「人魚の誘惑(前半)」(http://police.diarynote.jp/201208230046456472/)の続き。
前半は現状のマーフォークの問題点を指摘し、後半ではその改良方法について述べられています。
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マーフォークの改良
喜んでほしい。私はなぜ今の形のマーフォークが弱いのかを説明するだけでなく、いかにしてこのデッキを改良すべきかの回答をいくつか「挙げる」ことを決心した。人生で一度たりとも魚を「揚げた」ことはないけどね。(私は魚関係のダジャレを言い過ぎだとは思うが)。
ステップ1:状況依存的なカードを使うな
対戦相手がCavern of SoulsからのGoblin Lackeyスタートで、君の初手はVial、Daze、Standstill、Pierce、Island、Mutavault、Lordだった場合、もう2ゲーム目に向けてシャッフルを始めたほうがマシだろう。このハンドは青白系コントロールには最高だが、残念ながら今回はゴブリンという「大当たり」を引いてしまった。
この手札の何が悪いのか。あまりにも状況依存的すぎるのだ。
状況依存的なカードはある場面では有効だが、全く無意味なカードになるような場面も数多く存在する。このようなカードをプレイするというのは、すなわち毎ラウンドごとにルーレットを回してそれらのカードが効果的なマッチアップになるか、もしくはそれらが良いカードとなる順番で引けることを祈るということに他ならない。
Standstillは最悪だ。青白コンやコンボに対して劇的に効くものの、それ以外のクリーチャーデッキに対して非常に悪いという典型的なカードだ。それに、Stillの価値は先手後手にも大きく依存している。
私のおすすめはStillのようなカードは全抜きし、PierceやDazeといったカードを削ることだ。こういうカードの効果が欲しいならサイドに入れておいて、それが輝くマッチアップでサイドインすればよい。
ステップ2:最高のフィッシュは実はフェアリー・ウィザードだ
他の魚をパンプさせるロードがたくさん入ったマーフォークデッキなのだから、デッキに入る全てのクリーチャーはマーフォークであるべきだという考え方がある。
いやはや、これには賛成しかねるね。私の経験から言わせてもらうと、いつだってこのデッキのベスト・クリーチャーは、ほとんどの人が使わないある生物…Vendilion Cliqueだ。こいつはマーフォークにはできない多少の素敵な選択肢を与えてくれる。
まず最初に、島渡り以外の回避能力を持っている。
これによってMoatやTarmogoyf、Knightといった、飛行でなければ乗り越えられない壁を越えて攻撃することができる。
また、島渡りを与えるロードがいない時でもBatterskullのような地上を妨害するカードに対して有効だ。
私はビール衣揚げ(beer-battered)の魚は好きだが、頭には衣がついてない(skull-unbattered)方が好きなんだ。(※1)
次に、こいつは手札にある不要牌を入れ替えてくれる。
多くの場合、Vendilionの能力で自分自身を対象にしたいと思うことになるだろう。これをプレイしたとき、手札に2枚目や3枚目のVialや不要になったDazeを持っていることはよくある。
対戦相手を対象に取って妨害することもできるが、この先のゲームで価値を持つことのないカードを入れ替えることができるということは、基本的にはカードを一枚引いているのと等価だ。3マナ3/1瞬速飛行でCIPの1ドローが付いているクリーチャーを使いたいかい?私は使いたいね。
もし自分の手札が良くて、対戦相手の手札に歪みを与えることに価値があるなら、その選択も当然ながら取ることができる。
最後に、こいつは驚きをもたらす。マーフォークに入っている生物に瞬速持ちはいない。マーフォークはいつだって完全に予測可能なんだ。
君はメインフェイズに何体かの戦力をプレイしたら、あとは返しの相手のターンに対戦相手が何もしないでくれることを祈るしかない。
対戦相手のターン中に驚きを与える生物をプレイすることでゲームプランを狂わせることができ、そしてこの手の予想されていないプレイこそが接戦を制するために必要な全てなのだ。
状況依存的で選択肢を与えてもくれないStillのようなカードとVendilionを入れ替えるのが良いだろう。こいつはいろいろな使い方ができるし、いくつもの選択肢を与えてくれるからね。
このことは他のクリーチャーにも同様に当てはまる。Phantasmal Imageや、タッチカラーによって運用できるGeist of Saint TraftやDark Confidantのようなカードはマーフォークではないが、これらを使ってはいけない理由はない。
