いい加減に書きあげないと賞味期限切れになる(既になりかけてる説もあるけど)ので、気合入れて書きます。

●デッキの選択に至るまで
僕はこのモダンシーズン、大きく分けて2つのデッキを使用してきました。
ひとつは「トリコDelver」。
もうひとつは「無色トロン」。
他にも調整の過程で少しだけ回したり試したデッキもありますが(グリセルシュート、双子、ボロス、マーフォーク等)、記録の残る大会で使用したのはほぼこの2つだけです。

禁止改定後の新環境モダンに手を出したのは3月頭でした。この時はまだ国内もモダンが動き始めたばかりで、大会結果も僅かしか出ていません。なので、その中で気に入ったトリコDelverのリストをコピってしばらく使っていました。
しかし、使い始めてすぐに気付いたことがひとつ。それは、モダン環境の《秘密を掘り下げる者》はものすごく弱いということです。実用に耐えうる1マナドロー操作が《血清の幻視》しかないのですが、そもそもこのスペルがDelverデッキだと使い物にならないと感じたので二週間ほどで早々に諦めることにしました。

そんなある日のこと、いつも通りtwitterのTLを眺めていると若手プロ・セミプロプレイヤーがあるデッキの調整をしているのを見かけました。それがまさに無色トロンであり、最初はネタデッキのつもりでプロキシを使ってそのデッキリストをコピーし、身内との調整に持ち込んだのです。
しかしこれが意外や意外、ものすごく強いデッキでした。少なくとも対抗策が取られていない状態ではゲームにならないレベルの強さで、僕はすぐにその場でカードを全て購入し、デッキを現物化しました。

その後はPTQやGPTなどに積極的にデッキを持ち込み続け、時にはTOP8に続けて入賞したり、PTQでもあと1勝で抜け!というような惜しいラインまで辿り着くこともできました。このあたりの記録は全て過去の日記に書いてあります。少なくとも、関東のPTQやGPTでは席に着いた途端に顔でデッキがバレるようになることがあるくらいまでには使いこんだと思います。

本戦まで少し間が空き、いくつか他のデッキも試したりデッキを乗り換えようかと考えたこともありますが、結局最終的には慣れを重視し、またビートダウンやジャンドが増えてきているためにそこまでメタ的に不利だとも思わなかったので無色トロンのまま参加することにしました。

最終的に自分が至った完成系はこの形です。
"Naya Tron"
土地21
4《ウルザの塔/Urza’s Tower(9ED)》
4《ウルザの鉱山/Urza’s Mine(9ED)》
4《ウルザの魔力炉/Urza’s Power Plant(9ED)》
4《燃え柳の木立ち/Grove of the Burnwillows(FUT)》
1《幽霊街/Ghost Quarter(ISD)》
2《森/Forest(M12)》
1《平地/Plains(M12)》
1《ウギンの目/Eye of Ugin(WWK)》

生物3
1《ワームとぐろエンジン/Wurmcoil Engine(SOM)》
1《真実の解体者、コジレック/Kozilek, Butcher of Truth(ROE)》
1《引き裂かれし永劫、エムラクール/Emrakul, the Aeons Torn(ROE)》

スペル36
4《探検の地図/Expedition Map(ZEN)》
4《彩色の星/Chromatic Star(TSP)》
4《彩色の宝球/Chromatic Sphere(MRD)》
4《古きものの活性/Ancient Stirrings(ROE)》
4《大祖始の遺産/Relic of Progenitus(ALA)》
4《森の占術/Sylvan Scrying(MRD)》
2《探検/Explore(WWK)》
4《紅蓮地獄/Pyroclasm(M11)》
2《忘却石/Oblivion Stone(MRD)》
4《解放された者、カーン/Karn Liberated(NPH)》

サイドボード
2《ワームとぐろエンジン/Wurmcoil Engine(SOM)》
2《自然の要求/Nature’s Claim(WWK)》
2《原基の印章/Seal of Primordium(PLC)》
2《機を見た援軍/Timely Reinforcements(M12)》
2《戦争の報い、禍汰奇/Kataki, War’s Wage(SOK)》
2《倦怠の宝珠/Torpor Orb(NPH)》
2《四肢切断/Dismember(NPH)》
1《焼却/Combust(M12)》

●デッキの解説
一般的な形と違うであろう部分を解説します。

【メインボード】
・土地構成
一時期は22枚(ウギンを除いて実質21枚体制)にしていましたが、1枚減らしました。元は基本地形が森、山、平地の1枚ずつで幽霊街が2枚だったのを、特に引く必要がない山を森にし、1枚さえあれば足りる同系用の幽霊街を減らすことで1枚削減することができました。そもそも土地20(実質19)のリストの方が多いので、これでも少し多い方です。ナチュラルに土地が伸びるのも(特にブラッドムーンなどを考慮すると)重要ですからね。
燃え柳はシンプルに強い土地なので4枚欲しい派です。平地の取られている理由は後述。

・生物構成
一般的にはワームコイル×3にエムラ、もしくはワーム、ウラモグ、エムラ1ずつという構成が多いと思います。
が、僕はウラモグより明らかにコジレックの方が強いと考えていたのでオリジナル要素の一つとしてコジレックを使い続けていました。

