにクロックの尽きたサトウのライブラリーを《ネファリアの溺墓/Nephalia Drownyard》で攻め始める。
続くターンに《死の支配の呪い/Curse of Death’s Hold》が通ってしまい俄然苦しいサトウ。《聖トラフトの霊/Geist of Saint Traft》こそ互いの《マナ漏出/Mana Leak》の応酬によって着地に成功するも、ここでタツミが先程から温存していた《飢えへの貢ぎ物/Tribute to Hunger》が突き刺さる!
これによって完全に息切れを起こしたサトウは、たっぷりのハンドに守られながら悠々と《ネファリアの溺墓/Nephalia Drownyard》を起動し続けるタツミのライフを削りきるのは不可能と判断したのか、投了を宣言した。
タツミ 1-0 サトウ
サトウはスピード対決用のカードをサイドアウトし、盤面に触れられるカードを追加。タツミは後手で弱いカウンターをサイドアウトし、墓地へ干渉できるカードを投入したようだ。
Game2
再びサトウの先手からゲームが開始される。またもやマリガンに見舞われてしまうサトウだが、今回は複数の土地と軽いクロックに恵まれた初手を貰うことができた。タツミは今回も7枚でキープ。
1T目の《幻影の熊/Phantasmal Bear》が急戦を告げる。そのままこのクマに殴り続けられるタツミだが、2回殴られたエンド時に《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》をフルタップでプレイ、次ターン以降の戦闘要員として用意する。
それならば利用させてもらおう、とサトウのプレイした《幻影の像/Phantasmal Image》は《マナ漏出/Mana Leak》され、アタックした《幻影の熊/Phantasmal Bear》はタツミの要求通り《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》と相討ちとなる。
追加のクロックを《思案/Ponder》で探すサトウだが、これは納得のいかないトップだったのかシャッフルを選択し、マナを構えてエンド。タツミの《禁忌の錬金術/Forbidden Alchemy》は《マナ漏出/Mana Leak》されるが、返しに《漸増爆弾/Ratchet Bomb》が設置される。
サトウは《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》によってドロー操作を再利用し、ゲームプランを立て直そうと目論むがここにタツミの《雲散霧消/Dissipate》。サトウはフルタップになるが仕方なく《マナ漏出/Mana Leak》でこれを弾きつつ、2/1バニラとして戦場に着地させる。が、せっかくの努力も空しく《悲劇的な過ち/Tragic Slip》で除去されるのみ。
さらに《禁忌の錬金術/Forbidden Alchemy》フラッシュバックで《幽霊街/Ghost Quarter》を入手しつつ《漸増爆弾/Ratchet Bomb》に2つめのチャージを行うタツミ。青マナ2つを立ててプレイされた《聖トラフトの霊/Geist of Saint Traft》も、マナを残してプレイされた《黒の太陽の頂点/Black Sun’s Zenith》の前には無力に崩れ落ちて行く。
ここで完全に動きのストップしたサトウが3ターンの間ドローゴーを宣言する間、タツミは10枚の土地を並べて《禁忌の錬金術/Forbidden Alchemy》表裏でプレイ、とさらに戦力差の拡大を目指す。
ようやく引き込んだ《幻影の熊/Phantasmal Bear》は無事に着地し、サトウは2枚目の《漸増爆弾/Ratchet Bomb》がチャージされる前に《存在の破棄/Revoke Existence》しながら2点クロックを再び刻み始める。しかし《熟慮/Think Twice》でドローを進めたタツミは《悲劇的な過ち/Tragic Slip》でこの「幻影」クリーチャーを屠り、追加された《非実在の王/Lord of the Unreal》は場で睨みを利かせ続けていた《漸増爆弾/Ratchet Bomb》により即座に爆破処理し、優位を譲らない。
再びエンド前に《ネファリアの溺墓/Nephalia Drownyard》で「本体火力」モードに入り、サトウ万事休すか…と誰もが思ったであろうその時、突如としてゲームが動き始める。
まずはサトウが《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》をプレイ。変身せずに1点のダメージを与えた後、2体目もプレイ。
これは返しの《黒の太陽の頂点/Black Sun’s Zenith》でまとめて即死か、と思いきや突き刺さる《否認/Negate》。これは潤沢なマナからタツミの《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》→《雲散霧消/Dissipate》フラッシュバックで阻まれるかと思われたが、サトウはさらに《雲散霧消/Dissipate》でタツミの《雲散霧消/Dissipate》をカウンター。これで変身チャンス到来か…と思われたのも刹那、タツミは有り余るマナから《ソリン・マルコフ/Sorin Markov》を呼び寄せ、《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》の片割れを即座に除去し、さらにライフを15まで引き上げる。
しかしサトウもこのまま黙ってはいない。《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》の変身こそ叶わなかったものの、対象を待ち構えていた《天界の粛清/Celestial Purge》で憎っくきプレインズウォーカーを追放し、先のターンのビッグアクションでマナを使い果たしたタツミに対して《非実在の王/Lord of the Unreal》→《幻影の像/Phantasmal Image》のコピー、と一気にクロックを構築してみせた!