「全てのクリーチャーがマーフォークでなければいけない」といった必要のない縛りに従ったり、ある考えに固執ばかりしているとデッキを改善する方法をたやすく見逃してしまうんだ。
ステップ3:青単でなければいけない理由なんてない
単色を使うメリットは以下の通りだ。
1.フェッチランドからダメージを受けない。
2.Wastelandに攻撃されることがない。
続いて他の色をタッチするメリット。
1.その色から素晴らしいスペルを得られる。
2.フェッチを使うことでBrainstormを強く使える。
3.無色土地を削ることで実はマナベースが改善される。
レガシーにおけるフェッチランドとデュアルランドの強みは、ほぼ無償で色をタッチすることができるということだ。
ゴブリンは赤単のレガシーデッキだが、赤だけでは対処できない問題を解決するカードのために色をタッチしている。
フェッチランドと併用される1枚のTaigaはゴブリンにエンチャントへの回答を与えるし、BadlandsがあればThoughtseize、Warren Weirding、そしてPerishなどの様々なマッチアップを改善するカードへアクセスすることができる。
Thaliaを採用しているゴブリンのリストすら存在する。ゴブリンでもなければ、赤いカードでもないのに!
マーフォークもこの思想を取り入れればよいのではないだろうか?
私が考えるに、マーフォークは白もしくは黒をタッチすることによって劇的に改善される。
白をタッチすると、これらのカードが使えるようになる:
マーフォークを使っていて負ける試合のほとんどが、単純にすべての生物を除去されてしまったことによるものだ。
Kiraは石鍛冶やRUGデルバーのように、一対一交換でこちらのロードを除去し続けることに全力を傾け、BrainstormやPonderで投資して燃料を途切れないようにしつつこちらがガス欠になることを狙うデッキへ対処するためのサイドボードとしては良い回答だ。
しかし悲しいことにKiraでは十分ではなく、カードパワーもきわめて低い。こいつは伝説のWind Drakeなので、複数引くのは最悪だしクロックも弱い。
Mother of Runesはより軽く、より効果的で、除去単デッキを打ち倒すのに貢献してくれる。またマザーは巧妙なことに、マーフォークに対する標準的な除去であるRed Elemental Blastを回避できる。
Sygg, River Guideは同じ役割を果たせる別の選択肢だが、私はSyggの要求するマナの投資は若干多すぎるように感じている。
Geist of Saint Traftは単純に君を単体除去で踏みつぶそうとしてくるデッキを打ち破る優れた手段だ。
不運なことにGeistはタルモを乗り越えて殴ることはできないが、MotherやDismember、Path to Exileとの組み合わせで対戦相手を倒すまで彼の通る道を開けることもできる。
私がデッキに入れたい白いカードはどれも互いによくシナジーしていて、そしてどれも除去の多いデッキを倒したいという考えのもと構築されている。
もちろん選択肢はこれだけではない。黒をタッチすることで別の可能性が生まれる:
Confidantは単体除去の準備ができていないデッキを引き離すことのできる素晴らしい手段だ。
除去の十分あるデッキでも引かれないことだってあり得るし、仮に除去を引かれていたとしてもそれは代わりに君のマーフォーク・ロードが生き残るということを意味している。
Perishはエルフやマーベリックといった、本来なら非常に厳しいマッチアップを勝利へ導く劇的なカードだ。RUG Delverに対してもサイドインすることで、除去とTarmogoyfだけで負けるというゲームを回避することができる。
Thoughtseizeはもしかしたら必要ないかもしれないが、ハンデスはコンボやコントロールのゲームプランに対峙する際に別の選択肢を与えてくれる。
それらのデッキは一般的にもともと良いマッチアップとは言われているものの、それらに対してさらに相性を改善させるカードを取るべきではないということを意味しない。
最近、私は著名なプレイヤーたちの間で交わされた「ハンデスはレガシーにおいては悪いものだ」という議論を耳にした。
これには丁重に反対させていただこう。ハンデスは常に良いものではないが、特定のデッキに対しては劇的な効力を発揮する。
そのため、ハンデスが輝くマッチアップでは完璧なサイドボーディングの選択肢となる。
私は石鍛冶のようなデッキに入るハンデス呪文が大好きだし、ハンデスはマーフォークのように対戦相手にドローする猶予を与えないクロックを持つデッキでこそ素晴らしいものであると思う。
ステップ4:Brainstormを使え
レガシーで最高のカードのBrainstormをフェッチランドと共に使う。何か質問があるかい?