この2体の違いはマナコスト、キャスト誘発能力、除去耐性がほぼ全てです(サイズはあまり関係なく、滅殺数は同じ)。それぞれについて比較すると、
1.マナコスト
コジレックは「トロン1セット+タワー」の実質4マナでプレイできることがあります。つまり、ブン回りパターンがひとつ増えるのです。また、それ以外でも「トロン1セット+ウギンの目+非トロン土地」(むしろこちらの方が多いです)でキャストできるというのも魅力です。

2.誘発能力
これはアドバンテージ量を考えれば簡単に分かります。また、エルドラージが出せるタイミングでは特定のパーマネントを一つ壊すより、引き増しをして除去されたあとに備え、エムラクールにすぐに繋がる4ドローの方が嬉しいことの方が圧倒的に多いです。

3.除去耐性
モダン環境でこのサイズのクリーチャーを「破壊」できるのはジャンドのパルス(と、ごくまれに終止)くらいしかありません。一応、同系の忘却石もありますが同系ではそういうゲームにならないのでほぼ関係なく、むしろ1マナ軽いことの方がはるかに重要です。
どうせ流刑されることが一番多く、その次がリリアナのエディクトや双子のタップなので「破壊されない」の一文にそこまで魅力はありません。

これら3つの理由により、コジレックをウラモグより優先して使い続けてきました。コジレックを10マナ(もしくは8マナ)でちょうどキャストできて勝ったゲームも数多く、これに関しては正しかったと思っています。

ちなみに、元々メインは二神しか入れていませんでしたが、ジャンドが少しずつ洗練されていってトロン耐性が付き、他のビートダウンも伸びてきたのでワームコイルをメインから1枚入れ直すことになりました。

・スペル構成
これは特にないでしょう。一般的な構成だと思います。《探検》はメイン0~4まで全て試しましたが、1枚または2枚がちょうど良いと感じました。

【サイドボード】
最も特徴的なのがここではないでしょうか。

・《倦怠の宝珠》
これは割と普通?他にも使ってる人もいると思います。
双子とメリーラ系に強い便利なサイドですが、単体では勝ちに貢献しないし割られることもあるので過信は禁物。

・《四肢切断》
これはかなり早い段階から兄貴にアイデアを貰って試していたところで、双子デッキが赤マナを寝かせて安心して双子をキャストしてきたところでブッ刺す!というプレイが可能になります。それ以外にも幅広く使える、無色トロンにぴったりのサイドだと思います。

・《機を見た援軍》
これは割と自信を持っているアイデアです。トロンのサイドに入りうるビートダウン、特にパイロの効かないナヤ系対策を探していたのですが、ワームだと遅すぎる、バタースカルだと割られるという欠点がありました。

しかし、ある時ふと思いついきました。
「どうせこのデッキの有色スペルってクロマティック経由で撃つんだし、シングルシンボルなら色マナ関係なくね?」

そして、スタンダードで大活躍中のこのスペルに白羽の矢が立ったのです。実際これのおかげで苦手だったナヤはもちろん、なんとも言えない相性のトリコ虫など各種テンポ系ビートに劇的な威力を発揮し、ゲームを取ることができています。平地を入れているのはこのカードのためで、幽霊街でこちらのトロンを阻害してくる軽量ビートに対して白マナをスムーズに用意できるようにするための手段ですね。

・《戦争の報い、禍汰奇》
アーティファクト対策は多めに取ったつもりですが、それでもまだ足りないと感じたので直前で試し、強かったので採用しました。白マナをもともと搭載していたため、スムーズに組み込むことができます。必ずしも初手には必要なく、除去で序盤を捌いたあとに引きこんできても十分強いのでこの枚数です。

勝ったわけでもないのにデッキ解説にどんだけ文字数かけるんだよという感じですが、以上がデッキの解説になります。
もし今週末にまたGPがあると言われたら「そもそもトロンで出るか?」という疑問は置いといて、もしトロンで出るならどうするか?と聞かれたらこの75枚をそのまま持ち込んでいいと思います。それくらい、リストには満足できています。後悔はありません。

●大会レポ
それでは本戦の記録を。

Round1:BYE
Round2:BYE

PWPで2バイあったので午前中はのんびり。実はずいぶん長いことマジックやっときながらBYE持ちでGPに出たのは初めて(!)でした。

Round3:無色トロン
いきなりの同系ww

1本目は先手。お互い3ターン目には何も出せず(こちらはトロン揃わず、相手は揃ってたけど実が無い)、こちらの4T目カーンで勝ち。

2本目は相手がアーティファクト破壊でひたすらこちらのクロマティック系を割ってきたせいで本来3T目カーン(2T目にクロマティックからScrying→3T目にトロンコンプ)できるハンドだったけど5T目に。まあ相手は妨害ばっかしてて土地が揃ってなかったので結局同じだった。
○○

