ラヴニカへの回帰TOP10
2012年10月7日 最新セットの話題発売日は過ぎてしまいましたが、毎度おなじみの新セット評価。
の前に、まずはアヴァシンの帰還の見直し。
(参照:http://police.diarynote.jp/201204252351307653/)
1:《霧虚ろのグリフィン/Misthollow Griffin(AVR)》
2:《月の賢者タミヨウ/Tamiyo, the Moon Sage(AVR)》
3:《処刑者の要塞/Slayers’ Stronghold(AVR)》
4:《僻地の灯台/Desolate Lighthouse(AVR)》
5:《終末/Terminus(AVR)》
6:《火柱/Pillar of Flame(AVR)》
7:《苛立たしい小悪魔/Vexing Devil(AVR)》
8:《ウルフィーの銀心/Wolfir Silverheart(AVR)》
9:《鷺群れのシガルダ/Sigarda, Host of Herons(AVR)》
10:《悪鬼の血脈、ティボルト/Tibalt, the Fiend-Blooded(AVR)》
おいコラ!修復の天使とかがり火入ってねーぞ!
…いやまあ仕方ない、この2つは実際に使われ出してから一気に評価が上がったカードですからね。かがり火とか初日1000円台だったし。
それはそうとして魂の洞窟とかグリセルも入ってないですね。正解してる数の方が少ないんじゃないのかこれ。
その他に眼を向けてみると、《終末》と《ウルフィーの銀心》をきちんとピックアップできているのは大きい。特に後者は最初期はあまり目立って評価されていなかったはず。
無色ランドはカードは強いけど使う色のデッキがあまりなかったですね。これもそのうちデッキができたら評価される系のカードだと思うので、とりあえずは保留でいいでしょう。ただしティボルト、テメーはダメだ。あとこっそり1位になってるグリフィンね。ティボはともかくグリフィンは強いと思ったんだけどなぁ…。デルバー系に入らなかったのが全てですね。
気を取り直して本題、「ラヴニカへの回帰」からTOP10です。
なお、今回は既に発売日後のためにいくつかのカードに関しては実際に使用した感想も込みでお送りしようと思います。選択基準はいつも通り構築環境での評価で。
ちょうどこのブログが始まったころに発売された旧ラヴニカ、その長い長い年月を経て帰ってきたラヴニカ都市世界で繰り広げられる新たな戦い。予想以上に少ない再録カード、新たに追加された数々のサイクルやシステム。
初動予約でBOX完売といきなり最高のスタートを切った期待満点のこのセットから、最高の10枚を選びぬくことはできるのか!?
【10位】《突然の衰微/Abrupt Decay(RTR)》
プレビューされるやいなや話題沸騰のこのカード。モダンやレガシーでの活躍は約束されているようなものですが、スタンダードでの役割はまだ未知数です。
マナコストの高めのカードも普通に使われるスタンダードでは相手の脅威に対処できないことも多々ありそうですが、そこは環境次第。壊したいものを考えるのも大事ですが、どのデッキが使うかも大事なファクターです。
個人的にはプレインズウォーカーにあまり触れないことが気になりますが、リリアナに対処できるだけまだマシでしょうか。
下環境での高評価とスタンでの未知数さを踏まえ、この順位です。
【9位】《ロッテスのトロール/Lotleth Troll(RTR)》
引き続きゴルガリから、今度は高性能生物を。緑を用いたゾンビデッキに使われることが確定しているため、使われるかどうかの議論をする必要はもはや無いと言っていいでしょう。
《野生の雑種犬》を思わせるその起動型能力ですが実際はクリーチャーカードのみ、と大きく異なるコスト。その分カウンターとして残り続け、さらに本人の持つトランプルと相性が良いので欠点を補って余りあると思われます。新環境で多用されると思われる《未練ある魂/Lingering Souls(DKA)》をほぼ無視できるのは大きいですね。
1マナで起動できる再生能力も強力で、再生禁止除去がすっかり消えてしまったスタンダードでは十分実用的な能力です。何にせよカードには強いことしか書いていないため、よほどゾンビ自体に向かい風の環境でなければその姿を見続けることになるでしょう。
【8位】《イゼットの魔除け/Izzet Charm(RTR)》
デュエルデッキ発売によって一足早くお披露目されたこの魔除け。その段階ではどうやら新魔除けは1マナ相当の効果×3なのかな?と言われていましたが、実際は2マナ相当の効果を持つ魔除けもちらほら見かけられ、単純なカードパワーではイゼットチャームはそこまで高くない、と言われるようになります。
しかし結局のところモード系呪文に必要なのは実質的な選択肢の多さ。最低限の除去として働きながらスペルも睨むことができる、というこのシンプルながら最高の汎用性は効果の低さを補って余りあります。