ステップ5:第二ゲームプランを手にしろ
フィッシュとしての通常のゲームプランではどう頑張っても倒せないようなデッキがある。Snapcaster MageでSword to Plowsharesが実質8枚体制だったり、LlawanやMoat、Ensnaring Bridgeなどの切り札を持っていたりするようなデッキだ。
元のゲームプランでそのようなゲームに勝てないのなら、最善の選択肢は相手が準備のできていない別の角度から攻め込むことだ。
これを成し遂げるのに最もシンプルかつ万能な手段はJace, the Mind Sculptorだろう。
まず、一対一交換で君をゲームから押し出そうとするデッキ相手には恒久的なアドバンテージソースになる。
そして、君のゲームプランを容易に閉ざしてしまうデッキに対しては第二の勝ち手段たり得る。
最後の利点は、他の「ジェイス・デッキ」相手に対する大いなる脅威となることだ。青白コントロールを使う対戦相手は君をTerminusやSword to Plowsharesで打ち倒す準備は存分にできているだろうが、Jaceと戦う備えはしていないだろう。
そのうえ、彼らは勝ち手段をJaceに依存しているため、君が同様にJaceを持っている場合にはそれが難しくなるだろう。
さて、フィッシュで戦うための5段階のプロセスは示したところで青白と青黒の仮構成を見てみよう。
忘れないでほしいが、これはあくまで仮組みだ。いくつも改善すべき点があるのは分かっているが、新しいことに取り組んでデッキが機能する上での問題を修正していくということが大切なんだ。
どちらのリストからもマナベースの改善のためWastelandを取り除いたので、呪文を唱えるのは容易になっている。対戦相手がたまたまWastelandに対して脆弱なハンドをキープしたというだけで勝てるゲームがあるということより、自分の呪文をきちんと唱えられることのほうが重要だ。
現在のレガシーにおけるある一つの事実は、RUGデルバーやマーベリックのようなWastelandで相手を脅かすデッキによって人々のマナベースの構築の仕方が変わったということだ。いまやデッキは1ゲームで数回は不毛されることを前提に組まれており、結果としてマーフォークのようなデッキのWastelandプランを悪いものにしている。
私はワシントンDCでのレガシーオープンでの9回戦のうち、Wastelandだけで勝てた試合は1ゲームだけしか思い出せない。
今や青単マーフォークのリストからもWastelandを削ることは理に適っていると思う。私のように4枚全て抜くのは間違っているかもしれないが、今の環境で14枚未満の青マナソースから呪文をプレイしようとするのが賢い選択であるとも思えない。
なんにせよ、この記事が役に立つことを望んでいる。Geist of Saint Traftは青白バージョンに合わないかもしれないが、Motherは素晴らしいカードだしきっと4枚フル投入したくなるだろう。もしかするとDark Confidantはメインから取ってもいいかもしれない。
正確なことを言うのは難しいし毎週変わるものだけど、一番大切なことは古くなってしまったアーキタイプを、新しいことを探して試すことで改良することだ。
マーフォークは6ヶ月前と同じデッキではあるが、メタゲームは変わっているのだ。
私は今のマーフォークの構築は好きではない。それはつまり、そこにはまだ革新や変革の余地があるということだ。
「うるさいペッシェ」を諦める理由なんでないのさ。(※2)
だからマーフォークを使うのを諦める必要なんてないのさ。
彼女はフィレオフィッシュを注文した。(※3)
読んでくれてありがとう!