Round4:トリコデルバー
1本目は後手、相手ワンマリ。遅めのキープしてしまい負け。

2本目は一旦残り2まで削られるけどクロマティックスターを要求で壊して4点ゲインして生き残り、あとはワームコイル登場で勝ち。

3本目はパイロで捌いて援軍でゲインしてワームで止めてエムラで勝ち。
×○○

Round5:無色トロン
1本目は先手、相手ワンマリ。4T目カーンで勝ち。

2本目はワンマリ。相手3T目カーンで負け。

3本目はワンマリ。相手が先に揃ったけど幽霊街で妨害してからこっちが揃ってコジレック出す。これは獣にされたけどエムラ到達して勝ち。
○×○

5-0ラインまで到達!当たり方はちょっと想像してたのと違う(もっと親和や双子に当たると思ってた)けどまあ人数多いし、同系はきちんと練習してるから問題ない。とりあえずラッキー。

Round6:青白フェアリー(隋 金プロ)
1本目は先手相手ワンマリ。相手の土地が島×2とムーアランドで白マナが出ておらず、こちらも多少は妨害されたもののコジレックまで到達する。ここは流刑が間に合ってしまうけど、土地が足りててエムラで勝ち。

2本目はワンマリ。活性がスプライトで消され(1本目は見てなかったから完全にノーケアw)、その後もカウンターとヴェンディリオンに押しつぶされて負け。

3本目は相手ワンマリ。2枚目が揃ってから最後の1枚がなかなか到達できず、その間にフェアリーやトラフトを除去しつつも少しずつ殴られて負け。
このデッキはたぶん何回やっても勝てないw
○××

Round7:ナヤポッド(黒田プロ)
1本目は後手ワンマリ。パイロで妨害しつつマナを伸ばそうとするけど、なぜか平地と柳と幽霊街ばっかり素引きしてしまい何も揃わず負け。

2本目は殻が設置され、《なだれ乗り》などで土地を攻められる。それでもナチュラルに5マナ到達して《忘却石》起動できたら勝ちやろ!という盤面でヴェンセールで一旦土地バウンスされてから、修復の天使→ヴェンセールもう一回→返しの殻起動でヴェンセールがキキジキで無限天使、で負け。
××

浮かれていたのに早くも後がなくなる。

Round8:青白フェアリー
…よりによってここで、このデッキ。

1本目は先手。相手がマナフラ気味で何でも通せそうなのにウルザ土地以外ばかり引いてきて何もできない。そのうちスプライトと《フェアリーの集会場》が殴ってきて、最後は屈葬エリシュで盤面パンプされて負けというトロンとは思えない負け方。幽霊街も遺産もあるはずなのに…

2本目は活性は打てたけど次の活性はスプライト→4T目に霧縛り、直後のドローで《倦怠の宝珠》でイラッ。まあ次のターンに出すか…→次のターンアップキープに修復の天使で霧縛りブリンク。直後のドローが《四肢切断》。

…無理!どんだけ噛み合わんのよw
××

この時点で初日抜けの目は消滅。

Round9:メリーラ
1本目は先手。ワームコイル出て、これはコピーされるけどこっちのライフリンクだけ生き残らせてライフ増やしてエムラまで繋いで勝ち。

2本目はやや不利ながらもオーブ出せてあとは丁寧に捌いていくだけ…というところでライフ1でギリギリ耐え、サンタイタンの返しにコジレックが間に合う。このまま何もなければ捲れるかな?と思ったけど、殻の2枚目を出されて根壁→キッチン→変形者に進化して対消滅されて負け。

で、2ゲーム目終わった瞬間に時間切れ。
○×-

せっかく5-0で好スタートを切ったと思っていたら5-3-1で初日でポンしました。なんか5-0から一気に沈んでいくパターン最近多くないか…?

一番の誤算は初日の上位ラインに青白フェアリーがけっこういて、2回も踏んでしまったこと。青白ノーカウはいると思ってたんですが、まさかスプライト型をピンポイントで踏んでしまうとは思わなかった。全く考慮していませんでした(一応サイドカードはあることはあるんだけど)。
あと、6ラウンド目あたりから突然ドローが弱くなりましたwむしろ5ラウンド目までがブン回りすぎだったのかな?いわゆる「今日の右手はイケる!」って感じだったんですがw

かなり練習してきてデッキも満足できているモダンのGPでこの結果はさすがに残念すぎるというか酷いというか、とにかく満足できない形になってしまいました。
分布を見ても青白自体は多いけれどスプライト型が多数派であるというわけではなさそうなので、シンプルに運が悪かったというのもありそうです。まあ、その代わりに別のデッキに当たってたとしても勝てたとは限らないだろ?と言われたら何も反論はできませんが…要は起こったことが全てで負けは負けですね。しかし悔しい。


WMCQも終わったし(一応名古屋がまだ残っていますが)、これでまたしばらく落ち着いてカジュアルにマジックをする期間になるのかな?
しばらくスタンとモダンは何もなさそうだし、レガシーに復帰してまた遊ぼうかと思います。

コメント

Tプロ
2012年6月28日0:03

合間に打つかい?

ポリス
2012年6月29日4:19

いいっすね!一度やりましょう!

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