これを放置するわけにもいかないタツミは「本物」の《非実在の王/Lord of the Unreal》を《喉首狙い/Go for the Throat》で始末し、《飢えへの貢ぎ物/Tribute to Hunger》もプレイ。変身前の《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》がその身を捧げ、隣に立つ「偽物」の《非実在の王/Lord of the Unreal》を守る。
無事に生き延びた「偽物」の王を、サトウはさらなる《幻影の像/Phantasmal Image》でコピー!これで盤面には4/4の呪禁クリーチャーが2体並ぶことになる。4点のダメージを与え、さらに「本物」の《非実在の王/Lord of the Unreal》が追加される。
5/5の呪禁2体がどうしようもないタツミ。《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》をチャンプブロックに回しつつ、《熟慮/Think Twice》で掘り進める。しかし呪禁生物への解答は最後まで見当たらず、「偽物」でありながら「本物」より強い王たちによってライフを削りきられてしまったのだった。
タツミ 1-1 サトウ
Game3
ようやく先手を取ったタツミ。今回も7枚のハンドをキープするが、《墓所のタイタン/Grave Titan》という序盤に役立たないカードを抱えてしまっているためか、あまり満足のいく内容ではないようだ。
対するサトウはこのゲーム3回目のマリガン。ややリアクティブな内容ながらも、《ムーアランドの憑依地/Moorland Haunt》が心強い。
ビートダウン側のサトウが受け身なハンドをキープしたため、序盤はタツミの《漸増爆弾/Ratchet Bomb》を除いては互いにドローゴーを行うことになった。サトウは早々に《ムーアランドの憑依地/Moorland Haunt》を設置し、後々へのプレッシャーを放つ。
実質的なファーストアクションはサトウのペイライフによる《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》。ここでカウンターがないことを確認したサトウは即座に《聖トラフトの霊/Geist of Saint Traft》をプレイする。しかし、これは《漸増爆弾/Ratchet Bomb》によって処理されつつ、カウンターのマナを残せていないサトウの前にタツミの《墓所のタイタン/Grave Titan》が降臨する。
しかしサトウは完璧な回答を用意していた!すなわち、《幻影の像/Phantasmal Image》で《墓所のタイタン/Grave Titan》コピーからの《天界の粛清/Celestial Purge》で相手のタイタンを追放、というビッグプレイである。タイタンと化した《幻影の像/Phantasmal Image》は元々存在を確認していた《悲劇的な過ち/Tragic Slip》で除去されるが、互いにゾンビトークン2体が睨み合う盤面となった。
タツミが《漸増爆弾/Ratchet Bomb》を置けばサトウは《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》で応じる。ここでタツミのエンド前に《蒸気の絡みつき/Vapor Snag》で相手のゾンビトークンを1体減らし、攻勢に転じようとするサトウ。さらに次ターンのアップキープに《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》が《雲散霧消/Dissipate》を公開しながら変身する。タツミは《漸増爆弾/Ratchet Bomb》を起動することで自分の残るゾンビトークンごと盤面を一掃することも可能であったがこれを温存し、ドローステップに入る前に《喉首狙い/Go for the Throat》で3/2飛行クリーチャーを処分した。
それならば、とサトウは2/2のゾンビ2体でアタック宣言をし、一方はタツミの残るトークン1体と相討ちに。さらにサトウがタツミのエンド前に《ムーアランドの憑依地/Moorland Haunt》を起動すると、それに対応して《禁忌の錬金術/Forbidden Alchemy》で《幽霊街/Ghost Quarter》を手に入れる。
ここでサトウは《外科的摘出/Surgical Extraction》によって《禁忌の錬金術/Forbidden Alchemy》を取り除こうと画策するが、これは《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》によって「3マナの」フラッシュバックコストを得たことでフラッシュバックされ立ち消える。
ゾンビとスピリットに殴られつつも《幽霊街/Ghost Quarter》で諸悪の根源を破壊し、ここでようやく《漸増爆弾/Ratchet Bomb》を起動して盤面をクリアにするタツミ。先程のターンに安易に起動していてはこの盤面に辿り着けていない。数ターン先を見据えた見事なプレイだ。