Brian Braun-Duin
前回同様、各種アドバイスや指摘、訂正などお待ちしています。
前半は現状のマーフォークの問題点を指摘し、後半ではその改良方法について述べられています。
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マーフォークの改良
喜んでほしい。私はなぜ今の形のマーフォークが弱いのかを説明するだけでなく、いかにしてこのデッキを改良すべきかの回答をいくつか「挙げる」ことを決心した。人生で一度たりとも魚を「揚げた」ことはないけどね。(私は魚関係のダジャレを言い過ぎだとは思うが)。
ステップ1:状況依存的なカードを使うな
対戦相手がCavern of SoulsからのGoblin Lackeyスタートで、君の初手はVial、Daze、Standstill、Pierce、Island、Mutavault、Lordだった場合、もう2ゲーム目に向けてシャッフルを始めたほうがマシだろう。このハンドは青白系コントロールには最高だが、残念ながら今回はゴブリンという「大当たり」を引いてしまった。
この手札の何が悪いのか。あまりにも状況依存的すぎるのだ。
状況依存的なカードはある場面では有効だが、全く無意味なカードになるような場面も数多く存在する。このようなカードをプレイするというのは、すなわち毎ラウンドごとにルーレットを回してそれらのカードが効果的なマッチアップになるか、もしくはそれらが良いカードとなる順番で引けることを祈るということに他ならない。
Standstillは最悪だ。青白コンやコンボに対して劇的に効くものの、それ以外のクリーチャーデッキに対して非常に悪いという典型的なカードだ。それに、Stillの価値は先手後手にも大きく依存している。
私のおすすめはStillのようなカードは全抜きし、PierceやDazeといったカードを削ることだ。こういうカードの効果が欲しいならサイドに入れておいて、それが輝くマッチアップでサイドインすればよい。
ステップ2:最高のフィッシュは実はフェアリー・ウィザードだ
他の魚をパンプさせるロードがたくさん入ったマーフォークデッキなのだから、デッキに入る全てのクリーチャーはマーフォークであるべきだという考え方がある。
いやはや、これには賛成しかねるね。私の経験から言わせてもらうと、いつだってこのデッキのベスト・クリーチャーは、ほとんどの人が使わないある生物…Vendilion Cliqueだ。こいつはマーフォークにはできない多少の素敵な選択肢を与えてくれる。
まず最初に、島渡り以外の回避能力を持っている。
これによってMoatやTarmogoyf、Knightといった、飛行でなければ乗り越えられない壁を越えて攻撃することができる。
また、島渡りを与えるロードがいない時でもBatterskullのような地上を妨害するカードに対して有効だ。
私はビール衣揚げ(beer-battered)の魚は好きだが、頭には衣がついてない(skull-unbattered)方が好きなんだ。(※1)
次に、こいつは手札にある不要牌を入れ替えてくれる。
多くの場合、Vendilionの能力で自分自身を対象にしたいと思うことになるだろう。これをプレイしたとき、手札に2枚目や3枚目のVialや不要になったDazeを持っていることはよくある。
対戦相手を対象に取って妨害することもできるが、この先のゲームで価値を持つことのないカードを入れ替えることができるということは、基本的にはカードを一枚引いているのと等価だ。3マナ3/1瞬速飛行でCIPの1ドローが付いているクリーチャーを使いたいかい?私は使いたいね。
もし自分の手札が良くて、対戦相手の手札に歪みを与えることに価値があるなら、その選択も当然ながら取ることができる。
最後に、こいつは驚きをもたらす。マーフォークに入っている生物に瞬速持ちはいない。マーフォークはいつだって完全に予測可能なんだ。
君はメインフェイズに何体かの戦力をプレイしたら、あとは返しの相手のターンに対戦相手が何もしないでくれることを祈るしかない。
対戦相手のターン中に驚きを与える生物をプレイすることでゲームプランを狂わせることができ、そしてこの手の予想されていないプレイこそが接戦を制するために必要な全てなのだ。
状況依存的で選択肢を与えてもくれないStillのようなカードとVendilionを入れ替えるのが良いだろう。こいつはいろいろな使い方ができるし、いくつもの選択肢を与えてくれるからね。
このことは他のクリーチャーにも同様に当てはまる。Phantasmal Imageや、タッチカラーによって運用できるGeist of Saint TraftやDark Confidantのようなカードはマーフォークではないが、これらを使ってはいけない理由はない。
「全てのクリーチャーがマーフォークでなければいけない」といった必要のない縛りに従ったり、ある考えに固執ばかりしているとデッキを改善する方法をたやすく見逃してしまうんだ。