相手が十分なマナを揃えたり、もはやタフネス2が脅威ではなくなってきたタイミングこそ3番目のルーター能力が輝くときであり、カード全体の組み合わせで見た場合ではやはり強いと言って差し支えないと思われます。
【7位】《大軍のワーム/Armada Wurm(RTR)》
今回のタダツヨ枠その1。《若き群れのドラゴン/Broodmate Dragon(ALA)》を想起させるその能力とマナコストですが、今回は飛行の代わりにトランプル、さらに5/5という一回り大きなサイズを保有しています。
この手の生物の強さはつまるところ「カード1枚で相手の全体除去を要求する」という点になるわけですが、限環境は青白系に実用的な全体除去が2種類あるのでそのメリットはやや軽減されているかもしれません。
ただ、《拘留の宝球/Detention Sphere(RTR)》でまとめて追放されないのはありがたいところ。もちろん《未練ある魂/Lingering Souls(DKA)》でのチャンプブロックも許さないので、見た目通りの強さは期待していいはずです。あとはこの色を用いたビッグマナ系のデッキが現れるかどうか?という所ですが、このカードにはデッキを組ませるだけの魅力があるのでその点は心配無用でしょうね。
【6位】《スフィンクスの啓示/Sphinx’s Revelation(RTR)》
今回のタダツヨ枠その2。《天才のひらめき/Stroke of Genius(USG)》よりは《青の太陽の頂点/Blue Sun’s Zenith(MBS)》と比べるべきでしょうか。青頂点は一部のヘビーな青黒コンで1~3枚程度使われていたことは使われていましたが、そこまで環境に強い影響を与えたカードではありませんでした。
ただ、このカードの大きく異なる点は「X点のライフを得る」というまさにその一文です。劣勢状態から大きなドロースペルで打開策を探す際、手札は増えたけれど使い切るマナがなくて結局負けてしまう、という場面は少なくありません。
しかし、このカードではドローと同時に延命も行ってくれるという、ターンを丸々費やしてしまうXドローにとって最高とも言える付随効果が備わっているのです。
もちろんほぼ盤面を捌き終わり、相手が僅かな可能性を信じて最後の戦力を展開した…という場面で心を盛大にへし折るのにも貢献しますね。さすがに中盤以降でX=5以上でプレイしてしまえばもはやビートダウン相手に負けることはほぼ無いのではないでしょうか。このカードは、本当に強いですよ。
【5位】《静穏の天使/Angel of Serenity(RTR)》
新フィニッシャー枠の7マナ天使様。トリプルシンボルは辛いですが、その能力は劇的です。ビートダウン相手にはさながら《大修道士、エリシュ・ノーン/Elesh Norn, Grand Cenobite(NPH)》のような動きを見せるでしょうし、仮に除去されてしまったとしても手札に戻すという大きくテンポを奪う能力のおかげで返しに即座に負ける、という心配はありません。
既に言われているように自分で2枚使うことで追放除去さえ受けなければ延々と戦場に現れつづけることが可能です。コントロールでもリアニメイトでも使えそうですが、やはり複数を使いまわすという使い方を実現するためにも白系のコントロールで使うのがよさそうですね。《大軍のワーム/Armada Wurm(RTR)》と一緒に使って…オーバーキル?w
【4位】《至高の評決/Supreme Verdict(RTR)》
俺のデイジャがこんなにカウンターされるわけがない。
ということでカウンターされない《審判の日/Day of Judgment(ZEN)》こと《至高の評決/Supreme Verdict(RTR)》です。まあ見た目通りの強さで、4マナの全体除去なので使わない理由もないわけですが、4ターン目にプレイしたい時にトリプルシンボルが揃わなくて負ける…という可能性も無くは無いと思います(今のところありませんでしたが)。
もはや当たり前になってしまった再生可能な全体除去ですが、《ロッテスのトロール/Lotleth Troll(RTR)》が存在するためゾンビ相手にはもはや打つ意味が無いのではないかというくらい効く生物がいないですね…。
打ち消されないの一文は環境にどれだけクロパが存在するかにその強さを大きく依存すると思いますが、コントロール対決でもフィニッシャーを出した返しにこれを打つと確実に通る、というその事実が構築やプレイングに影響を与えるかもしれませんね。
【3位】《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman(RTR)》
1マナハイブリッド生物の割になんだか能力がやけに多いこのカード。できることが多すぎて、そして入れることのできるデッキも多すぎて現状ではまだ正確な評価を下すことは難しそうですが、スタンダードから下の環境まで広く使われそうなイメージはあります。