失ったアドバンテージを取り戻そうとサトウは《幻影の像/Phantasmal Image》でタツミの《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》をコピーし、《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》によってドローを進める。予定調和的にオリジナルと相討ちさせた後、《幻影の熊/Phantasmal Bear》が無人の戦場に降り立った。
サトウは《幻影の熊/Phantasmal Bear》でアタックしつつ、ついに手札が8枚となりディスカードを開始する。今後もディスカードし続けるよりは…と、次のターンには《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》をメインフェイズで追加するが、これは《黒の太陽の頂点/Black Sun’s Zenith》の餌食に。
それでも負けじと次なる《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》を追加して《思案/Ponder》をフラッシュバックするサトウに対し、タツミも《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》から《悲劇的な過ち/Tragic Slip》をフラッシュバックして対戦相手の魔道士を除去する。
そして、ここでついに時間切れとともに延長ターンの宣言がアナウンスされる。決勝ラウンドは延長ターンで決着が付かない場合はライフ差勝負になるため、現在ライフ10のタツミは残り12のサトウからなんとかして2点以上のライフをもぎ取らなければいけない。
しかし、そんなタツミに歯止めを掛けるかのように《非実在の王/Lord of the Unreal》、《幻影の像/Phantasmal Image》のコンボを畳み掛けるサトウ。しかしコピーは《雲散霧消/Dissipate》により許可されず、本体も《喉首狙い/Go for the Throat》で処分される。
そして追加5ターン目、タツミは自分に《ネファリアの溺墓/Nephalia Drownyard》を起動して墓地に得た《熟慮/Think Twice》をフラッシュバックし、値千金の《悲劇的な過ち/Tragic Slip》を手に入れる!これによってサトウのスピリット・トークンを排除し、本体に2点のダメージを叩きこむことに成功した!
そして延長ターンが終わっても互いのライフが10で等しいため、ここからはライフ・サドンデス(ライフの増減が生じた瞬間にゲーム終了)となる。
まず《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》でドローを進めに行ったサトウに対し、タツミは《幻影の像/Phantasmal Image》で《非実在の王/Lord of the Unreal》をコピー。これならばバウンスを打たれず、ライフロスで負けることもない。さらに追加の除去かブロッカーを探しに《ネファリアの溺墓/Nephalia Drownyard》で墓地に落とした《禁忌の錬金術/Forbidden Alchemy》をフラッシュバックしようとしたところで…「あかん、ミスった!」と思わず口に出すタツミ。
傍から見ていると何をミスしたのか分からないが、その答えは《禁忌の錬金術/Forbidden Alchemy》でめくれたカードを見ることで明らかになった。
土地が1枚。そして…3枚の《飢えへの貢ぎ物/Tribute to Hunger》。
ライフサドンデスは、1点でもライフを減らしたプレイヤーが敗北し、1点でもライフを増やしたプレイヤーが勝利する。
《飢えへの貢ぎ物/Tribute to Hunger》のマナコストは、3マナ。タツミの残したマナは…2マナ。そして、《幻影の像/Phantasmal Image》さえプレイしていなければ、彼の手元には…4枚のアンタップ状態の土地があったはず、なのである。
そして、サトウの盤面にはスピリット・トークンの製造を今か今かと待ち構えている《ムーアランドの憑依地/Moorland Haunt》があり、そこから生み出されたトークンの与えた1点のダメージによって、この長い長い対決に終止符が打たれたのであった。
タツミ 1-2 サトウ
サトウ、準決勝進出!
(準決勝:http://police.diarynote.jp/201203190620029931/)
(決勝:http://police.diarynote.jp/201203190730033319/)
コメント
タツミ さんのDeck面白いなー
この試合は長すぎて書くの大変でしたww
>たまさん
ありがとうございます!
タツミさんのデッキはいわゆるガチガチの青黒コントロールですね。大ぶりなデッキが環境に増えてくると現れるデッキタイプです。
JALさんと同じく、直接見れなかった人にとっても素晴らしい内容だったよb