ステップ3:青単でなければいけない理由なんてない
単色を使うメリットは以下の通りだ。
1.フェッチランドからダメージを受けない。
2.Wastelandに攻撃されることがない。
続いて他の色をタッチするメリット。
1.その色から素晴らしいスペルを得られる。
2.フェッチを使うことでBrainstormを強く使える。
3.無色土地を削ることで実はマナベースが改善される。
レガシーにおけるフェッチランドとデュアルランドの強みは、ほぼ無償で色をタッチすることができるということだ。
ゴブリンは赤単のレガシーデッキだが、赤だけでは対処できない問題を解決するカードのために色をタッチしている。
フェッチランドと併用される1枚のTaigaはゴブリンにエンチャントへの回答を与えるし、BadlandsがあればThoughtseize、Warren Weirding、そしてPerishなどの様々なマッチアップを改善するカードへアクセスすることができる。
Thaliaを採用しているゴブリンのリストすら存在する。ゴブリンでもなければ、赤いカードでもないのに!
マーフォークもこの思想を取り入れればよいのではないだろうか?
私が考えるに、マーフォークは白もしくは黒をタッチすることによって劇的に改善される。
白をタッチすると、これらのカードが使えるようになる:
《ルーンの母/Mother of Runes》
《流刑への道/Path to Exile》
《聖トラフトの霊/Geist of Saint Traft》
マーフォークを使っていて負ける試合のほとんどが、単純にすべての生物を除去されてしまったことによるものだ。
Kiraは石鍛冶やRUGデルバーのように、一対一交換でこちらのロードを除去し続けることに全力を傾け、BrainstormやPonderで投資して燃料を途切れないようにしつつこちらがガス欠になることを狙うデッキへ対処するためのサイドボードとしては良い回答だ。
しかし悲しいことにKiraでは十分ではなく、カードパワーもきわめて低い。こいつは伝説のWind Drakeなので、複数引くのは最悪だしクロックも弱い。
Mother of Runesはより軽く、より効果的で、除去単デッキを打ち倒すのに貢献してくれる。またマザーは巧妙なことに、マーフォークに対する標準的な除去であるRed Elemental Blastを回避できる。
Sygg, River Guideは同じ役割を果たせる別の選択肢だが、私はSyggの要求するマナの投資は若干多すぎるように感じている。
Geist of Saint Traftは単純に君を単体除去で踏みつぶそうとしてくるデッキを打ち破る優れた手段だ。
不運なことにGeistはタルモを乗り越えて殴ることはできないが、MotherやDismember、Path to Exileとの組み合わせで対戦相手を倒すまで彼の通る道を開けることもできる。
私がデッキに入れたい白いカードはどれも互いによくシナジーしていて、そしてどれも除去の多いデッキを倒したいという考えのもと構築されている。
もちろん選択肢はこれだけではない。黒をタッチすることで別の可能性が生まれる:
《闇の腹心/Dark Confidant》
《非業の死/Perish》
《思考囲い/Thoughtseize》
Confidantは単体除去の準備ができていないデッキを引き離すことのできる素晴らしい手段だ。
除去の十分あるデッキでも引かれないことだってあり得るし、仮に除去を引かれていたとしてもそれは代わりに君のマーフォーク・ロードが生き残るということを意味している。
Perishはエルフやマーベリックといった、本来なら非常に厳しいマッチアップを勝利へ導く劇的なカードだ。RUG Delverに対してもサイドインすることで、除去とTarmogoyfだけで負けるというゲームを回避することができる。
Thoughtseizeはもしかしたら必要ないかもしれないが、ハンデスはコンボやコントロールのゲームプランに対峙する際に別の選択肢を与えてくれる。
それらのデッキは一般的にもともと良いマッチアップとは言われているものの、それらに対してさらに相性を改善させるカードを取るべきではないということを意味しない。
最近、私は著名なプレイヤーたちの間で交わされた「ハンデスはレガシーにおいては悪いものだ」という議論を耳にした。
これには丁重に反対させていただこう。ハンデスは常に良いものではないが、特定のデッキに対しては劇的な効力を発揮する。
そのため、ハンデスが輝くマッチアップでは完璧なサイドボーディングの選択肢となる。
私は石鍛冶のようなデッキに入るハンデス呪文が大好きだし、ハンデスはマーフォークのように対戦相手にドローする猶予を与えないクロックを持つデッキでこそ素晴らしいものであると思う。
ステップ4:Brainstormを使え
レガシーで最高のカードのBrainstormをフェッチランドと共に使う。何か質問があるかい?
