BM池袋 『ラヴニカへの回帰』ゲームデーカバレッジ(準決勝)
2012年10月30日 戦略記事・読み物 コメント (5)(準々決勝:http://police.diarynote.jp/201210300033028261/)
(決勝戦:http://police.diarynote.jp/201210301550179732/)
準決勝:福岡 正康 vs. 今泉 陸
スイスラウンドを滑り込み8位で抜けた福岡が操るのはエスパー・コントロール。カウンターを大量に積んだタイプであり、常連の身内からレシピを提供してもらい組んだデッキだ。スタンダードの大会は一ヶ月前のFNM以来であるという多忙な福岡だが、長いMTG歴を武器に古典的なコントロールで戦い、準々決勝では相性の良いジャンドミッドレンジを悠々と下している。
対する今泉は常連内でも一番の若手。新環境の早い段階から自作のデッキを大会に何度も出ては練り直して、今日の舞台へと完成品を持ち込んでいる。その正体は試合の内容を追いながら確認していただきたい。
何もかも正反対の二人がぶつかり合う準決勝。福岡が「マジックの伝統」パーミッション・コントロールでその年の功を見せつけるか、それとも今泉が若い力でそれを跳ね除けるか。注目の一戦をお送りしよう。
Game1
福岡の先手でゲームが開始される。互いに7枚の初手をキープしており、万全なゲームが期待できる。
青系コントロールのセオリー通り土地を置いては静かにターンを返し、《熟慮/Think Twice(ISD)》で手札を育てる福岡。対する今泉は2ターン目から《遥か見/Farseek(M13)》、《未練ある魂/Lingering Souls(DKA)》とプレイし、その両方が通る。さらに次ターンの《未練ある魂》フラッシュバックからクロックを4点へと成長させるが、ターン終了時の《熟慮》フラッシュバックから公開された《終末/Terminus(AVR)》が一旦盤面をリセット。互いに損をすることなく、1対1の交換が行われた。
今泉は手を緩めず《スラーグ牙/Thragtusk(M13)》をプレイ。これにも《熟慮》で対応するもののカウンターが見つからない福岡はこれを苦い顔で通すしかなく、返しの《未練ある魂》で時間を稼ごうと目論む。
《スラーグ牙》の攻撃をスピリットでブロックされるが、この程度では済まさないと今泉は《高まる献身/Increasing Devotion(DKA)》をキャスト!しかしこれには手札に溜まっていた福岡の《否認/Negate(M13)》が刺さり、ひとまずは猶予を得る。福岡はさらに《未練ある魂》をフラッシュバックして時間を稼ごうとするが、今度は今泉が《終末》を奇跡でプレイ。《スラーグ牙》から生まれたビーストトークンのみか戦場に残り、さらに2枚目の《高まる献身》もカウンターされることなく解決されてしまう。
今泉の手札が残り1枚であることを確認した福岡はここでリセットをかければ大きな追撃はないと判断したか、《終末》を「通常」キャスト。しかし今泉の返すターンの行動は《セレズニアの魔鍵/Selesnya Keyrune(RTR)》からの《集団的祝福/Collective Blessing(RTR)》!突如としてソーサリー除去では対処のできない6/6のクロックが誕生してしまった。
そして、もちろん《集団的祝福》は《魔鍵》を育てることが目的ではない。福岡がドローゴーをした返しに、十分なマナから今泉は《高まる献身》をフラッシュバック!これが通ってしまえばゲームは一瞬で終了かと思われたが、福岡は握っていた《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage(ISD)》から《否認》をフラッシュバックしこれを退ける。マナの余っている福岡はここからエンド時に今泉のライブラリーを《ネファリアの溺墓/Nephalia Drownyard(ISD)》で攻撃し始める。
それでも墓地には《高まる献身》はまだ1枚残っている。次ターンに再びこれをフラッシュバックする今泉だが、福岡もまた2枚目の《瞬唱の魔道士》を握っていた。《雲散霧消/Dissipate(ISD)》のフラッシュバックでこれを打ち消し、ネファリアを起動し、《熟慮》をフラッシュバック。《未練ある魂》をプレイしてさらなるブロッカーを確保。徐々にゲームは福岡の側に傾いているように見えた。
しかし、ここで今泉がプレイした3枚目の《高まる献身》がついに通ってしまう!盤面に5体の4/4トークンが並び、さらに6/6の《セレズニアの魔鍵》がアタックを開始する。
