SOMブロック追悼 スタンダード・コモン構築
2012年9月14日 日常 コメント (3)今週末に身内で行われるイベント内で「SOMブロック追悼スタンpauper(M13除く)」が行われます。もうすぐお別れのSOMブロックのカードを振り返り、追悼しようということで、普段使わなかったコモンへ目を向けるコモン限定構築。
個人的には現在どのフォーマットよりも楽しいのでマジックのこと考えてるときは9割くらいコモン構築のこと考えてます。
特に身内以外に需要ないと思うけどせっかくなので文章にしてみることにしました。
1.感染
まず環境最速はやはり感染。単色で組めなくはないけど恒久的に強化するカードがほとんど存在しない(《トロール皮》くらい)のでタッチカラーしたほうが強いように思う。緑か黒が中心になると思うけど、やはり《剛力化》《ぎらつかせのエルフ》などを使わない手はないので緑中心が基本。
2色目もその気になれば何色でも悪くないけど、個人的には赤が好み。強化オーラ、スペル、サイド後の同型対策、環境的に必要なアーティファクト除去などの選択肢が十分存在する。
黒を取ると追加の優秀な感染生物に加えて単体除去や、《闇の好意》《捕食者の計略》等の強化オーラも取れるが、生物は緑単色で足りていて強化オーラ・スペルは赤の方が優れているのであまり選択する意味はない。《破滅の刃》を腐らせるという強みもあるが、それは黒単にしなければ意味がないし、そもそも《胆液爪のマイア》が結局入るのでそれも微妙。
また、《墨蛾の生息地》と《野生の抵抗》がないので無理ゲーや突然死の可能性はかなり下がっている。とはいえメタらないと瞬殺される。
2.Delver系
感染より少し遅くなるが柔軟性が高く妨害手段を多く持つのがDelver系。もちろん《マナ漏出》も《思案》も《蒸気の絡みつき》も使える!
青単か青赤が候補。青赤にすると感染に対して劇的に強くなるが、カードパワー重視で重い構成にしてしまうと普通に負ける。
特に青単はカウンターガン積みのDelver初期型のような構成にすると、ガッショもSCMもいないので盤面で負けたままカウンターを握って死ぬというゲームがあるので、スペル選択はとても難しい。
《縫い合わせのドレイク》は相手の除去選択によってはかなり除去されづらい環境のキー生物。ただし同型のバウンスに少し弱い。
さらにどうしても生物不足のため《幻影の熊》《磁器の軍団兵》《大霊堂のスカージ》などのイリュージョンやΦマナ生物が採用されることになり、なおさらバウンスに弱くなる。後はそもそもDelver本人もバウンスに少しだけ弱いカードなので、同型はバウンス系統のツモ勝負になることが多い。
感染とDelverがともにタフネス1を多様するため《霊炎》は環境のキースペル。もちろん《火柱》《感電破》《ショック》などの2点火力や《火葬》、《硫黄の流弾》なども普通に存在するが、後述のとおり黒いデッキの除去もタフネス1~2を対象とするものが複数存在するため、この環境はタフネス1~4までにそれぞれ明確な除去体制の違いがある。
それはともかく、タッチ赤をしたDelverは「うまく回れば」同型・感染いずれにも相性が良く、その他のビートダウンにもDelverや《磁器の軍団兵》、そして火力という組み合わせで十分戦えるので有力な選択肢になる(色事故がやや怖いが)。
さらに、あらゆるデッキに刺さる(と思われる)《躁の蛮人》がメインから積めるのが大きい。同型のΦ生物、感染のマイア、コントロールのタリスマン、各種ビートダウンの装備品など、おそらく腐ることはないはず。
3.黒系コントロール
しかし、この2種では確実に勝てないのが黒コン。
数多くの黒い単体除去と主に青のスペルで序盤を凌ぎ、《清純のタリスマン》でライフを得つつマナ域を引き上げて各種アドバンテージ生物やスペルで引き離すというスタンと全く同じ戦略で戦うことのできるデッキ。
《黒の太陽の頂点》のような全体除去が存在しないこと、《墓所のタイタン》のような決定的なフィニッシャーが存在しないことという2つの大きな違いはあるが、「コントロールさえ完了すればフィニシャーは何でも大丈夫」の理論によって各種アドバンテージ生物でそのまま殴り切るのが基本。