とにかくメインから使える墓地対策として優秀なので、墓地利用系のデッキは常にこの生物の存在に頭を悩まされることになるでしょう。プレイヤーのライフに与える影響だけを見れば《渋面の溶岩使い/Grim Lavamancer(TOR)》かそれ以上のスペックなのですが、盤面に触れないのは仕方のないところ。さすがにそこまで求めるのは酷というものです。
黒いデッキが普通にマナブーストできるというのはこのカードの大きな特徴の一つなので、フェッチが使えるモダンやレガシーで緑を用いない黒いデッキがマナクリーチャーを獲得した、という見方をすることもできますね。
スタンダードではマナ能力を起動できる機会が少なそうですが、既に《思考掃き/Thought Scour(DKA)》や《忌まわしい回収/Grisly Salvage(RTR)》と併用するデッキも現れているようなのでこの先どんどん使われるのではないでしょうか。
【2位】《アゾリウスの魔除け/Azorius Charm(RTR)》
魔除けの中で間違いなく最強なのはアゾリウスでしょう。青白という色の割にクリーチャー戦に依存した能力が2/3を占めていますが、このカラーは現代においては殴る色なので何も問題はありません。
そして、もちろん伝統的なコントロールで採用してもその強さは劣ることはありません。生物除去としての仕事がもちろん主な役割ですが、3番目のモードである「カードを1枚引く」が強い強い。
いやただの色拘束強い上にカウンターされる可能性のあるサイクリングだろ、と言われたらそれまでなのですが、やはり絶対に腐らないカードというのは強いものです。序盤では除去にもなりつつ、土地が詰まりそうならドローに変換。中盤以降も同様に構えつつ、青白カラーなら「奇跡」誘発のためのドローとして《熟慮/Think Twice(ISD)》と同様の役割を果たすことができます。
もちろんフィニッシャーが出てきてあとはダメージレース、という時にライフリンクでターンをずらすことも何ゲームかに1度くらいはあるでしょう。とにかく、見た目の地味さを大きく上回るその汎用性の高さが何よりの強さです。
【1位】《思考を築く者、ジェイス/Jace, Architect of Thought(RTR)》
1位はもちろんこのカード。4種類目のジェイスが、再び「神」を彷彿とさせる4マナ域で登場しました。
初見での評価は基本的に誰でも「-2は普通に強いけど+1がやや微妙?奥義もちょっと…」というものだと思います。順に見て行きましょう。
まず-2ですが、これは見た目通り強い。出したターンに盤面に脅威がいなければまず-2から入るのが基本です。ほぼ2ドローが約束されているので、返しにスペル等で除去されることがあっても1:3交換が確定しています。基本的にはジェイスをある程度守れる状況になったら-2で忠誠度を消費していってガンガン手札を増やしていくのが基本なので、逆に奥義を打つことは滅多にありません。
続いて問題の+1ですが、これは見た目より強い。単体で大きなクロックを用意してくる相手にはそれこそ前述のアゾチャや各種チャンプブロッカーが仕事をしてくれますし、逆に小さめの生物(パワー1~2くらい)を多く並べる相手には劇的な効果を発揮します。そうでなくてもパワーが1ずれてしまうのは意外と重要で、これは使ってみて初めて分かる系の強さかな?とも思いました。
奥義?奥義は…まあいいでしょう。使うことはないと思います。余裕があれば即座に-2を起動して手札を増やしていくのが正しい使い方ですね。
というわけでTOP10でした。
今回はちょっとだけ発売後期間に入ってからの記事掲載になりましたが、その代わり普段と違って実際に使ってみた感想込みでお送りしました。
そういえばショックランドが入っていませんが、まあ強さは分かっているしあえて入れる必要もないでしょう。ただ、M10ランドとの相性の良さは特筆すべきもので、3色のコントロールであってもショックランドが1枚出てしまえばその後のM10土地(とISD土地)が全てアンタップインになるのは想像以上に強いですね。
そんな感じで。
の前に、まずはアヴァシンの帰還の見直し。
(参照:http://police.diarynote.jp/201204252351307653/)
1:《霧虚ろのグリフィン/Misthollow Griffin(AVR)》
2:《月の賢者タミヨウ/Tamiyo, the Moon Sage(AVR)》
3:《処刑者の要塞/Slayers’ Stronghold(AVR)》
4:《僻地の灯台/Desolate Lighthouse(AVR)》
5:《終末/Terminus(AVR)》
6:《火柱/Pillar of Flame(AVR)》
7:《苛立たしい小悪魔/Vexing Devil(AVR)》
8:《ウルフィーの銀心/Wolfir Silverheart(AVR)》
9:《鷺群れのシガルダ/Sigarda, Host of Herons(AVR)》
10:《悪鬼の血脈、ティボルト/Tibalt, the Fiend-Blooded(AVR)》
おいコラ!修復の天使とかがり火入ってねーぞ!