フラッシュバックの《未練ある魂》も含めれば合計6体はブロッカーを用意できる福岡だが、到底相打ちできるサイズではないため解決にはならない。インスタントタイミングでの《終末》を警戒してトークンのみでアタックを行う今泉。それでも十分な殺傷力を持つため「奇跡」を願うしかない福岡は《アゾリウスの魔除け/Azorius Charm(RTR)》でドローを選択するが、奇跡は起こらない。
ブロッカーで止めきれなかったトークンは《ガヴォニーの居住区/Gavony Township(ISD)》で強化され、福岡に重い一撃を与える。ネファリア2枚を自分自身に起動し、解決策を探しに行く福岡ではあったが、土地とカウンター呪文しか引くことのできないまま巨大なトークン達に押し潰されてしまうのであった。
今泉 1-0 福岡
Game2
先手の福岡は満足にキープ。対する今泉は福岡のキープ宣言を聞くより早くマリガンを宣言した。なんとか1回のマリガンでキープできる手札をもらえた今泉は6枚のハンドでゲームを開始する。
ゲームは開幕1ターン目から今泉の《真髄の針/Pithing Needle(RTR)》(指定:《ネファリアの溺墓》)で大きく動く。一見地味に見えるこの行動だが、勝ち手段及びアドバンテージ獲得を大きくネファリアに依存している福岡のデッキで、この《真髄の針》は大きな痛手だ。
それでも土地を置いてターンを返すしかない福岡。ところが対する今泉も《遥か見》をプレイしたのは良いものの、そのまま互いの土地が9枚を越えるところまで福岡の《禁忌の錬金術/Forbidden Alchemy(ISD)》キャスト以外は一切の動きをせず、セットランド&ゴーでターンが進行し続ける。
実質的な次のアクションは福岡の《死の支配の呪い/Curse of Death’s Hold(ISD)》。これで強化されていない状態では今泉のトークンはその力を発揮しなくなる。しかし、返すターンで11枚の土地を揃えた今泉は《スラーグ牙/Thragtusk(M13)》に《雲散霧消》を消費させてからの本命の《ニンの杖/Staff of Nin(M13)》を通す!
これが生き延びてしまうとアドバンテージに大差が付いてしまうが、福岡は無事にハンドに《拘留の宝球/Detention Sphere(RTR)》を握っていたため大事には至らない。さらに《ニンの杖》を排除してからの《未練ある魂》を安全にキャストする。
返しに《ロクソドンの強打者/Loxodon Smiter(RTR)》は通さざるを得ないが、十分にトークンはいる上に呪いも貼られている。福岡はトークン1体だけでアタックし、スピリットトークンを3体立たせてターンを返す。
邪魔なスピリットをまとめて排除しようと今泉は《血統の切断/Sever the Bloodline(ISD)》をプレイするがこれは《雲散霧消》の的に。仕方なく《ロクソドンの強打者》で攻撃するが、これを福岡はスピリットトークン3体でブロックしてしまう。《死の支配の呪い》は貼られているのだが、今泉のコントロールする《ガヴォニーの居住区》を見落としてしまっていたのだ。
この手痛いミスの結果、福岡はチャンプブロッカーを2体余計に消費してしまう形になった。
ブロッカーの尽きた福岡は仕方なく《瞬唱の魔道士》で《終末》をフラッシュバックするが、すぐさま《夜明け歩きの大鹿/Dawntreader Elk(DKA)》と《スラーグ牙》を展開する今泉。
《ガヴォニーの居住区》があるため、もはやどんなクリーチャーであっても数さえ並べば対処せざるを得ない。しかし福岡は《未練ある魂》を辛うじて引き当ててチャンプブロックに回すことしかできない。《隔離する成長/Sundering Growth(RTR)》で《真髄の針》を破壊しつつブロッカーを「居住」で増やしつつ、拘束の解かれた《ネファリアの溺墓》を自身に起動して回答を探しに行くと、《熟慮》が2枚墓地に。
あとはアタック時に《熟慮》をプレイして《終末》がめくれるのを期待するだけだが、既にクロックは致死量でブロッカーは皆無。従ってチャンスは一度しか与えられない。
そして、今泉のクリーチャーがレッドゾーンに送り込まれたところで《熟慮》をフラッシュバックし、福岡が祈るように直接叩きつけたライブラリトップのカードは・・・
《スフィンクスの啓示/Sphinx’s Revelation(RTR)》!
福岡のライフは残り5。残りマナは4。
福岡に殴りかかるクリーチャーのパワー合計は13点。
今泉 2-0 福岡
今泉 陸、決勝進出!