1:1交換除去やバウンスを食らっても困らないのでDelver系ではかなり苦戦する。
除去と生物の選択は人の好みやメタゲーム予測によって様々だけど、基本的には確実に除去で1:1交換を取りながらCIP生物でアドバンテージを取るというのが基本スタイルになるはず。あとは普通に《熟慮》や《禁忌の錬金術》でデッキを回しながらアドバンテージを稼いでいく。
Delver系は基本的に除去されてタリスマンで回復されていくだけですぐ勝ち筋が途絶える。感染はタリスマンの回復を無視できるのと、除去避けスペルが複数あるので展開によっては勝つこともあるが基本的に不利なのは変わらず。
青黒コンはかなり強く同型戦も予測されるので、サイド後は互いに触ることのできないエンチャントである《血まみれの書の呪い》がキーになる可能性が高い。
4.バーン
生物デッキでは黒系コントロールに相性が悪いので赤バーン系のデッキにも可能性がある。
幸い、実用的な火力はそれなりに揃っているし火力はそのまま除去として感染・Delverにも効く。
ただ、もちろん生物抜きの火力だけで焼ききれるほどコモンの火力は充実していないので生物を併用することになる。この生物比率を上げすぎてしまうと結局黒コンに弱くなってしまう。
理屈の上、メタゲームの上では強そうなアーキタイプだけど、しっかりした完成系に仕上げるのはやや難しそう。個人的な意見としては、普通に組もうとするとおそらくカードが足りないので金属術に寄せて《感電破》や《冷たき集いの吸血鬼》を使うと良いと思う。つまり赤黒コンをバーンに寄せるのが良さげ。
もちろんこれら以外のデッキも存在するが、上記のデッキたちへの比較優位という点では劣りがち。
たとえば白系人間デッキは《宿命の旅人》+装備品の組み合わせがコントロールによく刺さるし、《忠実な聖戦士》も強い。ただ、スピードに欠ける上、除去手段も持ち合わせていないため感染に弱い。
緑系のビッグマナ(いわゆる「恐竜」)もSOMドラフト的な発想では組めそうだけど、あれはあくまで安いパーツでデッキが組めるという相対的な強さだったので微妙。ランパン系はあるけど軽い全体除去はないし、出すだけで勝ちに近づく緑のデカブツは《ファングレンの匪賊》くらいしかいない(多分)。また、どうしても動きが遅くなるためDelverと感染に無力。
リアニメイトスペルも墓地参照生物も存在しないのでドレッジも組めない。
他にもまだまだアイデアはあると思うけど、とりあえず思いつくのはこのへん。
最後に時間がない身内向けに、最低限頭に入れておくべきカード(使うにしても使われるにしても)を改めて羅列しておきます。
<生物>
《縫い合わせのドレイク/Stitched Drake(ISD)》
3/4飛行は除去や生物の選択を誤ると詰む(黒除去でもこれを確実に落とせるのはあまり多くない)上、Delver系は必ず積んでいる生物なので何らかの方法でケアしたいところ。
《躁の蛮人/Manic Vandal(M12)》
環境に溢れるΦマナ生物、タリスマン、装備品へのアンチカード。出されてしまったらもうどうしようもないので、赤いデッキ相手には出されること前提でプレイするのが吉。
《グレイブディガー/Gravedigger(M12)》
環境の基本アドバンテージ生物。リミテッドで強いカードはコモン構築で強い!の代表のようなカード。こいつで他のCIP生物などを使いまわして更にアドバンテージ差を広げる。
<非生物>
《清純のタリスマン/Pristine Talisman(NPH)》
ヘビーコントロールの基本装備。複数並ぶと簡単にライフが溢れるので、全く触れないビートダウンはそれだけで価値が落ちる。感染には無意味なので注意。
《霊炎/Geistflame(ISD)》
アドバンテージの取れる1マナ除去。地味に《縫い合わせのドレイク》の睨み合いにも効果的。タフネス1の生物を多用するデッキ(特に感染)は注意。
《シルヴォクの生命杖/Sylvok Lifestaff(SOM)》
おそらく一番強い装備品。キャスト装備ともに軽く、ダメージレースにおいては追加効果の影響も大きい。
他にもいくつか装備品はあるが、デメリットなしでパワーが2以上上がる装備品は無い。《銅の甲殻》は修正値は高いけれど装備コストが重すぎる。ただ、一度装備できれば無双できそうな気もするので考慮には入れるべきか。