…いやまあ仕方ない、この2つは実際に使われ出してから一気に評価が上がったカードですからね。かがり火とか初日1000円台だったし。
それはそうとして魂の洞窟とかグリセルも入ってないですね。正解してる数の方が少ないんじゃないのかこれ。
その他に眼を向けてみると、《終末》と《ウルフィーの銀心》をきちんとピックアップできているのは大きい。特に後者は最初期はあまり目立って評価されていなかったはず。
無色ランドはカードは強いけど使う色のデッキがあまりなかったですね。これもそのうちデッキができたら評価される系のカードだと思うので、とりあえずは保留でいいでしょう。ただしティボルト、テメーはダメだ。あとこっそり1位になってるグリフィンね。ティボはともかくグリフィンは強いと思ったんだけどなぁ…。デルバー系に入らなかったのが全てですね。
気を取り直して本題、「ラヴニカへの回帰」からTOP10です。
なお、今回は既に発売日後のためにいくつかのカードに関しては実際に使用した感想も込みでお送りしようと思います。選択基準はいつも通り構築環境での評価で。
ちょうどこのブログが始まったころに発売された旧ラヴニカ、その長い長い年月を経て帰ってきたラヴニカ都市世界で繰り広げられる新たな戦い。予想以上に少ない再録カード、新たに追加された数々のサイクルやシステム。
初動予約でBOX完売といきなり最高のスタートを切った期待満点のこのセットから、最高の10枚を選びぬくことはできるのか!?
【10位】《突然の衰微/Abrupt Decay(RTR)》
プレビューされるやいなや話題沸騰のこのカード。モダンやレガシーでの活躍は約束されているようなものですが、スタンダードでの役割はまだ未知数です。
マナコストの高めのカードも普通に使われるスタンダードでは相手の脅威に対処できないことも多々ありそうですが、そこは環境次第。壊したいものを考えるのも大事ですが、どのデッキが使うかも大事なファクターです。
個人的にはプレインズウォーカーにあまり触れないことが気になりますが、リリアナに対処できるだけまだマシでしょうか。
下環境での高評価とスタンでの未知数さを踏まえ、この順位です。
【9位】《ロッテスのトロール/Lotleth Troll(RTR)》
引き続きゴルガリから、今度は高性能生物を。緑を用いたゾンビデッキに使われることが確定しているため、使われるかどうかの議論をする必要はもはや無いと言っていいでしょう。
《野生の雑種犬》を思わせるその起動型能力ですが実際はクリーチャーカードのみ、と大きく異なるコスト。その分カウンターとして残り続け、さらに本人の持つトランプルと相性が良いので欠点を補って余りあると思われます。新環境で多用されると思われる《未練ある魂/Lingering Souls(DKA)》をほぼ無視できるのは大きいですね。
1マナで起動できる再生能力も強力で、再生禁止除去がすっかり消えてしまったスタンダードでは十分実用的な能力です。何にせよカードには強いことしか書いていないため、よほどゾンビ自体に向かい風の環境でなければその姿を見続けることになるでしょう。
【8位】《イゼットの魔除け/Izzet Charm(RTR)》
デュエルデッキ発売によって一足早くお披露目されたこの魔除け。その段階ではどうやら新魔除けは1マナ相当の効果×3なのかな?と言われていましたが、実際は2マナ相当の効果を持つ魔除けもちらほら見かけられ、単純なカードパワーではイゼットチャームはそこまで高くない、と言われるようになります。
しかし結局のところモード系呪文に必要なのは実質的な選択肢の多さ。最低限の除去として働きながらスペルも睨むことができる、というこのシンプルながら最高の汎用性は効果の低さを補って余りあります。
相手が十分なマナを揃えたり、もはやタフネス2が脅威ではなくなってきたタイミングこそ3番目のルーター能力が輝くときであり、カード全体の組み合わせで見た場合ではやはり強いと言って差し支えないと思われます。
【7位】《大軍のワーム/Armada Wurm(RTR)》
今回のタダツヨ枠その1。《若き群れのドラゴン/Broodmate Dragon(ALA)》を想起させるその能力とマナコストですが、今回は飛行の代わりにトランプル、さらに5/5という一回り大きなサイズを保有しています。