ステップ5:第二ゲームプランを手にしろ
フィッシュとしての通常のゲームプランではどう頑張っても倒せないようなデッキがある。Snapcaster MageでSword to Plowsharesが実質8枚体制だったり、LlawanやMoat、Ensnaring Bridgeなどの切り札を持っていたりするようなデッキだ。
元のゲームプランでそのようなゲームに勝てないのなら、最善の選択肢は相手が準備のできていない別の角度から攻め込むことだ。
これを成し遂げるのに最もシンプルかつ万能な手段はJace, the Mind Sculptorだろう。
まず、一対一交換で君をゲームから押し出そうとするデッキ相手には恒久的なアドバンテージソースになる。
そして、君のゲームプランを容易に閉ざしてしまうデッキに対しては第二の勝ち手段たり得る。
最後の利点は、他の「ジェイス・デッキ」相手に対する大いなる脅威となることだ。青白コントロールを使う対戦相手は君をTerminusやSword to Plowsharesで打ち倒す準備は存分にできているだろうが、Jaceと戦う備えはしていないだろう。
そのうえ、彼らは勝ち手段をJaceに依存しているため、君が同様にJaceを持っている場合にはそれが難しくなるだろう。
さて、フィッシュで戦うための5段階のプロセスは示したところで青白と青黒の仮構成を見てみよう。
青白マーフォーク
クリーチャー 23
3《ルーンの母/Mother of Runes(ULG)》
4《銀エラの達人/Silvergill Adept(LRW)》
4《アトランティスの王/Lord of Atlantis(TSB)》
4《真珠三叉矛の達人/Master of the Pearl Trident(M13)》
2《珊瑚兜の司令官/Coralhelm Commander(ROE)》
4《メロウの騎兵/Merrow Reejerey(LRW)》
2《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique(MOR)》
スペル 17
4《霊気の薬瓶/AEther Vial(DST)》
4《渦まく知識/Brainstorm(MMQ)》
3《目くらまし/Daze(NEM)》
4《Force of Will(ALL)》
2《四肢切断/Dismember(NPH)》
土地 20
6《島/Island(M13)》
4《霧深い雨林/Misty Rainforest(ZEN)》
4《沸騰する小湖/Scalding Tarn(ZEN)》
4《変わり谷/Mutavault(MOR)》
2《Tundra》
サイドボード
3《墓掘りの檻/Grafdigger’s Cage(DKA)》
2《幻影の像/Phantasmal Image(M12)》
2《流刑への道/Path to Exile(CON)》
3《呪文貫き/Spell Pierce(ZEN)》
2《聖トラフトの霊/Geist of Saint Traft(ISD)》
1《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique(MOR)》
2《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor(WWK)》
青黒マーフォーク
クリーチャー 23
3《呪い捕らえ/Cursecatcher(SHM)》
4《銀エラの達人/Silvergill Adept(LRW)》
4《アトランティスの王/Lord of Atlantis(TSB)》
4《真珠三叉矛の達人/Master of the Pearl Trident(M13)》
1《珊瑚兜の司令官/Coralhelm Commander(ROE)》
4《メロウの騎兵/Merrow Reejerey(LRW)》
3《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique(MOR)》
スペル 17
4《霊気の薬瓶/AEther Vial(DST)》
4《渦まく知識/Brainstorm(MMQ)》
3《目くらまし/Daze(NEM)》
4《Force of Will(ALL)》
2《四肢切断/Dismember(NPH)》
土地 20
6《島/Island(M13)》
4《霧深い雨林/Misty Rainforest(ZEN)》
4《沸騰する小湖/Scalding Tarn(ZEN)》