こんな感じ。
週末の本番が楽しみ。
個人的には現在どのフォーマットよりも楽しいのでマジックのこと考えてるときは9割くらいコモン構築のこと考えてます。
特に身内以外に需要ないと思うけどせっかくなので文章にしてみることにしました。
1.感染
まず環境最速はやはり感染。単色で組めなくはないけど恒久的に強化するカードがほとんど存在しない(《トロール皮》くらい)のでタッチカラーしたほうが強いように思う。緑か黒が中心になると思うけど、やはり《剛力化》《ぎらつかせのエルフ》などを使わない手はないので緑中心が基本。
2色目もその気になれば何色でも悪くないけど、個人的には赤が好み。強化オーラ、スペル、サイド後の同型対策、環境的に必要なアーティファクト除去などの選択肢が十分存在する。
黒を取ると追加の優秀な感染生物に加えて単体除去や、《闇の好意》《捕食者の計略》等の強化オーラも取れるが、生物は緑単色で足りていて強化オーラ・スペルは赤の方が優れているのであまり選択する意味はない。《破滅の刃》を腐らせるという強みもあるが、それは黒単にしなければ意味がないし、そもそも《胆液爪のマイア》が結局入るのでそれも微妙。
また、《墨蛾の生息地》と《野生の抵抗》がないので無理ゲーや突然死の可能性はかなり下がっている。とはいえメタらないと瞬殺される。
2.Delver系
感染より少し遅くなるが柔軟性が高く妨害手段を多く持つのがDelver系。もちろん《マナ漏出》も《思案》も《蒸気の絡みつき》も使える!
青単か青赤が候補。青赤にすると感染に対して劇的に強くなるが、カードパワー重視で重い構成にしてしまうと普通に負ける。
特に青単はカウンターガン積みのDelver初期型のような構成にすると、ガッショもSCMもいないので盤面で負けたままカウンターを握って死ぬというゲームがあるので、スペル選択はとても難しい。
《縫い合わせのドレイク》は相手の除去選択によってはかなり除去されづらい環境のキー生物。ただし同型のバウンスに少し弱い。
さらにどうしても生物不足のため《幻影の熊》《磁器の軍団兵》《大霊堂のスカージ》などのイリュージョンやΦマナ生物が採用されることになり、なおさらバウンスに弱くなる。後はそもそもDelver本人もバウンスに少しだけ弱いカードなので、同型はバウンス系統のツモ勝負になることが多い。
感染とDelverがともにタフネス1を多様するため《霊炎》は環境のキースペル。もちろん《火柱》《感電破》《ショック》などの2点火力や《火葬》、《硫黄の流弾》なども普通に存在するが、後述のとおり黒いデッキの除去もタフネス1~2を対象とするものが複数存在するため、この環境はタフネス1~4までにそれぞれ明確な除去体制の違いがある。
それはともかく、タッチ赤をしたDelverは「うまく回れば」同型・感染いずれにも相性が良く、その他のビートダウンにもDelverや《磁器の軍団兵》、そして火力という組み合わせで十分戦えるので有力な選択肢になる(色事故がやや怖いが)。
さらに、あらゆるデッキに刺さる(と思われる)《躁の蛮人》がメインから積めるのが大きい。同型のΦ生物、感染のマイア、コントロールのタリスマン、各種ビートダウンの装備品など、おそらく腐ることはないはず。
3.黒系コントロール
しかし、この2種では確実に勝てないのが黒コン。
数多くの黒い単体除去と主に青のスペルで序盤を凌ぎ、《清純のタリスマン》でライフを得つつマナ域を引き上げて各種アドバンテージ生物やスペルで引き離すというスタンと全く同じ戦略で戦うことのできるデッキ。
《黒の太陽の頂点》のような全体除去が存在しないこと、《墓所のタイタン》のような決定的なフィニッシャーが存在しないことという2つの大きな違いはあるが、「コントロールさえ完了すればフィニシャーは何でも大丈夫」の理論によって各種アドバンテージ生物でそのまま殴り切るのが基本。
1:1交換除去やバウンスを食らっても困らないのでDelver系ではかなり苦戦する。
除去と生物の選択は人の好みやメタゲーム予測によって様々だけど、基本的には確実に除去で1:1交換を取りながらCIP生物でアドバンテージを取るというのが基本スタイルになるはず。あとは普通に《熟慮》や《禁忌の錬金術》でデッキを回しながらアドバンテージを稼いでいく。