この手の生物の強さはつまるところ「カード1枚で相手の全体除去を要求する」という点になるわけですが、限環境は青白系に実用的な全体除去が2種類あるのでそのメリットはやや軽減されているかもしれません。
ただ、《拘留の宝球/Detention Sphere(RTR)》でまとめて追放されないのはありがたいところ。もちろん《未練ある魂/Lingering Souls(DKA)》でのチャンプブロックも許さないので、見た目通りの強さは期待していいはずです。あとはこの色を用いたビッグマナ系のデッキが現れるかどうか?という所ですが、このカードにはデッキを組ませるだけの魅力があるのでその点は心配無用でしょうね。
【6位】《スフィンクスの啓示/Sphinx’s Revelation(RTR)》
今回のタダツヨ枠その2。《天才のひらめき/Stroke of Genius(USG)》よりは《青の太陽の頂点/Blue Sun’s Zenith(MBS)》と比べるべきでしょうか。青頂点は一部のヘビーな青黒コンで1~3枚程度使われていたことは使われていましたが、そこまで環境に強い影響を与えたカードではありませんでした。
ただ、このカードの大きく異なる点は「X点のライフを得る」というまさにその一文です。劣勢状態から大きなドロースペルで打開策を探す際、手札は増えたけれど使い切るマナがなくて結局負けてしまう、という場面は少なくありません。
しかし、このカードではドローと同時に延命も行ってくれるという、ターンを丸々費やしてしまうXドローにとって最高とも言える付随効果が備わっているのです。
もちろんほぼ盤面を捌き終わり、相手が僅かな可能性を信じて最後の戦力を展開した…という場面で心を盛大にへし折るのにも貢献しますね。さすがに中盤以降でX=5以上でプレイしてしまえばもはやビートダウン相手に負けることはほぼ無いのではないでしょうか。このカードは、本当に強いですよ。
【5位】《静穏の天使/Angel of Serenity(RTR)》
新フィニッシャー枠の7マナ天使様。トリプルシンボルは辛いですが、その能力は劇的です。ビートダウン相手にはさながら《大修道士、エリシュ・ノーン/Elesh Norn, Grand Cenobite(NPH)》のような動きを見せるでしょうし、仮に除去されてしまったとしても手札に戻すという大きくテンポを奪う能力のおかげで返しに即座に負ける、という心配はありません。
既に言われているように自分で2枚使うことで追放除去さえ受けなければ延々と戦場に現れつづけることが可能です。コントロールでもリアニメイトでも使えそうですが、やはり複数を使いまわすという使い方を実現するためにも白系のコントロールで使うのがよさそうですね。《大軍のワーム/Armada Wurm(RTR)》と一緒に使って…オーバーキル?w
【4位】《至高の評決/Supreme Verdict(RTR)》
俺のデイジャがこんなにカウンターされるわけがない。
ということでカウンターされない《審判の日/Day of Judgment(ZEN)》こと《至高の評決/Supreme Verdict(RTR)》です。まあ見た目通りの強さで、4マナの全体除去なので使わない理由もないわけですが、4ターン目にプレイしたい時にトリプルシンボルが揃わなくて負ける…という可能性も無くは無いと思います(今のところありませんでしたが)。
もはや当たり前になってしまった再生可能な全体除去ですが、《ロッテスのトロール/Lotleth Troll(RTR)》が存在するためゾンビ相手にはもはや打つ意味が無いのではないかというくらい効く生物がいないですね…。
打ち消されないの一文は環境にどれだけクロパが存在するかにその強さを大きく依存すると思いますが、コントロール対決でもフィニッシャーを出した返しにこれを打つと確実に通る、というその事実が構築やプレイングに影響を与えるかもしれませんね。
【3位】《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman(RTR)》
1マナハイブリッド生物の割になんだか能力がやけに多いこのカード。できることが多すぎて、そして入れることのできるデッキも多すぎて現状ではまだ正確な評価を下すことは難しそうですが、スタンダードから下の環境まで広く使われそうなイメージはあります。