(決勝戦:http://police.diarynote.jp/201210301550179732/)
準決勝:福岡 正康 vs. 今泉 陸
スイスラウンドを滑り込み8位で抜けた福岡が操るのはエスパー・コントロール。カウンターを大量に積んだタイプであり、常連の身内からレシピを提供してもらい組んだデッキだ。スタンダードの大会は一ヶ月前のFNM以来であるという多忙な福岡だが、長いMTG歴を武器に古典的なコントロールで戦い、準々決勝では相性の良いジャンドミッドレンジを悠々と下している。
対する今泉は常連内でも一番の若手。新環境の早い段階から自作のデッキを大会に何度も出ては練り直して、今日の舞台へと完成品を持ち込んでいる。その正体は試合の内容を追いながら確認していただきたい。
何もかも正反対の二人がぶつかり合う準決勝。福岡が「マジックの伝統」パーミッション・コントロールでその年の功を見せつけるか、それとも今泉が若い力でそれを跳ね除けるか。注目の一戦をお送りしよう。
Game1
福岡の先手でゲームが開始される。互いに7枚の初手をキープしており、万全なゲームが期待できる。
青系コントロールのセオリー通り土地を置いては静かにターンを返し、《熟慮/Think Twice(ISD)》で手札を育てる福岡。対する今泉は2ターン目から《遥か見/Farseek(M13)》、《未練ある魂/Lingering Souls(DKA)》とプレイし、その両方が通る。さらに次ターンの《未練ある魂》フラッシュバックからクロックを4点へと成長させるが、ターン終了時の《熟慮》フラッシュバックから公開された《終末/Terminus(AVR)》が一旦盤面をリセット。互いに損をすることなく、1対1の交換が行われた。
今泉は手を緩めず《スラーグ牙/Thragtusk(M13)》をプレイ。これにも《熟慮》で対応するもののカウンターが見つからない福岡はこれを苦い顔で通すしかなく、返しの《未練ある魂》で時間を稼ごうと目論む。
《スラーグ牙》の攻撃をスピリットでブロックされるが、この程度では済まさないと今泉は《高まる献身/Increasing Devotion(DKA)》をキャスト!しかしこれには手札に溜まっていた福岡の《否認/Negate(M13)》が刺さり、ひとまずは猶予を得る。福岡はさらに《未練ある魂》をフラッシュバックして時間を稼ごうとするが、今度は今泉が《終末》を奇跡でプレイ。《スラーグ牙》から生まれたビーストトークンのみか戦場に残り、さらに2枚目の《高まる献身》もカウンターされることなく解決されてしまう。
今泉の手札が残り1枚であることを確認した福岡はここでリセットをかければ大きな追撃はないと判断したか、《終末》を「通常」キャスト。しかし今泉の返すターンの行動は《セレズニアの魔鍵/Selesnya Keyrune(RTR)》からの《集団的祝福/Collective Blessing(RTR)》!突如としてソーサリー除去では対処のできない6/6のクロックが誕生してしまった。
そして、もちろん《集団的祝福》は《魔鍵》を育てることが目的ではない。福岡がドローゴーをした返しに、十分なマナから今泉は《高まる献身》をフラッシュバック!これが通ってしまえばゲームは一瞬で終了かと思われたが、福岡は握っていた《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage(ISD)》から《否認》をフラッシュバックしこれを退ける。マナの余っている福岡はここからエンド時に今泉のライブラリーを《ネファリアの溺墓/Nephalia Drownyard(ISD)》で攻撃し始める。
それでも墓地には《高まる献身》はまだ1枚残っている。次ターンに再びこれをフラッシュバックする今泉だが、福岡もまた2枚目の《瞬唱の魔道士》を握っていた。《雲散霧消/Dissipate(ISD)》のフラッシュバックでこれを打ち消し、ネファリアを起動し、《熟慮》をフラッシュバック。《未練ある魂》をプレイしてさらなるブロッカーを確保。徐々にゲームは福岡の側に傾いているように見えた。
しかし、ここで今泉がプレイした3枚目の《高まる献身》がついに通ってしまう!盤面に5体の4/4トークンが並び、さらに6/6の《セレズニアの魔鍵》がアタックを開始する。
フラッシュバックの《未練ある魂》も含めれば合計6体はブロッカーを用意できる福岡だが、到底相打ちできるサイズではないため解決にはならない。インスタントタイミングでの《終末》を警戒してトークンのみでアタックを行う今泉。それでも十分な殺傷力を持つため「奇跡」を願うしかない福岡は《アゾリウスの魔除け/Azorius Charm(RTR)》でドローを選択するが、奇跡は起こらない。