Delver系は基本的に除去されてタリスマンで回復されていくだけですぐ勝ち筋が途絶える。感染はタリスマンの回復を無視できるのと、除去避けスペルが複数あるので展開によっては勝つこともあるが基本的に不利なのは変わらず。
青黒コンはかなり強く同型戦も予測されるので、サイド後は互いに触ることのできないエンチャントである《血まみれの書の呪い》がキーになる可能性が高い。
4.バーン
生物デッキでは黒系コントロールに相性が悪いので赤バーン系のデッキにも可能性がある。
幸い、実用的な火力はそれなりに揃っているし火力はそのまま除去として感染・Delverにも効く。
ただ、もちろん生物抜きの火力だけで焼ききれるほどコモンの火力は充実していないので生物を併用することになる。この生物比率を上げすぎてしまうと結局黒コンに弱くなってしまう。
理屈の上、メタゲームの上では強そうなアーキタイプだけど、しっかりした完成系に仕上げるのはやや難しそう。個人的な意見としては、普通に組もうとするとおそらくカードが足りないので金属術に寄せて《感電破》や《冷たき集いの吸血鬼》を使うと良いと思う。つまり赤黒コンをバーンに寄せるのが良さげ。
もちろんこれら以外のデッキも存在するが、上記のデッキたちへの比較優位という点では劣りがち。
たとえば白系人間デッキは《宿命の旅人》+装備品の組み合わせがコントロールによく刺さるし、《忠実な聖戦士》も強い。ただ、スピードに欠ける上、除去手段も持ち合わせていないため感染に弱い。
緑系のビッグマナ(いわゆる「恐竜」)もSOMドラフト的な発想では組めそうだけど、あれはあくまで安いパーツでデッキが組めるという相対的な強さだったので微妙。ランパン系はあるけど軽い全体除去はないし、出すだけで勝ちに近づく緑のデカブツは《ファングレンの匪賊》くらいしかいない(多分)。また、どうしても動きが遅くなるためDelverと感染に無力。
リアニメイトスペルも墓地参照生物も存在しないのでドレッジも組めない。
他にもまだまだアイデアはあると思うけど、とりあえず思いつくのはこのへん。
最後に時間がない身内向けに、最低限頭に入れておくべきカード(使うにしても使われるにしても)を改めて羅列しておきます。
<生物>
《縫い合わせのドレイク/Stitched Drake(ISD)》
3/4飛行は除去や生物の選択を誤ると詰む(黒除去でもこれを確実に落とせるのはあまり多くない)上、Delver系は必ず積んでいる生物なので何らかの方法でケアしたいところ。
《躁の蛮人/Manic Vandal(M12)》
環境に溢れるΦマナ生物、タリスマン、装備品へのアンチカード。出されてしまったらもうどうしようもないので、赤いデッキ相手には出されること前提でプレイするのが吉。
《グレイブディガー/Gravedigger(M12)》
環境の基本アドバンテージ生物。リミテッドで強いカードはコモン構築で強い!の代表のようなカード。こいつで他のCIP生物などを使いまわして更にアドバンテージ差を広げる。
<非生物>
《清純のタリスマン/Pristine Talisman(NPH)》
ヘビーコントロールの基本装備。複数並ぶと簡単にライフが溢れるので、全く触れないビートダウンはそれだけで価値が落ちる。感染には無意味なので注意。
《霊炎/Geistflame(ISD)》
アドバンテージの取れる1マナ除去。地味に《縫い合わせのドレイク》の睨み合いにも効果的。タフネス1の生物を多用するデッキ(特に感染)は注意。
《シルヴォクの生命杖/Sylvok Lifestaff(SOM)》
おそらく一番強い装備品。キャスト装備ともに軽く、ダメージレースにおいては追加効果の影響も大きい。
他にもいくつか装備品はあるが、デメリットなしでパワーが2以上上がる装備品は無い。《銅の甲殻》は修正値は高いけれど装備コストが重すぎる。ただ、一度装備できれば無双できそうな気もするので考慮には入れるべきか。
こんな感じ。
週末の本番が楽しみ。
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