とにかくメインから使える墓地対策として優秀なので、墓地利用系のデッキは常にこの生物の存在に頭を悩まされることになるでしょう。プレイヤーのライフに与える影響だけを見れば《渋面の溶岩使い/Grim Lavamancer(TOR)》かそれ以上のスペックなのですが、盤面に触れないのは仕方のないところ。さすがにそこまで求めるのは酷というものです。
黒いデッキが普通にマナブーストできるというのはこのカードの大きな特徴の一つなので、フェッチが使えるモダンやレガシーで緑を用いない黒いデッキがマナクリーチャーを獲得した、という見方をすることもできますね。
スタンダードではマナ能力を起動できる機会が少なそうですが、既に《思考掃き/Thought Scour(DKA)》や《忌まわしい回収/Grisly Salvage(RTR)》と併用するデッキも現れているようなのでこの先どんどん使われるのではないでしょうか。
【2位】《アゾリウスの魔除け/Azorius Charm(RTR)》
魔除けの中で間違いなく最強なのはアゾリウスでしょう。青白という色の割にクリーチャー戦に依存した能力が2/3を占めていますが、このカラーは現代においては殴る色なので何も問題はありません。
そして、もちろん伝統的なコントロールで採用してもその強さは劣ることはありません。生物除去としての仕事がもちろん主な役割ですが、3番目のモードである「カードを1枚引く」が強い強い。
いやただの色拘束強い上にカウンターされる可能性のあるサイクリングだろ、と言われたらそれまでなのですが、やはり絶対に腐らないカードというのは強いものです。序盤では除去にもなりつつ、土地が詰まりそうならドローに変換。中盤以降も同様に構えつつ、青白カラーなら「奇跡」誘発のためのドローとして《熟慮/Think Twice(ISD)》と同様の役割を果たすことができます。
もちろんフィニッシャーが出てきてあとはダメージレース、という時にライフリンクでターンをずらすことも何ゲームかに1度くらいはあるでしょう。とにかく、見た目の地味さを大きく上回るその汎用性の高さが何よりの強さです。
【1位】《思考を築く者、ジェイス/Jace, Architect of Thought(RTR)》
1位はもちろんこのカード。4種類目のジェイスが、再び「神」を彷彿とさせる4マナ域で登場しました。
初見での評価は基本的に誰でも「-2は普通に強いけど+1がやや微妙?奥義もちょっと…」というものだと思います。順に見て行きましょう。
まず-2ですが、これは見た目通り強い。出したターンに盤面に脅威がいなければまず-2から入るのが基本です。ほぼ2ドローが約束されているので、返しにスペル等で除去されることがあっても1:3交換が確定しています。基本的にはジェイスをある程度守れる状況になったら-2で忠誠度を消費していってガンガン手札を増やしていくのが基本なので、逆に奥義を打つことは滅多にありません。
続いて問題の+1ですが、これは見た目より強い。単体で大きなクロックを用意してくる相手にはそれこそ前述のアゾチャや各種チャンプブロッカーが仕事をしてくれますし、逆に小さめの生物(パワー1~2くらい)を多く並べる相手には劇的な効果を発揮します。そうでなくてもパワーが1ずれてしまうのは意外と重要で、これは使ってみて初めて分かる系の強さかな?とも思いました。
奥義?奥義は…まあいいでしょう。使うことはないと思います。余裕があれば即座に-2を起動して手札を増やしていくのが正しい使い方ですね。
というわけでTOP10でした。
今回はちょっとだけ発売後期間に入ってからの記事掲載になりましたが、その代わり普段と違って実際に使ってみた感想込みでお送りしました。
そういえばショックランドが入っていませんが、まあ強さは分かっているしあえて入れる必要もないでしょう。ただ、M10ランドとの相性の良さは特筆すべきもので、3色のコントロールであってもショックランドが1枚出てしまえばその後のM10土地(とISD土地)が全てアンタップインになるのは想像以上に強いですね。
そんな感じで。
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