ブロッカーで止めきれなかったトークンは《ガヴォニーの居住区/Gavony Township(ISD)》で強化され、福岡に重い一撃を与える。ネファリア2枚を自分自身に起動し、解決策を探しに行く福岡ではあったが、土地とカウンター呪文しか引くことのできないまま巨大なトークン達に押し潰されてしまうのであった。
今泉 1-0 福岡
Game2
先手の福岡は満足にキープ。対する今泉は福岡のキープ宣言を聞くより早くマリガンを宣言した。なんとか1回のマリガンでキープできる手札をもらえた今泉は6枚のハンドでゲームを開始する。
ゲームは開幕1ターン目から今泉の《真髄の針/Pithing Needle(RTR)》(指定:《ネファリアの溺墓》)で大きく動く。一見地味に見えるこの行動だが、勝ち手段及びアドバンテージ獲得を大きくネファリアに依存している福岡のデッキで、この《真髄の針》は大きな痛手だ。
それでも土地を置いてターンを返すしかない福岡。ところが対する今泉も《遥か見》をプレイしたのは良いものの、そのまま互いの土地が9枚を越えるところまで福岡の《禁忌の錬金術/Forbidden Alchemy(ISD)》キャスト以外は一切の動きをせず、セットランド&ゴーでターンが進行し続ける。
実質的な次のアクションは福岡の《死の支配の呪い/Curse of Death’s Hold(ISD)》。これで強化されていない状態では今泉のトークンはその力を発揮しなくなる。しかし、返すターンで11枚の土地を揃えた今泉は《スラーグ牙/Thragtusk(M13)》に《雲散霧消》を消費させてからの本命の《ニンの杖/Staff of Nin(M13)》を通す!
これが生き延びてしまうとアドバンテージに大差が付いてしまうが、福岡は無事にハンドに《拘留の宝球/Detention Sphere(RTR)》を握っていたため大事には至らない。さらに《ニンの杖》を排除してからの《未練ある魂》を安全にキャストする。
返しに《ロクソドンの強打者/Loxodon Smiter(RTR)》は通さざるを得ないが、十分にトークンはいる上に呪いも貼られている。福岡はトークン1体だけでアタックし、スピリットトークンを3体立たせてターンを返す。
邪魔なスピリットをまとめて排除しようと今泉は《血統の切断/Sever the Bloodline(ISD)》をプレイするがこれは《雲散霧消》の的に。仕方なく《ロクソドンの強打者》で攻撃するが、これを福岡はスピリットトークン3体でブロックしてしまう。《死の支配の呪い》は貼られているのだが、今泉のコントロールする《ガヴォニーの居住区》を見落としてしまっていたのだ。
この手痛いミスの結果、福岡はチャンプブロッカーを2体余計に消費してしまう形になった。
ブロッカーの尽きた福岡は仕方なく《瞬唱の魔道士》で《終末》をフラッシュバックするが、すぐさま《夜明け歩きの大鹿/Dawntreader Elk(DKA)》と《スラーグ牙》を展開する今泉。
《ガヴォニーの居住区》があるため、もはやどんなクリーチャーであっても数さえ並べば対処せざるを得ない。しかし福岡は《未練ある魂》を辛うじて引き当ててチャンプブロックに回すことしかできない。《隔離する成長/Sundering Growth(RTR)》で《真髄の針》を破壊しつつブロッカーを「居住」で増やしつつ、拘束の解かれた《ネファリアの溺墓》を自身に起動して回答を探しに行くと、《熟慮》が2枚墓地に。
あとはアタック時に《熟慮》をプレイして《終末》がめくれるのを期待するだけだが、既にクロックは致死量でブロッカーは皆無。従ってチャンスは一度しか与えられない。
そして、今泉のクリーチャーがレッドゾーンに送り込まれたところで《熟慮》をフラッシュバックし、福岡が祈るように直接叩きつけたライブラリトップのカードは・・・
《スフィンクスの啓示/Sphinx’s Revelation(RTR)》!
福岡のライフは残り5。残りマナは4。
福岡に殴りかかるクリーチャーのパワー合計は13点。
今泉 2-0 福岡
今泉 陸、決勝進出!
コメント
保存したからあとでゆっくり読まさせていただきます( ´∀`)
ありがとう!
>くいろ
うっすうっす。決勝戦も読んで、どうぞ
>re-giantさん
ありがとうございます!最終カバレッジもアップしました。
詳しく読みやすく書いてくれているので自分のミスプレイを客観的に見られる良い記事でした。
これはモチベあがるわー