4《変わり谷/Mutavault(MOR)》
2《Undergruond Sea》
サイドボード
3《墓掘りの檻/Grafdigger’s Cage(DKA)》
3《闇の腹心/Dark Confidant(RAV)》
2《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor(WWK)》
3《非業の死/Perish(TMP)》
4《思考囲い/Thoughtseize(LRW)》
忘れないでほしいが、これはあくまで仮組みだ。いくつも改善すべき点があるのは分かっているが、新しいことに取り組んでデッキが機能する上での問題を修正していくということが大切なんだ。
どちらのリストからもマナベースの改善のためWastelandを取り除いたので、呪文を唱えるのは容易になっている。対戦相手がたまたまWastelandに対して脆弱なハンドをキープしたというだけで勝てるゲームがあるということより、自分の呪文をきちんと唱えられることのほうが重要だ。
現在のレガシーにおけるある一つの事実は、RUGデルバーやマーベリックのようなWastelandで相手を脅かすデッキによって人々のマナベースの構築の仕方が変わったということだ。いまやデッキは1ゲームで数回は不毛されることを前提に組まれており、結果としてマーフォークのようなデッキのWastelandプランを悪いものにしている。
私はワシントンDCでのレガシーオープンでの9回戦のうち、Wastelandだけで勝てた試合は1ゲームだけしか思い出せない。
今や青単マーフォークのリストからもWastelandを削ることは理に適っていると思う。私のように4枚全て抜くのは間違っているかもしれないが、今の環境で14枚未満の青マナソースから呪文をプレイしようとするのが賢い選択であるとも思えない。
なんにせよ、この記事が役に立つことを望んでいる。Geist of Saint Traftは青白バージョンに合わないかもしれないが、Motherは素晴らしいカードだしきっと4枚フル投入したくなるだろう。もしかするとDark Confidantはメインから取ってもいいかもしれない。
正確なことを言うのは難しいし毎週変わるものだけど、一番大切なことは古くなってしまったアーキタイプを、新しいことを探して試すことで改良することだ。
マーフォークは6ヶ月前と同じデッキではあるが、メタゲームは変わっているのだ。
私は今のマーフォークの構築は好きではない。それはつまり、そこにはまだ革新や変革の余地があるということだ。
だからマーフォークを使うのを諦める必要なんてないのさ。
彼女はフィレオフィッシュを注文した。(※3)
読んでくれてありがとう!
Brian Braun-Duin
※1:batter=「揚げる」という意味を使った駄洒落。自分でも書いている通り、Brianは駄洒落好きですね。要は「魚を使っててBatterskullは出されないに越したことはない」ということが言いたいのかと。
※2:原文は"There’s no reason to give up on the pesky pesce"。"pesky"は「うるさい」等の意味で、"pesce"は「ペッシェ」という苗字…らしい。文意不明。
※3:タイトルの元ネタ"What She Order? Fish Filet."から。
前回同様、各種アドバイスや指摘、訂正などお待ちしています。
コメント
※2ですが、pesceはイタリア語で「魚」を意味するので、ここは要するに「(今のマーフォークは問題を抱えているけど、改良の余地は十分あるから)マーフォークデッキを諦める必要はない」っていう意味だと思います
ありがとうございます!
>abknさん
イタリア語だったんですね!確かにググったら出てきましたw
訂正しました。ありがとうございます。
ポリスさんロ○コンだからそんな記事書くハズないのに。
魚まわしたくなるね!
お疲れ様でした。さすがにステップ4に関しては色々質問ある人いたと思うw
そう…(無関心)
>のぶくん
サンクス!
ブレスト魚は相変わらず回してて楽しい!
>くいろ
結構肝心なところ説明してない感じするよなw
ブレストを採用するメリットは俺の記事に書いてあるからそっちを読んで、どうぞ
楽しんでいただいて幸いです。
ジョークは訳すの難しいですよね…
マザー入れるってのは面白いすね、考えてもなかなか実行し辛いw
確かに不毛は、今の奇跡に入ってる基本地形の数考えると減らしたくなるところですね